著作権・肖像権について、写真やイラストなどの素材を安全に使うために知っておきたいこと

デザイナーをはじめ、多くの制作者が利用している「アマナイメージズ」協力のもと、写真やイラストの著作権・被写体の肖像権についてまとめました。

Webデザインで写真やイラストの素材を使用する時、写真をトレースしてイラストを描き起こす時、写真を模倣してほぼ同じ構図やシーンで撮影する時など、写真やイラストを安全に使うために知っておきたいことを紹介します。

写真やイラストを安全に使うために知っておきたいこと

画像: 新緑 © daj /amanaimages

以下の掲載写真の使用許諾は、アマナ様にすべてご手配いただきました。

写真やイラストの権利について

写真やイラストには、原則として著作権が存在します。
素材(有料・無料に関わらず)として利用できる写真やイラストも著作権の保護期間を過ぎたもの、放棄されたもの、利用できる条件が明記されているもの以外は、すべて著作権の保護対象です。

写真を例に、どのような権利が発生するのか見てみましょう。

人物の写真の権利について

写真の権利について: 人物の写真

  1. 写真の著作権
    著作権法によって保護されている、著作物の一定の利用を排他的に支配する権利。
  2. モデルの肖像権
    日本では法律に明文化されていないが、プライバシー・パブリシティなどを根拠に判例上認められている権利。
映画のスチール写真の権利について

写真の権利について: 映画のスチール写真

  1. 映画の著作権
    著作権法によって保護されている、著作物の一定の利用を排他的に支配する権利。映画スチールや映画シーンの再現写真の場合は、映画の著作権が問題となり得る。
  2. パブリシティ権
    著名人には、顧客吸引力のある肖像、氏名などを無断利用されない権利が認められる。
美術品の写真の権利について

写真の権利について: 美術品の写真

  1. 写真の著作権
    著作権法によって保護されている、著作物の一定の利用を排他的に支配する権利。
  2. 美術の著作権
    美術作品などの著作物が識別可能な状態で写っている場合、被写体の著作権も含まれる。
商品の写真の権利について

写真の権利について: 商品の写真

  1. 写真の著作権
    著作権法によって保護されている、著作物の一定の利用を排他的に支配する権利。
  2. ロゴなどの商標権
    商品・サービス名やロゴなどの登録商標を、指定商品・指定役務に関連して使用する権利。

写真やイラストを安全に使うために知っておきたいこと

写真やイラストを安全に使うポイントは、「リスクを正しく認識し、事前に回避する」ことです。
デザイナーやディレクターをはじめ、制作者・制作関係者が知らなかったでは済まされない、安全に使うために知っておきたいことをチェックしておきましょう。

最近よく聞く「肖像権」ストックフォトではどうなっているの?

ストックフォトモデルの肖像権

人物写真の被写体には肖像権があり、被写体が不明な写真を使用することは危険です。利用する時は、その写真素材に「肖像権使用許諾同意書(モデルリリース)」があるか必ず確認してください。

モデルリリースがあるならどんなものに使ってもいいの?

人物写真の「モデルリリース」とは

「モデルリリース」が取得された写真は、どんなものにも利用できるということではありません。例えばアダルトや公序良俗に反するものへの使用は禁止されており、ギャンブル・政治・宗教・病気などには使用できない作品もあります。婚活や美容整形といった用途にも注意が必要でしょう。

ストックフォトとして販売されている有名人の写真、広告に使えるの?

パブリシティ権とは

有名人の写真を商業的・広告的な目的で使用する場合には、適切に許諾を得る必要があります。なぜなら、有名人の場合、肖像や氏名には顧客を吸引する力があるため、「パブリシティ権」が認められているからです。

被写体の権利って人物だけなの?

観光地や建築物の写真も注意が必要

被写体の権利で注意するのは、人物の肖像権だけではありません。有名な建築物や商業施設、施設の敷地内で撮影された写真などを使用する場合、その管理者に使用許諾をとる必要があるケースがあります。
特殊な例ですが、エッフェル塔の日中の写真は自由に使用できますが、エッフェル塔のライトアップには著作権があるため、ライトアップ時の写真使用には使用許諾が必要です。

美術品の写真を使う場合って、どうすればいいの?

モナリザの画像を安全に使うには

美術品などの著作物は著作権保護期間を過ぎるとパブリック・ドメインとなり、誰でも自由に利用できますが、大幅なトリミングや改変を加える場合は、その作品を所有する管理者(美術館や財団)の使用許諾を取った方が安心でしょう。
日本での著作権保護期間は、「創作時から著作者の死後50年を経過するまで」と定められています。

いろいろな被写体が存在するストックフォト、安全に使うには?

使用条件を確認するタイミングはいつがベスト?

写真の使用条件の確認はプレゼンの前、使用決定の前がベストです。
クレームなどのトラブルを未然に防ぐためにも、使用条件(注意・規制情報)の確認は必ず行いましょう。

ライツマネージドとロイヤリティフリーの違いって?

ライツマネージドとロイヤリティフリーの違い

ロイヤリティフリーとは、イコール「著作権フリー」ではありません。フリーなのはロイヤリティで、通常発生するライセンス料がフリーということです。ライツマネージドとは、使用媒体や期間によって価格が変わる写真の利用方法です。

ストックフォトってどこまで独占できるの?

ストックフォトを独占的に使用する方法

ストックフォトを独占的に使用できることを知っていましたか? 例えば、アマナイメージズのみで取り扱うライツマネージド作品ではストックフォトを独占的に使用する手続きもできるため、他の人やライバル会社が同じ写真を使ってしまう心配は必要ありません。

ストックフォトの模倣って、やっぱり問題?

画像のトレースや構図の模倣は問題?

写真をトレースしてイラストを描き起こしたり、写真を模倣してほぼ同じ構図やシーンで撮影することは、翻案権(二次的著作物を創出する権利)や複製権の侵害にあたる可能性があります。ストックフォトを模倣したりトレースしたい場合には、アマナイメージズの「アートリファレンス」で、事前に翻案権を取得することもできます。

写真を安全に使うためのクイズでおさらい!

クイズ: 写真を安全に使うためのおさらい

最後は、写真を安全に使えているか確認できるクイズです。
あやふやな点がないよう、制作活動に活かしてください。

ケーススタディ: まとめサイトでの画像引用、制作委託先が不正利用していたなど

素材を利用する時に、気をつけなくてはならないのは制作者自身だけではありません。
プロジェクト関係者、クライアント、また個人で素材を利用する時にも注意が必要です。

  • 画像検索で見つけた画像は安全に使えるの?
  • まとめサイトで引用元を明記してあれば問題ない?
  • 古い人物写真の使用で遺族からクレームがきたけど責任は問われるの?
  • 有料の写真素材だったら、何に使っても問題ない?
  • 制作委託先が不正な使用をしたら、クライアントも責任は問われるの?

こういった著作権に関する事例の答えや対応方法がアマナイメージスで分かりやすく解説されているので、目を通しておいたほうがよいでしょう。

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