2021年、ロゴデザインのトレンド -最近のロゴに使われているデザインテクニックのまとめ
Post on:2021年6月1日
2021年のロゴデザインのトレンドは「自然とつながる必要性」が深く求められています。エコと環境は2021年の大きなテーマであり、どのジャンルのデザインでも持続可能性に向けて進んでいます。
デザインの引き出しを増やすには、人気があるトレンドを押さえておくことが大切です。ロゴにはタイポグラフィ、カラー、形など、デザインの基本となる要素が詰まっており、最近のロゴデザインに使われているトレンド、デザインテクニックを紹介します。
下記は各ポイントを意訳したものです。
※当ブログでの翻訳記事は、元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。
- 2021年、ロゴデザインのトレンドの傾向
- 拡張性が高いロゴ「Asterisk: アスタリスク」
- 回転させたリボン「Off Jog: オフジョグ」
- 増殖を表現したデザイン「Spliced CBC: スプライスされたCBC」
- 電子テープのかわいいロゴ「Electric Tape: 電子テープ」
- 魅惑的なシンメトリー「Trans Flip: トランスフリップ」
- アイコンの新しい使い方「Stacked: スタック」
- 4つの正方形を使ったロゴ「Quads: クワッド」
- 半円の蛇行した線「Chains: チェーン」
- バリアブルフォントを使ったロゴ「Janus: ヤヌス」
- 連鎖を表現したデザイン「Merger: マージャー」
- 円の新しい使い方「O’Really: オリアリー」
- 開放性と透明性のデザイン「Swingers: スウィンガー」
- シンプルで機能的なロゴ「Dog Tags: ドッグタグ」
- 再注目されている彫刻の技法「Etched: エッチング」
- 点と線を使用した不思議なロゴ「Rods: ロッド」
2021年、ロゴデザインのトレンドの傾向
毎年のレポートと同様に、ここではLogoLoungeに寄せられた35,000点以上のロゴを徹底的に精査して、分かったことをまとめています。さらに加えて、過去1年間に国際的におこなわれた重要なブランドの導入や更新をすべて検証して、ロゴのトレンドを検証しています。
2021年、ロゴデザインの大きなトレンドは「自然とつながる必要性」です。テクノロジーからは切り離され、エコと環境が深く求められています。
トレンドの多くは、わたし達の文化やブランドの変化を示すことを目的としています。2021年のトレンドの1つ「Off Jog: オフジョグ」はレベルAからレベルBへと視覚的にジャンプし、突然の変化を表現しています。「Swingers: スウィンガー」は空間的な変化を表現しています。「電子テープ」と「ドッグタグ」は過去の慣習に従わずにメッセージの即時性を表現し、メッセージを洗練させたり、意図的かつ戦略的に不完全さを表現し、美学を表現しています。
トレンドの流れを見るのも面白いと思うので、過去分も。
- 2020年のロゴデザインのトレンド
- 2019年のロゴデザインのトレンド
- 2018年のロゴデザインのトレンド
- 2017年のロゴデザインのトレンド
- 2016年のロゴデザインのトレンド
- 2015年のロゴデザインのトレンド
- 2014年のロゴデザインのトレンド
- 2013年のロゴデザインのトレンド
- 2012年のロゴデザインのトレンド
- 2011年のロゴデザインのトレンド
- 2010年のロゴデザインのトレンド
- 2009年のロゴデザインのトレンド
- 2008年のロゴデザインのトレンド
それでは、2021年のロゴデザインの15個のトレンドを見てましょう!
拡張性が高いロゴ「Asterisk: アスタリスク」
稲妻ときらめく四角い星がロゴのトレンドだった1年後、デザイナーは次の星を探すのは当然です。2021年のロゴのトレンドの1つ目はアスタリスク(*)です。
アスタリスクはラテン語で「小さな星」を意味します。5つ、6つ、8つのいずれの形であっても、このアイコンはデザイナーのグラフィック用語としてしっかりと根付いています。WalmartやFedExは10年以上前からアスタリスクの派生マークを使用していますが、人気が復活しているのはサンセリフ体のアスタリスクです。このすっきりとしたデザインは拡張性が高く、太陽、星、花、火花、アイデア、そしてもちろん省略や注意を促すシグナルとして、誰もが読むことができます。このシンボルは言語的な意味を失うことなく、視覚的に幅広く解釈し、装飾することができます。
回転させたリボン「Off Jog: オフジョグ」
これは2021年の最も魅力的なトレンドの1つで、一度指摘されると簡単に発見できますが、定義が明確ではありません。バンドやリボンを想像してみてください。
興味深いのは、その変化のポイントです。変化は新しいプロセスの採用であったり、新世代への移行を表現します。Bancontactのロゴはリボンが半回転して黄金色の面を見せ、新たな高みへと進んでいるように見えます。Eisbachはほぼ同じ変化ですが、3つのバンドはサーフィンのための水のポイントブレイクを表現しています。デザイナーの視点から見ると、これは重要な変化の瞬間と結びついた継続性の物語を作り出すものです。
