2022年、ロゴデザインのトレンド -最近のロゴに使われているデザインテクニックのまとめ
Post on:2022年6月30日
2022年のロゴデザインのトレンドはワードマークとタイポグラフィがより重要な役割を果たしています。特にジェンダーや環境配慮などはどのジャンルのデザインでも積極的に取り入れられています。
デザインの引き出しを増やすには、注目されているトレンドを押さえておくことが大切です。ロゴにはタイポグラフィ、カラー、形など、デザインの基本となる要素が詰まっており、最近のロゴデザインに使われているトレンド、デザインテクニックを紹介します。
下記は各ポイントを意訳したものです。
※当ブログでの翻訳記事は、元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。
- 2022年、ロゴデザインのトレンドの傾向
- 三角形を2つ使用したロゴ「BowTies: 蝶ネクタイ」
- 一滴の重要性がわかるロゴ「Uvula: 口蓋垂」
- ライフラインを表現するロゴ「Rooters: 木の根」
- 圧力を反転させたロゴ「Reverse Stress: リバースストレス」
- 自由や人間らしさを表現したロゴ「Loopers: 輪っか」
- ワードマークとシンボルを組み合わせたロゴ「Over Arching: オーバーアーチ」
- 有機的で重量が変化するロゴ「Whiplash: むちの動き」
- 本物らしさを表現したロゴ「Hand Dots: 手描きのドット」
- 新しい字形で作成されたロゴ「Super Traps: スーパートラップ」
- テクニカルでありながら親しみやすいロゴ「Pinched: ピンチ」
- さらに進化した放射状のロゴ「VariRay: バーストレイ」
- 新しさ、大胆さを感じさせるロゴ「Tight: タイト」
- 環境に優しい有機的なロゴ「Almonds: アーモンド」
- 概念的メッセージを詰め込んだロゴ「Trellis: トレリス」
- 遊び心も備えたロゴ「Macaroni: マカロニ」
2022年、ロゴデザインのトレンドの傾向
今回のレポートでは、LogoLounge.comに寄せられた200カ国以上35,000以上のロゴを精査し、国際的に重要なブランディングや事業のローンチについて考察しました。
2022年のロゴデザインのトレンドは、ワードマークとタイポグラフィがより重要な役割を果たしています。逆コントラストは人々の意表をつき、伝統的な文字の形におけるループや水平方向への伸張もまた、ありふれたブランドのロゴに独自の足場を築こうと試みています。サンセリフやセリフフォントにおける過度のインクトラップやフォントの大胆な圧縮なども見られます。
ロゴに使用されている色に関しては、ブランドを表現するために3色、4色、5色のカラーパレットが広く採用されています。また、コーポレートカラーとしては、ジェンダーの匂いを感じさせないピンクを採用しているロゴが増えました。ピンクは5年ほど前から年々人気が高まっており、このトレンドはしばらく続くでしょう。
トレンドの流れを見るのも面白いと思うので、過去分も。
- 2021年のロゴデザインのトレンド
- 2020年のロゴデザインのトレンド
- 2019年のロゴデザインのトレンド
- 2018年のロゴデザインのトレンド
- 2017年のロゴデザインのトレンド
- 2016年のロゴデザインのトレンド
- 2015年のロゴデザインのトレンド
- 2014年のロゴデザインのトレンド
- 2013年のロゴデザインのトレンド
- 2012年のロゴデザインのトレンド
- 2011年のロゴデザインのトレンド
- 2010年のロゴデザインのトレンド
- 2009年のロゴデザインのトレンド
- 2008年のロゴデザインのトレンド
それでは、2022年のロゴデザインの15個のトレンドを見てましょう!
