最近のロゴに使われているデザインテクニックのまとめ -2025年、ロゴデザインのトレンド

デザインの基本となるタイポグラフィ、カラー、形などのデザイン要素が詰まった、最近のロゴデザインに使われているトレンド、デザインテクニックを紹介します。

サステナビリティを重視したアースカラー、進化しているグラデーションの使い方、ネガティブスペースやポジティブスペースの使い方など、これまでとは一味異なるデザインのテクニックが満載です。

2025年、ロゴデザインのトレンド

2025 Logo Trend Report
by BILL GARDNER

下記は各ポイントを意訳したものです。
※元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。

2025年、ロゴデザインのトレンドの傾向

23回目を迎えるLogoLoungeのトレンドレポートですが、今年は120ヵ国30,000点以上のロゴを調査して分かったことが一つあります。トレンドは一時的な流行ではないということです。これはトレンドレポートであって、流行レポートではありません。流行とは一時的なもので、今はかっこよく見えても明日には消えてしまうかもしれません。トレンドは動きを追うものであり、デザインの向かう先を示す長い道のりで、わたし達の技術の軌跡を形作る移り変わりを示すものです。

それではさっそく、今年のトレンドを分析してみましょう。

ロゴの最近のトレンドは、想像できる限り小さなスクリーンの中で作業をするという現実があります。今日のデザイナーはかつては看板でしか見られなかったものを手のひらサイズの小さなスマホのデバイスに詰め込んでいます。つまり、より高いコントラスト、より大胆な色使い、瞬時に読み取れるシャープなアイコンで際立たせなければならないということです。

その一方で、テラコッタ、ブラウン、深みのあるナチュラルカラーといった、くすんだ、落ち着いた、アースカラーの台頭も見られます。これはサステナビリティを重視するカラーパレットです。未来的な鮮やかな色と環境に配慮したアースカラーのコントラストは、色だけでなく、その形、フォルムにも影響を与えています。また、グラデーションも進化を続け、片側だけのシャドウグラデーションや70-80年代のレトロな美学を彷彿とさせるレイヤードグラデーションが用いられています。

デザイナーが現在直面している最大の課題の一つ、特にAI側に当てはまることですが、アイデアが多すぎるという問題があります。生成AIは息をのむほど豊富で、驚異的なスピードでコンセプトを生成できますが、その能力には編集という代償が伴います。魅力的な選択肢が100個も提示されると、そのすべてを使いたくなるのが人情というものです。しかし、デザインは量ではなく、明瞭さによって成り立ちます。編集はデザインのために生成AIを使用する上で不可欠な要素であり、その無限のインスピレーションから焦点を絞った有意義な成果に変換します。

このロゴのトレンドレポートは、ベストプラクティスを提示したり勝者を決めるためではありません。トレンドを追跡し、トレンドマップを提供するためのものです。そして私が常に強調していることは、トレンドを真似しないことです。盲目的に模倣することはやめてください。トレンドを踏み台にして、その足跡をたどりながら、あなた自身の次の素晴らしいイテレーションに向かって突き進んでください。

トレンドの流れを見るのも面白いと思うので、過去分もどうぞ。

それでは、2025年のロゴデザインの15個のトレンドを見てましょう!

Sharps: 曲がりくねった自由な曲線と鋭い切り込み

2025年のロゴデザイン: Sharps: 曲がりくねった自由な曲線と鋭い切り込み

デザイナーは歴史的に、ロゴにおける鋭く突き刺さるダガーのようなカットは避けてきました。それはタイポグラファーがインクトラップを発明したのと同じ理由です。アナログ時代ではこうした底なしの視覚的な溝は複製に大きな混乱を招き、ディテールを飲み込んで形をぼやけされていました。しかし、デジタル時代ではそんな懸念は消え去りました。現在のデザイナーはこうした深いカットを意図的な終着点として受け入れています。曲がりくねった自由な線は遊び心があり、鋭くコントロールされた緊張感へと変化します。これらのロゴはロゴらしさを感じさせるだけの古典的な制約を持ちながらも、デザイナーがあえてダガーをギリギリまで押し込んだかのように有機的で反抗的なエネルギーを放っています。

このトレンドの大きな特徴は、シャープで明確なメッセージを送っていることです。ポジティブスペースとネガティブスペースの間の繊細なダンスを深く理解した上で見事にデザインされています。シンプルに見えるかもしれませんが、その真価はニュアンスにあります。どこまで切り込みを入れ、どこに緊張感を置き、全体の構造をどう維持するかを熟知しています。その結果、精緻でありながらも力強いビジュアルの主張が生まれます。