増殖を表現したデザイン「Spliced CBC: スプライスされたCBC」
このエレガントなバースト効果を採用したのは、CBCのロゴが最初でも最後でもありませんが、今日では最も目立つロゴで、ロゴの誕生時にはいなかった世代のデザイナーにも影響を与えています。
CBCのロゴは長い年月をかけて改良されてきましたが、オリジナルのデザインは、赤い円がトンボの目から見えるようなファセット状の幾何学模様で放射状に広がっています。このロゴの特徴は、核となる要素から突出している縮小していく断片の配列にあります。それぞれの断片は、池に投げ入れられた小石の波紋のように、広がりながらも目に見える形で消えていきます。コンセプトは「増殖」「増産」「到達」を意味しています。オリジナルのCBCは連続したカラーパレットを使用していましたが、最近のトレンドでは単一のトーンを採用しています。
電子テープのかわいいロゴ「Electric Tape: 電子テープ」
このロゴデザインのトレンドは親しみやすい茶目っ気のあるデザインに仕上がるのが特徴で、スタイルの柔軟性はイメージからタイポグラフィへと変化させることができますが、それは曲線がないところに顕著に表れています。
グラフィティとモノラインの中間のようなこれらのロゴは、いたずらっ子のような雰囲気を醸し出しています。このようなDIYスタイルは、一般的な幅のまっすぐなストリップで作られており、ハードカットしなければコーナーを通過することができず、接合部をきれいにすることをあまり気にせずにこつこつと作られています。
魅惑的なシンメトリー「Trans Flip: トランスフリップ」
このロゴデザインのトレンドを採用する利点は、整然とした透明な関係の見通しを示す魅力的なビジョンです。
これらの宝石のようにカットされたロゴを眺めていると、催眠術のような、魅惑的な、魔法のような感覚に襲われます。リズミカルなシンメトリーと内なる光の何かが、その深さに身を任せさせてくれます。現実的には、レイヤー数が多いほど、レイヤーが重なり合って色が濃くなります。不透明なレイヤーや控えめなグラデーションであっても、深みのある錯覚を与えることができます。グラデーションが人気ですが、このトーンステップのテクニックを使えば、デザイナーはグラデーションではないカラートランスを作ることができ、同じように魅力的になります。
アイコンの新しい使い方「Stacked: スタック」
2021年のロゴのデザインでは、アイコンの新しい使い方がトレンドです。アイコンを積み重ね、正と負のスペースを巧みに使用します。
ロゴのデザインとアイコンのデザインの間には、非常にグレーな領域が存在します。消費者はインターフェースに表示されるシンボル、ピクトグラム、絵文字に慣れており、普遍的なビジュアルに親しみを感じます。家・波・太陽・木・鳥・花・ドリンクなどを積み重ねて(スタックして)、関連付けられたビジュアルをもたらすというアイデアは新しいものではありません。新しいのは、映画産業や写真を視覚的にノックダウンして、正方形の中のリングと、拍子木のための一連の浮いたハッシュマークにする能力でしょう。これらのトレンドは正と負のスペースが混ざり合っており、空間的に満足のいくものです。やや一般的に見えるかもしれませんが、ロゴが表す象徴的なジャンルの所有権と権威を示すこともできます。
4つの正方形を使ったロゴ「Quads: クワッド」
ブランディングとは一貫性を構築することであり、ロゴで秩序を示すことは、わたし達のデザインテクニックの基本です。
クワッドとは、4つや4倍を意味する言葉です。人生で重要なことは、季節・方角・トランプの種類・ファンタスティックフォー・ファブフォー・CMYKなど、4に集約されています。このトレンドでは正方形を4分割して、さらに4つの正方形が使用されています。各正方形には幾何学的なデザインがされてたり、文字が入ったりしており、スパルタンなデザインの美学が活かされています。
半円の蛇行した線「Chains: チェーン」
去年あたりから一気に増えてきたロゴデザインのトレンドで、半円を交互に反転させ、チェーンのように集めて先端をつなぐという構成でデザインされています。
A地点からB地点への最も早い道は直線であると教えられてきました。このトレンドの蛇行した線は、時間に余裕のある人や、目的地よりも旅の美学を重視する人のためのものだと言えるでしょう。蛇行したラインを使用してもよかったと思いますが、チェーンで作られた効果や視覚的な重さはほとんどありません。蒸気、煙、波など、波状の象徴的な線を使う理由は何でもいいのですが、昨年からロゴデザインで増えてきました。これらのロゴは最小限の視覚的努力でリズミカルなフィールドを加えることができます。
バリアブルフォントを使ったロゴ「Janus: ヤヌス」
可変フォント(バリアブルフォント)は、これまでのデザインランドスケープの変化に大きく貢献してきました。2021年、ロゴデザインにも使用されるようになっています。
これらのロゴには、バリアブルフォントが使用されています。さまざまなウェイトや幅に簡単に変更できる書体の魅力は、その変化を視覚的に示すことです。Evolved By Natureは進化の過程を視覚的に表現しており、左から右に向かって各文字のセリフが変化していき、最終的にスベスベした変化が見られるようになると、それがより顕著になります。Canal Brasilはポリジュースの薬を無駄にしたかのように文字の形が完全に変化するループアニメーションで、このトレンドをさらに大胆かつ楽しく表現しています。