三角形を2つ使用したロゴ「BowTies: 蝶ネクタイ」
イギリスビールの「バス・ペールエール」に使用された赤いロゴは、三角形で史上初めて商標登録されたものでした。これは業界にとって画期的な出来事で、それまで三角形はロゴとしてはハズレの形と思われていました。
三角形は硬く、鋭く、尻餅をついたときだけ安定します。しかし、その形状は遊び、上昇、下降、精神、変化など、さまざまな象徴を生み出します。これまで数え切れないほどのロゴを見てきたように、これら三角形のペアを点と点で融合させたときに起こる安定性を想像してみてください。
蝶ネクタイの形はアウトラインの観点から見ると、無限大のシンボルを直線的な形で作成しています。専門用語で言うと、レムニスケート(Lemniscate)です。この用語をクライアントとの会話に含ませると、少しは信用されるでしょう。これらの組み合わせは基礎と安定性を築き、2つの要素があわさることで魔法が生まれます。2つの要素が合わさることでより強力になり、1つの知識が他の人と共有されます。見た目としては、何かにフォーカスを合わせた場所になり、反転させて読みやすくする場所でもあります。蝶ネクタイのように水平にすると無限の時間を表し、垂直にすると砂時計のように時間が終わりに近づいていることを表します。
一滴の重要性がわかるロゴ「Uvula: 口蓋垂」
Uvula: 口蓋垂(こうがいすい)とは「のどびこ」「のどち○こ」のようなロゴです。
その滴の形は何に見えますか? 油・バニラエッセンス・薬・涙。このトレンドをブランドストーリーに組み入れることで、非常にインパクトのあるロゴになります。ロゴのデザインで1滴、2滴の滴を使用することは新しいことではありませんが、液体や水を表現するのに最も簡単な方法の1つで、エコロジーや環境で有用です。今回のレポートで、デザイナーがその一滴の重要性について異なる視点から捉えていることがわかりました。
このロゴのトレンドは、喉の奥にぶら下がっている口蓋垂(こうがいすい)のように見えます。デザインのポイントは滴が重要視されており、情報量の多いフレームに収められ、クライアントのストーリーにコンテキストを与えるために準備されています。また、滴は貴重なもののように、その源と繋がっていることにも注目してください。たとえば、コンタクトやアレルギーの目薬、絞りたてのオレンジジュース、メラメラ燃えている炎など、1つの滴がどのように影響を与えるかはあなたのデザイナーとしての力量しだいです。重力が作用し、滴が自由になると、すぐに反応が起こることを忘れないでください。
ライフラインを表現するロゴ「Rooters: 木の根」
シンボリズムとは、現実を単純化して表現することです。
木の根の複雑さを図式化しようとすると、イライラするかもしれません。ほとんどのデザイナーが木を逆さまにして終わりにしてしまうのはそのためです。根、静脈、毛細血管といった自然界の内部の仕組みやデジタル回路の構造などは、デザイナーが子供のようにすすり泣くこともあります。フィボナッチ、フラクタル、ファイバーテクトニクスなど自然には図面があり、デザイナーはその象徴的(シンボリック)コードを破り始めていることがわかります。
上記のロゴのうち2つは、高度に組織化されたカオスと呼ぶにふさわしい視覚的なフィールド言語を作成しています。角度のある正投影法グリッドを用いて自然のライフラインを表現し、角度とスペースに一貫性を持たせるとともに、柄の中に目立った欠落がないように配慮されています。また、CとRのロゴも同様に自然のライフラインを表現するために、定型的なアプローチを使用しています。これらのロゴのそれぞれは自然が、あるいはクライアントが自然の生命を維持し、育てようとするあらゆる試みをしている可能性があることを示しています。複雑なことは困難なことではなく、美徳であり生産的であることを改めて認識できます。
圧力を反転させたロゴ「Reverse Stress: リバースストレス」
1820年世界は、DidotやBodoniのような縦が太く、横が細いフォントで溢れかえっていました。
これこそが活字のあるべき姿でした。William Caslonの書体ファウンドリの職人はItalianというパロディフォントを作成し、圧力を反転させたところ、大騒動になりました。グロテスクに膨れ上がった太い水平方向、とげのスパイクがあるような細い垂直方向のフォントは、まさに異端に等しいものでした。しかし、それがポスター表示用フォントとして好評を得ると、他の書体ファウンドリも独自に改良を加えて追随しました。ある著名な社説では、これらのフォントを「タイポグラフィの怪物」と呼んでいます。ネタバレになりますが、その怪物は今でも生きていて、繁栄しています。