Smokies: 丸みから連想される柔らかさ

2025年のロゴデザイン: Smokies: 丸みから連想される柔らかさ

このトレンドからは鋭利な要素は丁寧に取り除かれています。先端は常に丸みを帯びた形状になっており、まるでデザイナーに幼稚園児用の安全はさみを渡したかのようです。これらのデザインの背後にある強力なツールはおそらくIllustratorでしょう。イラレを使えば、先端を丸めたり、つなぎ目を丸めるのは非常に簡単です。また、丸みから連想される柔らかさは偶然ではなく、意図的なメッセージです。親しみやすさを醸しだし、クライアントの荒削りな時間や経験や意図によって滑らかに磨かれたことを優しく伝えています。

「線は散歩に出かけた点にすぎない」という古い格言がありますが、このトレンドはどうでしょうか? 点はドアまでたどり着いたと思ったら、ソファに倒れこんでしまった感じです。そして、そのくつろいだ雰囲気がこのトレンドの魅力です。親しみやすく、思いやりがあり、それを証明するのに鋭い要素は必要としません。

Coves: 能動的なネガティブスペース

2025年のロゴデザイン: Coves: 能動的なネガティブスペース

毎年、ロゴの世界には意外な形が登場します。今年ひときわ異彩を放ったのはCoves(入り江)です。カードの角を丸くしたときにできるわずかな形、壁と壁が接する隙間を埋める凹状の断面です。四角形の星を4等分し、または半分に折り返してさらに半分に折り返した形を想像してみてください。原型は視覚的な魔法と輝きを放ちますが、この4分割された形はより繊細な魅力を持っています。キラキラの輝きではなく、さりげない輝きを放っています。

入り江の形がこれほど効果的なのは、ゲシュタルト原理を巧みに利用しているからです。重要なのはそこに何があるかではなく、何が欠けているかです。わたし達の頭の中ではこの欠けているものを埋めようとし、弧や線を暗示させます。これらのロゴは能動的なネガティブスペースで躍動し、見る人に参加させ、意味を投影させ、自ら物語を完成させようと誘います。タイポグラフィにもこの流れが加わりつつあります。小文字のhやnが自然と縦にカーブするように、デザイナーはfやtのクロスバーにこの入り江のカットを反映させ、新鮮な視覚的特徴を加えています。結局のところ、手抜きは必ずしも近道ではないということです。

Scalers: ネガティブスペースにも注目

2025年のロゴデザイン: Scalers: ネガティブスペースにも注目

現状維持は後退であると、モチベーションを高めようとするポスターが多すぎます。変化の必要性を謳わないブランドがあるでしょうか。顧客獲得、収益増加、非効率の削減など、常に何らかの前進が存在します。こうした野心を伝える役割を担っていたのは棒グラフでしたが、今年はその役割をロゴが担っています。スケールの連続を通じて視覚的にミッションを表現しています。これらのロゴはストロークの連続を用いて、勢い、方向性、明確な企業目標を示しています。

クライアントと顧客の両方にとって、これらの整然としたリズムには安心感が込められています。スムーズに前進させ、計画的で意図的な成長を視覚的に約束するものです。ストローク自体だけでなく、ストロークとストロークの間にあるネガティブスペースにも注目してください。存在と不在のバランスの取れたリズムを生み出しています。ロゴの世界でさえ、わたし達は自分が成長していると信じたがっているようです。立ち止まっていることを自慢する人なんているでしょうか。

Frilberry: 手作り感のある落ち着いた空間を満たす

2025年のロゴデザイン: Frilberry: 手作り感のある落ち着いた空間を満たす

今年のロゴには、静かだが紛れのないムードが漂っています。葉やベリーといった自然のフォルムを装飾的に用いることで、文字通りの自然というよりも、むしろ手作り感やクラフト感のある落ち着いた空間を満たすことが表現されています。葉やベリーをあしらった模様はまるで刺繍のように、ロゴを魅力的で有機的なエッジで包み込んでいます。シンプルで田園的な美しさへの回帰にロマンを抱くユーザーが増えていると言えます。これは単なるノスタルジアではなく、現代的なプロダクトやサービスであっても、そこに根ざし、自然体で、よりゆっくりとした意図的なものに触れていると感じられる雰囲気を醸し出しています。

また、野生のエネルギーもかすかに感じられます。管理された空間に野性味を取り戻し、デザインのエッジに蔦を巻きつけ、企業ロゴがしばしば硬派になりがちなところに柔らかさを再び取り入れようとするものです。フルベリー柄は自然というメッセージだけでなく、「あなたの世界を静かで工芸的な美しさで満たす方法を知っている」というメッセージも伝えています。すっきりしたラインとミニマリズムが溢れる中に、葉っぱのような小さなフリルが主役を奪うこともあります。