連鎖を表現したデザイン「Merger: マージャー」
このロゴのトレンドは、参加している人の力が倍加していることと、運動に参加しようとする個々のビーズを示しています。
これらのロゴは合併(マージャー)が起きた時の連鎖を表しており、数の力や能力の拡大、溶け込みやすさと反応するための柔軟な能力を示しています。消費者の想像力を最大限に引き出すために、絶妙なタイミングで撮影されたスナップショットとも言えます。滴のような要素が1つ2つと集まり、それが連鎖して、水の流れを作り出します。
円の新しい使い方「O’Really: オリアリー」
最近のロゴのデザインに使用されている円は、グラデーションやハーフトーンの効果がつけられています。
デザイナーにとって、円ほど基本的な形はないでしょう。何世代にもわたって円のリングを作り、それをロゴと呼んできたのですから、この一連のロゴがトレンドと言えるのも納得です。リングには永遠性、統一性、完璧性、サイクルといったイメージがあります。真ん中の穴は、通路や窓、ポータルを表しています。最新のトレンドではグラデーションやハーフトーンの効果で適切な陰影をつけることで、リングは次元を増していきます。この形に込められた力は、単なるモノグラムとしての連想をはるかに超えています。
開放性と透明性のデザイン「Swingers: スウィンガー」
わたし達が名付けた「スウィンガー」とは、動きを表現したいが、安定性を示す原理や核に縛られているマークのことです。これらのマークは以前の位置からピボットしている実体を表しているのかもしれません。
おそらくこのヒンジ効果は、安定性と柔軟性が互いに排他的ではないという考えを強化するものでしょう。透明性を利用して動きのある一連のフレームを表現したマークは、開放性と透明性を表しており、これらのロゴはすべて光学的次元によって空間を定義しています。これらのロゴが風に揺れているように見えようと、羽ばたいているように見えようと、これらのロゴが表す実体はどれも静止している物体ではありません。回転・跳躍・飛行・爆発・ダッシュなどの表現はこれまで何度も繰り返されてきましたが、今年のロゴデザイナーは「スウィンガー」に注目しています。
シンプルで機能的なロゴ「Dog Tags: ドッグタグ」
72文字という制限のある小さな板に、重要な情報をすべて詰め込むというアイデアにはある種の魅力、美しさ、完結性があります。制約があるからこそ、クリエイティブは非常に賢い解決策を導き出すことができます。
これらのロゴはクライアントにとって、シンプルで機能的、そして率直で正直なものです。文字そのものが装飾となったり、タグの形を定義したり繰り返したりするためのパターンとなったりしており、機知に富んでいます。これらのロゴは原則として文字の中にグラフィックシンボルを使用しないため、外観の形状が唯一の象徴的なシグナルとなっています。このマークを表現するには、適切な美意識を持ったクライアントを見つけることが重要です。このロゴの意図しない性質は、意図的なものなのです。
再注目されている彫刻の技法「Etched: エッチング」
わたし達が知っているマスコットやロゴは、前世紀に入る前から使われていた彫刻された広告アートから抽出されたものが多いです。それらのロゴはエッチングされていて、ノスタルジックな魅力に溢れていましたが、印刷に必要な技術であるためにこのような形で描かれていました。
最近このようなロゴが増えてきたのには、2つの要因があると考えられます。1つ目は、巨大企業に対抗するために、厳選された、あるいは小ロットの製品やサービスを提供する起業家が増えてきました。2つ目は、有能なイラストレーターやデザイナーの中には、まさにこのようなスタイルでジンのボトルやチョコレートの箱を制作していた人たちがいました。彼らは今、燃料を補給し、提供する準備ができています。品質レベルやスタイルは、素朴なものから高度に洗練されたものまでさまざまですが、いずれも消費者を無形の場所へと誘うものです。
点と線を使用した不思議なロゴ「Rods: ロッド」
点と線の違いは、見る角度によるものでしょう。ロッドの軸を真上から見ると、軸の幅が狭くなり、両端が丸くなります。これを整然と並べていくと、このトレンドができあがります。
センターを少しひねると、同じロゴでもだんだんと曲がりくねっていく渦の回転をイメージすることができます。このトレンドはここ数年よく使われているオーラやハローの派生形であると考えるのは簡単です。中心的な特徴を囲むためのニンブズを提供するというよりも、シャフト自体に焦点を当てています。終点を丸くすることで、親しみやすいデザインになっており、それが特徴的な要素となっています。単一のトーンを使用しても、グラデーションを使用して形状や距離を定義しても、同様に印象的な効果が得られることがわかります。これらのマークは、ほとんどの場合、光の爆発によってきれいに燃やされた空虚な中心から突き出ており、拡大、希望、広がりの感覚を伝えています。
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