これらは目新しいフォントですが、圧力を反転させたウェイト配分は活字を快楽的、反学問的、禁断の喜びに変えました。ファン層が復活し、60年代や70年代のアーカイブや新たに熱狂的になった書体デザイナーたちからバリエーションが再分化しはじめました。そして、ビジュアルブランドの分野でも注目されている現在、重いトップと太いボトムのワードマークを踏まずに部屋を横切るのは難しいことです。このトレンドのロゴは保守的な企業に採用されることはないと思いますが、消費者ベースではこのブランドは楽しい時間を過ごすための相棒になりそうだと思われる存在になります。
自由や人間らしさを表現したロゴ「Loopers: 輪っか」
スパルタンなサンセリフがブランドエクイティに雪崩れ込んでから5年、この奔流はいまだ収まらず、ブランドクラフターは依然として恐れを抱いています。
このブランディングの波は何が起こっているかを知っている人々にとっては素晴らしいビジュアル資産につながりましたが、この種の多くの人々はFOMOへの対抗策として「私も」餌食になりました。2022年のロゴのトレンドは、安全な側にとどまるための豊富なサンセリフを使用したもので支えられていますが、ユーモアのないMBAのような気まぐれで自己反抗のビジュアルジェスチャーも含まれています。
Angi、Upwork、Tailwindのロゴはすべて、同じ太さのモノラインの流れるような線を使用することで、精神の自由や人間らしさを表現しようとしていることがわかります。これらはすべて成功していますが、それ以外のストレートな文字の集まりの口火を切るように、1つのゆるやかな文字を取り入れた数多くのロゴの氷山の一角に過ぎません。しかし、このような自由に巻きつく直線的な文字が、今年いくつか独立した形で登場しました。モノグラムとストレートのワードマークの組み合わせや好評を博したキャンプのマークに見られるような、自由な精神を持つ者同士の再会を果たしたものもあります。
ワードマークとシンボルを組み合わせたロゴ「Over Arching: オーバーアーチ」
ワードマークとシンボルを組み合わせたロゴは、美しくも時にぎこちないダンスを踊ります。
ワードマークとシンボルは必然的に同居し、パートナーシップのように互いに関連し、支え合う必要があります。時には、ワードマークがシンボルを独立させることもあり、ワードマークがシンボルを除いた他のロゴと一緒にぶら下がっているのを見ることもあります。2022年のロゴのトレンドでは慣習は別として、ワードマークはあらゆる機会にシンボルを覆っています。バッジが活字で囲まれているというよりも、文字の天蓋が対象の上に落とされ、特別なカーニングや技巧が施されているわけではありません。
このアーチ型の構成にはいくつかのバリエーションがありますが、通路やポータルのような印象を与えるものが多くあります。このマークの枠に囲まれた核は、プロダクトの魂やクライアントの使命を覗く窓である可能性もあります。これらの中にはArchwellのように封じ込められているものもありますが、そうでないものは比較的単色で、衝突する背景をホームとして機能させるようになっています。このロゴのトレンドはより現代的でありながら、バッジや紋章のような形を連想させ、個人的な親しみやすい関係というキャッシュも持ち合わせています。
有機的で重量が変化するロゴ「Whiplash: むちの動き」
アールヌーボーの起源や関連する姉妹運動について、否定派の意見を掘り下げることなく、復讐のために戻ってきたことだけを認めましょう。
前世紀初頭に一世を風靡したこのムーブメントは、60年代にはサイケデリックというカルチャーの申し子として勝利を収めようと躍起になりました。このトレンドは有機的で重量が変化し、流れるような直線的な渦巻きが特徴的で、急降下したり、伸びたり、静止することがあります。
このロゴのトレンドの美学を最もよく表しているのは、刺激的な文字の形、カルトゥーシュ、そしてイラストです。自然や生命体(動植物)へのオマージュは時代を問わず、このスタイルのバックボーンとなっています。60年代にはアシッドカラーと皮質振動のような軽快さがこのムーブメントに与えられましたが、現在ではそのパレットは彩度が劇的に低くなり、単一のビジュアルコンポーネントでスタイルを表現するようになっています。自然を擁護し続けるクラシカルな品格を抑制の効いたフォントと組み合わせて表現しています。このトレンドには高級品や隠れ家、その他の快楽主義的な欲求の宣伝であるかどうかにかかわらず、快適でありながら欲望に満ちた現実逃避が存在します。
本物らしさを表現したロゴ「Hand Dots: 手描きのドット」
消費者には、わたし達デザイナーが作るものが本物かどうかという第一印象は常に存在します。