Crossovers: 重なりが新たなポジティブゾーンを生み出す

2025年のロゴデザイン: Crossovers: 重なりが新たなポジティブゾーンを生み出す

このトレンドのロゴには流れるような優美さが漂います。半分ねじれたリボンの曲線美が力強く折り重なり、中央に向かって細くなり、そして新たな図形のフィールドへと姿を現します。これらは単なる装飾ではなく、幾何学模様が真のブランドワークを生み出しているのです。これらのクロスオーバーは新たなポジティブゾーンを生み出し、シンプルな形状を重層的な視覚的ストーリーへと昇華させています。抽象的なものもあれば、カニやランナーのように文字通りのものもありますが、共通しているのはネガティブスペース、動き、緊張感が織りなすダイナミックな相互作用を特徴としています。これらのビジュアルは機敏性、方向転換、柔軟性、融合を表現し、1つの焦点から別の焦点へと切り替えられることを示しています。

ブランディングにおいても、人生と同じようにひねりが魔法を起こします。これらのロゴは「クロスオーバーしても自身を失わず、影響力を倍増させる」ということをわたし達に思い出せてくれます。実体の橋渡しであれ、要素の融合であれ、あるいは単に物語に複数の側面があることを示すのであれ、これらのロゴは巧みなデザインは必ずしも大げさに誇張する必要はないことを証明しています。時にはたった一つのエレガントなクロスオーバーがすべてを物語ることもあります。

Squared: アプリのボタンを連想させる正方形

2025年のロゴデザイン: Squared: アプリのボタンを連想させる正方形

正方形がトレンドになったと言うのは、かなりの勇気が必要です。幾何学の基礎ではマークを作成する際に円・三角形・四角形をデフォルトとするように既に定められているからです。しかし、数年前にUSA Today紙やArtCenter College of Designをはじめ、12のメディアで誰がフラットな円を所有できるかをめぐって争いを繰り広げていました。現在、正方形への依存が急激にエスカレートしているのを目の当たりにしています。確かに正方形は依存としてアプリボタンのスペースを最大限に活用していますが、昔ながらのH&Rブロックのグリーンの正方形とは異なり、今日のロゴは正方形を構造的な要素として統合し、文字と調和させたり、システムの中心的な構成要素をして位置づけしています。

正方形には重みがあるという事実は否定できません。正方形は、安定性、一枚岩のような強さ、そして頑丈さを象徴しています。かわいらしくも遊び心があるようには聞こえない特徴を示しますが、長寿、信頼、決意を感じさせます。Instagramの躍動感溢れるグラデーションがあなたを誘うのに対して、これらのロゴは直角の鋭い確実性に容赦なくコミットしています。そしていくつかを組み合わせると、視覚言語はさらに多層的なレイヤーを生み出します。チェッカーボードやチェッカーフラッグはブランドを勝利へと導き、戦略、精密さ、そして優位性を示します。

Typemelts: これまでとは異なる合字

2025年のロゴデザイン: Typemelts: これまでとは異なる合字

合字の古いルールをまったく気にしないワードマークが次々に登場しています。古典的なタイポグラフィでは合字とは特定の文字ペア(fiとflなど)の間を繋ぐものだと教えられてきました。しかし、このトレンドはその繊細さをまったく無視しています。デザイナーは文字ペアを無理やり組み合わせ、丸文字と直線文字を組み合わせるといったぎこちない組み合わせでさえも繋ぎあわせています。まるで文字が磁石でできていて、互いの形が溶け合うまで引き寄せられているかのようです。ピントが合っていない活字に目を細めて見つめ、文字を扱っていることに気づかずベクター線で描き直そうとする人を想像してみてください。まさにそんな雰囲気です。

正直に言うと、これはタイポグラフィにおける革命ではなく、むしろ視覚的なアピールと言えるでしょう。タイポグラフィの純粋さではなく、エッジと破壊を追い求める現代的なブランドのためにデザインされています。その効果は確かに人目を引くもので、誰も見ていないと思えば、字形もルールも曲げたがるものだということを思い出させてくれます。

BlurTails: まるで動いているかのように見えるロゴ

2025年のロゴデザイン: BlurTails: まるで動いているかのように見えるロゴ

これらのロゴは静止しているのではなく、疾走しています。前方に飛び出したり、何かから逃げていたり、柔らかなグラデーションの蒸気を残していくような軌跡があります。BlurTailsはソリッドアイコンや文字から漂う幽霊のような軌跡を残し、動きやスピードや存在感をほのめかします。静止したロゴにもブランドアニメーションにもこの効果は見る人を惹きつけます。ロゴが何であるかを見るだけでなく、それがどこから来たのか、そしてどこに向かうのかを視覚的に捉えます。グラデーションの尾は、移動方向、遠くから収束する要素、静止していた物体が滑り出し、飛び出していくを示唆しています。

このようなビジュアルは、消費者に二度見の衝動を与えます。それは魅惑的だからということもありますが、何よりも脳が「あのロゴは動いていたのか?」と確認にする必要があるからです。静止していても、ぼかしはダイナミックなストーリーを伝えます。敏捷性、勢い、絶え間ない進化を示すブランドにとって、このトレンドは巧みなアピールとなります。もちろん、この美学はアニメーションにぴったりですが、静止した状態でも「わたし達はアクティブで、前進しています。」と訴えかけています。

LongLegs: 脚を曲げたり伸ばしたりして構造を暗示

2025年のロゴデザイン: LongLegs: 脚を曲げたり伸ばしたりして構造を暗示

直線は、デザイナーのツールの中でももっとも働き者の部類に入ります。右下のメンフィス美術館のためにポーラ・シャーが手がけたMAMのロゴを例にとると、字形と建築の自然な親和性をそのまま利用し、美術館の多角的な視点とともに柔軟に変形するダイナミックなシステムを作り出しています。これらの細長く、明瞭な文字は、ただ美しく見えるだけでなく、見る人の視線を惹きつけ、遊びへと誘います。

これらのロゴの大きな特徴は、長い脚を使って重厚な概念を担っていることです。曲げたり、伸ばしたりして動きや地形や構造を暗示し、頭字語やワードマークに予想外の意味を込めています。たとえば、左下のMarie-Thérèse Allierでは、ドラマティックな屈曲アニメーションが組み込まれており、名前にちなんだ前衛的な振り付けを彷彿とさせます。通常、ブランディングという重厚な作業は象徴的なシンボルに任せるものですが、これらのロゴはなぜシンボルだけがすべてを楽しむべきなのかを問いかけています。引き伸ばされ、角張ったワードマークが重みを担い、気取ったり、曲げたり、ねじられながら、ある種の優雅さをもってビジュアルアイデンティティに溶け込んでいます。

SpinShift: 扇状に視覚的な重みが変化

2025年のロゴデザイン: SpinShift: 扇状に視覚的な重みが変化

「ボリュームをあげて」「暖房をきかせて」「チャンネルを変えて」と言うとき、わたし達は物理的なノブの幻影を想起させているという事実をあまり意識していないと思います。もしノブの操作に執着していないのであれば、スライドやタップやナッジとか言っていたかもしれません。しかし、回転は本質的に回転を伴う行為で、円を描くものです。これらのロゴが、その視覚的なDNAに傾倒しているのは不思議なことではありません。ノブを回すことは制御の合図であり、これらのロゴにとっても同じ回転のロジックが進行、衰退、エスカレーション、あるいは調整を示唆しています。常に、誰か(あるいは何か)がダイヤルを操作しているという考えが根底に存在しています。

各ロゴの変化に注目してみてください。暖色系から寒色系に変化したり、薄い要素から厚い要素に変化したり、視覚的な重みが扇状に変化するのを見ると、それらはプロダクトの機能、ミッション、企業理念を体現しています。「ターン」という言葉の語源を忘れてしまったかもしれませんが、このブランドがダイナミックで、適応力があり、反応力があることを視覚的に伝える手がかりは失われいません。また、車のボタンを押すことを今でも「窓を開ける」と言うことについても同じことです。

PolyGrid: アイコンや文字を使ったグリッド

2025年のロゴデザイン: PolyGrid: アイコンや文字を使ったグリッド

型にはまることは悪いことではありません。しかし、わたし達は選択肢を選ぶことで成長します。人は多様性を渇望し、自分だけのお気に入り、自分だけの欲望、自分だけのやり方を求めます。しかし、秩序には価値があります。たとえそれが自立に取って代わるものではなくても。それがPolyGridのロゴの魔法です。チェス盤やハーフトーンのようにXY軸に沿って均等なリズムを刻みながら、星、十字、円形、多角形などのさまざまな形を織り交ぜることで、人々の期待を揺るがします。その結果は、秩序と個性の共存です。