デザイナーは何が本物であるか適切であるかを気にすることにこだわり、それがわたし達とクライアントにとって良いものになります。このトレンドは完全にハンドメイドであり、不完全さを求めたものです。率直に言って、人間には欠陥があり、それがセールスポイントになり得るからです。ハンドメイドの善し悪しは、主題に大きく依存されます。たとえば、手作りのワイパーやチェーンソーはそうではありません。しかし、手作りのトルティーヤが完全に丸くなくても、それはセールスポイントになります。
ここ数年、素朴な美しさを持つ手描きのロゴがブームになっています。このトレンドはロゴの描き方ではなく、手描きや塗りのドットでトーンを表現することです。魅力の一つは、ハーフトーンを模しているけど、ハーフトーンではないということです。各ドットはプロセスをシミュレートするために意図的に手作業で配置されています。このような不完全さが顧客体験と期待のトーンを設定します。そして、消費者に本当に大切にしてくれる人がいることを確信させるのです。
新しい字形で作成されたロゴ「Super Traps: スーパートラップ」
2つの言葉が私を物語に引き込みます、、、意図せぬ結果。
ある意味、この言葉自体が物語となっています。主人公にとって良いか悪いかはわかりませんが、最終的に誰かがその結果に首をかしげることを予想することができます。デザイナーは印刷時のインクの不具合に対応するためにタイポグラフィのアーティファクトに夢中になっています。その対策として、インクトラップと呼ばれるネガティブスペースが小さな字形の隙間に組み込まれました。これにより、インクの拡散や溜まりは発生しても、元のデザインを完成させることができます。しかし、これはあくまでも時代の名残です。
たとえば、Bell Centennialというフォントは、電話帳に5ポイントの極小文字を印刷するためにデザインされたものです。しかし、このフォントをデジタル処理で拡大したデザイナーに、わたし達は大きな関心を寄せています。アイデンティティデザイナーは、これまであまりに微細すぎて認識できなかった、洞窟のようなフォルムに魅了されたのです。このロゴのトレンドは、トラップを無理やり押し込んだ新しい字形で作成されるのが一般的ですが、この再発見は新鮮な技術的美学と目を引く驚きを提供し、結果としてトラップがこれまで意図した以上に大きく生きることに新しい信憑性をもたらしました。
テクニカルでありながら親しみやすいロゴ「Pinched: ピンチ」
2022年のロゴのトレンドは、文字通り「より低コスト」の新しい手法に注目が集まっています。
同心円状に丸みを帯びた1つまたは複数の要素があるデザインは、ピンチ(つまみ細工)と呼ばれる外観を採用しています。これは銅管を曲げたときに起こる現象で、圧力をかけすぎると優雅なカーブを描く代わりに全体がつぶれてしまいます。しかし、わたし達は実際に配管工事をするわけではないので、このピンチは意外とスマートな方法だと思います。内側のR形状のコーナーの整合性に注目してください。外側の崩し方によって、45度の角度が繰り返され、曲がる場所では丸みを帯びたR形状を作成して、緩和されたエフェクトを維持することができます。同心円状に配置された三角形の空洞は、正と負の空間的な反復を作り出します。
角を曲げ、曲げた箇所の内側をモノラインのウェイトに侵入させると、デザインの緊張を壊すことがあります。一度だけなら、効果的ですが、やり過ぎは注意です。曲げの反復を慎重に繰り返せば、魅力的なサインになります。KIONのロゴではKの文字が見慣れたものでないことを巧みに示しています。この角の緩和された鋭さは、テクニカルでありながら親しみやすい二面性を示し、単調なモノウェイトのソリューションに歓迎すべき転換を与えています。
さらに進化した放射状のロゴ「VariRay: バーストレイ」
これまでのトレンドでも触れてきたバーストレイのロゴへの関心はさらに熱を帯び、進化を続けています!
エネルギーと光のバースト(爆発)は魅力的で、これまで以上に次元が高いものになっています。従来の円形の構成は他の形状と比較すると見劣りするかもしれませんが、線の太さに可変ステップを追加するテクニックは、ロゴに層状の透明感があるような錯覚を与えます。水面に浮かんだスイレンの葉のような豊かさと独創的な形を備えています。
これらの放射状のロゴの構成は直線的であるため、存在しないものと同じように存在するものが重要になります。そのため、ロゴが存在するフィールドの色と密接に結びつきます。最適なグロー効果を得るには、より暗いコントラストのベースにロゴを配置するしかありません。これはあなたの視点とデザインスキルによって、制限された欠点にもチャンスにもなる可能性があります。勢い、成功、スピード、時間、明快など、あらゆる改善の変化や増加を示すことができます。最後に、Pragmatikaのロゴに注目してみてください。この水晶玉のロゴは3つの消失点を探索することで、型にはまらないスマートなデザインになっています。
新しさ、大胆さを感じさせるロゴ「Tight: タイト」