これらのロゴが今年注目を集めているのは、重層的な意味を持つからです。クライアント自身の視覚的ボキャブラリーを用いたり、自己表現を称えたり、共有のイニシアチブのもとに人々が集まることのメタファをして存在しています。これらのロゴの多くはメッセージに応じて柔軟に変化するアニメーションパターンや変形要素など、堅牢なビジュアルシステムも備えています。Vectorasterのようなツールはこの動きをさらに加速させ、デザイナーがカスタムアイコン、文字、フォームのグリッドを目を見張るようなダイナミックなフィールドに簡単に作り上げることを可能にしました。ツールがトレンドを牽引することもあれば、美しい偶然のタイミングですべてうまく収まることもあります。

BorderLand: 外側こそがより多くのものを伝える

2025年のロゴデザイン: BorderLand: 外側こそがより多くのものを伝える

ロゴは小さくて、期待以上の成果を出す小さなモンスターです。デザイナーはブランドの魂をこの小さなロゴに詰め込もうと汗水をたらして努力します。そして正直なところ、パッケージの外側こそがより多くのものを伝える絶好の領域であることを忘れてしまうことがあります。そもそも真ん中を埋める必要があると誰が言ったのでしょうか。これらのロゴは端を飾るだけでメッセージを伝えることができることを証明しています。多くのロゴは円、三角形、渦巻きなどのシンプルで無駄のない形を採用しています。なぜならアウトラインだけで既に半分が語られているからです。しかし、魔法が効くのは、パターン化された外周です。文化的なシグナル、プロダクトの雰囲気、技術的な道筋、動きや透明性あるいは純粋な遊び心など、すべてが縁に沿って響き渡っています。

これらのロゴは、真ん中が空白のダンスフロアのように大きく開いており、ユーザーがそこに足を踏み入れて全体像を完成させるよう誘います。形は構造を与え、模様は意味を積み重ね、ネガティブスペースは「あなたの想像力はここにあるます」と告げるネオンサインのように機能します。縁がストーリーを縁取るだけでなく、物語そのものであることを思い出させてくれます。

Sprinklers: 自然の恵みを表現した滴

2025年のロゴデザイン: Sprinklers: 自然の恵みを表現した滴

過去数回のトレンドレポートで、液体の要素がロゴデザインに深く浸透しているのを目にしてきました。そして最近のトレンドでは一滴、滴が連なる優美な鎖のように使われるようになり、今年は豪雨となりました。これらのロゴはすべて水滴をモチーフにしており、先端が尖り、末端が丸みを帯びた古典的な滴の形です。クラシックな形状なので、どの方向からビジネスを獲得できるのかが明確に分かります。そして、これは重要なことです。なぜなら、これらの滴には使命があるからです。あるロゴでは均一な滴を配置し、またあるロゴでは家族単位で赤ちゃんやママやパパの滴を消防ホースのようにグラフィックを覆い尽くしています。

これらのロゴの多くは、自然回帰をテーマにしています。H₂Oという単語が専門用語のように聞こえても、実際にはかけがえのない自然の恵みを表現したものであるという安心感を与えてくれます。何より重要なのは、滴の動き、つまり瞬間に捉えられるプロセスを象徴していることです。これらのロゴは決して静止していません。瞬間、活動、滴と結果の間のエネルギーに満ちた段階をあらわしています。そして忘れてはならない重要なポイントは、滴が独立しているように見えますが、滴は最終的には一つに集まり、その力を結集して、一つの強力な共有資源へと昇華することです。

Hoopty: 未知の旅路へのナビゲーション

2025年のロゴデザイン: Hoopty: 未知の旅路へのナビゲーション

未知を地図にすることは単なる好奇心ではなく、人間の運命に刻み込まれたものです。わたし達は自分の立ち位置を測り、B地点までの道のりを辿り、未知なる世界に翻弄される前に故郷に戻れるように努めます。このトレンドは、X軸、Y軸、Z軸に沿って周回する輪をモチーフにしており、2000年以上前に作られた古代の天球儀や天文台を想起させます。地球(あるいは太陽)を中心に据えながら、上空の天体と下界のわたし達の動きを正確に追跡するためのツールです。これらの形は、探検、導き、そして肉体的に精神的に未知の旅路へのナビゲーションというブランドストーリーを語っています。

わたし達が住む世界と空は直線で結ばれることはありませんが、何世紀にもわたり緯度や経度、国境を描き、わたし達を取り巻く大自然を表現してきました。これらのロゴは、まさにそれと同じ本能を利用したものです。構造を創り出し、神秘を鎮め、日々渦巻く混沌から意味を解き放とうとする衝動です。これらのロゴを天文学的なものと見るか、科学的なものと見るか、象徴的なものと見るかは別として、発見に終わりはないということです。すべてのブランドはその永遠に抗えない魅力を手に入れたいと望んでいることを思い出させてくれます。

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