このレポートを作成するにあたりロゴを調査したところ、非常に背が高く重いフォントで作成されたタイトカーニング、セコイアスケールのロゴが林立していることに気がつきました。
このロゴはここ数年で広く見られるようになった「私に注意を払わない」サンセリフのアンチテーゼと言えるかもしれません。しかし、今回のレポートはそのようなトレンドではありません。同じタイポグラフィの要素が実際にどれだけタイトになるのか、そしてそれは字形に限定されたことではありません。もしこれらのロゴが通気口なら、窒息してしまうかもしれません。
Milton Glaserのフォント「Baby Teeth」やその時代のポスターのようにデンタルフロスのような隙間がある大きなブロックに注目してください。テトリスのように要素が組み合わされたパズルのような質感を持っています。これらは斬新で魅力的なデザインですが、小さいサイズにした時の読みやすさに課題があります。1文字のモノグラムやシンボルと同じように、このトレンドで作られた文字を読むにはより鋭い観察眼が必要になります。新しさ、大胆さ、そして空間演出のセンスを感じさせるトレンドです。さぁ、これであなたは息をすることができます。
環境に優しい有機的なロゴ「Almonds: アーモンド」
毎年このレポートでは、形に注目したトレンドがあります。デザイナーはこれからのデザインに使用する基本的な構成要素として注目しています。
今回のレポートではこれまでのレポートとは異なり、1つだけでなく2つの形を取りあげています。1つ目はマスターカードのロゴの中央にある透明なベン図のハリネズミのように等価な2つの円の交点で作られるシンプルな形です。この形の正式名称はまだないので、ここでは「アーモンド」と呼ぶことにします。この有機的なロゴはこれまでにも葉、目、レモン、ライム、魚、羽、花びら、種など、さまざまな自然の塊の役割を果たしてきたので、その意味も含まれています。
ここで重要なのはこの形の新しさではなく、この形が持つ豊かさです。この1年でこの形が視覚的に豊かになったということです。確かに、有機的なものや環境に優しいものへの関心が高まったことで、この形は少なくとも表向きの台本として読まれるようになりました。この形はロゴの主役になるだけでなく、同じパターンを使用して複数で機能することもできます。また、円の交点として同じ要素が東洋と西洋、精神と物質、天と地、そして全体性と癒しを表現します。悪い予兆が全くないので、人気があるのも頷けます。
概念的メッセージを詰め込んだロゴ「Trellis: トレリス」
デザイナーとしてロゴに意味を持たせるときは、より大きな入れ物が必要になります。重量制限を超えない範囲でロゴに概念的な重みを与えるお気に入りの方法の1つは、ロゴの表面をフィールドとして考えることです。
今年わたし達が目にしたボタニカルは、まさにこれでした。植物を表現するために植物そのものを使用するのではなく、その表面や装飾として二次的な概念的メッセージを詰め込みます。つまり、アヤメの形をしたトレリス(西洋式庭園で見られる格子状のフェンス)は、フランスや王室を象徴していますが、同時に成長や自然を示すものでもあります。
葉のようなものは葉ではなく、グリーンに毛が生えたような象徴的な土台のアイコンです。エコとバイオプロジェクトは、ボタニカルを使うことを手に取るようにわかるだけでなく、強制的にエスコートするようにしたのです。そして、すべての植物をグリーンとして一般化するのは不注意といえるでしょう。象徴は、さまざまな種類の植物と関連しています。たとえば、平和の鳩はオリーブの枝を運びました。月桂樹の冠は勝利を表現し、茨の冠は苦しみや教会の愛を表現します。
遊び心も備えたロゴ「Macaroni: マカロニ」
マカロニといえば、さまざまな種類・形状・硬さのパスタを指すという家庭で育った人に対しての謝罪から、この最後のトレンドの話を始めさせてください。
これはアーモンドのトレンドで言及した、2つ目の形です。私の家ではマカロニといえばチーズで、予算の都合上、ごくまれに有名ブランドのものが食卓を飾る程度でした。驚いたことに、この形状に幾何学的な名称はありませんが、今年の調査では半円または4分の1の円の構成で小さな国を養えるほどのマカロニをベースにしたロゴが作成されました。
デザイナーはこのトレンドを立体的、筒状、矩形、押し出し、折り畳み、グラデーションなど、さまざまな視点から考察しています。そして、マカロニの形は予想通りであると同時に、意外なものであることが証明されました。マカロニは企業メッセージや美的感覚を伝えるだけでなく、遊び心も備えています。このコンポーネントの柔軟性はシンボリックな経路、フローとプロセス、シンプルさ、明確さ、そしてシンプルな幾何学的形状からくる無意味な親しみやすさを物語っています。このトレンドはデザイナーがパスタ教室で創造力を発揮したのでは、と思いました。
sponsors