2026年、ロゴデザインのトレンド -最近のロゴに使われているデザインテクニックのまとめ

デザインの引き出しを増やすには、トレンドを押さえておくことが大切。トレンドは一時的な流行ではありません、デザインが向かっている道のりの途中を示すものです。

デザインの基本となるタイポグラフィ、カラー、形などの要素が詰まった、最近のロゴデザインに使われているトレンド、デザインテクニックを紹介します。

2026年、ロゴデザインのトレンド

2026 Logo Trend Report
by BILL GARDNER

下記は各ポイントを意訳したものです。
※元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。

2026年、ロゴデザインのトレンドの傾向

このレポートは例年のように、意見ではなく、観察に基づいたものです。過去一年間に世界中の重要なアイデンティティ・プロジェクトから収集した3万点以上のロゴやアイデンティティ・システムを精査した結果で、さらにLogoLoungeへの膨大な作品も反映されています。これら多くのカテゴリやデザインにわたる膨大な量のロゴを見ていると、パターンは自然に浮かび上がり、必ず目に留まります。

そして現在、かつてないほど流動的で、固定観念にとらわれず、より自由なシステムが生まれつつあります。ブランドは単に自己表現をするだけでなく、行動を起こし、柔軟に変化し、脈動し、多層的な側面を露わにし、状況に適応しています。アイデンティティは静的な人工物から、より表現力豊かで、より反応的で、デザイナーやシステムやクライアント間のコラボレーションがより深まったものへと変化しつつあります。

こうした変化の多くは、AIと高度なレンダリングツールの継続的な発展によって促進されてきました。今や3次元的なイメージは至るところに存在しています。アイコン、ロゴ、視覚的な断片はすべて、デジタルとは思えないほどリアルに感じられ、触覚的な豊かさを伴ってレンダリングされています。これらは単なる装飾ではなく、ブランドが雰囲気と存在感を構築するための核となる要素になりつつあります。

しかし、それと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのは、それらのマークの背後で何が起こっているかです。

背景はもはや受動的な存在ではありません。アイデンティティを構築する能動的な要素へと進化しました。ブランドはまるで水滴を通して見たかのような、屈折し、柔らかく、わずかに手の届かないようなイメージを含め、没入感のある色彩と動きの領域を積極的に活用しています。フォーカスは移り変わり、輪郭はぼやけていきます。そこに残されるのは、ただ受動的にそこに存在するだけではない、印象的なグラデーションです。まるで呼吸しているかのようで、繊細に変化し、フラットな配色では決して表現できない奥行きと感情を生み出しています。

多くの場合、こうした環境は単なる背景というよりは、ブランドが存在する生きた表面のような存在です。グラデーションはもはや単なる色の選択ではなく、一つの体験そのものです。脈動し、ぼやけ、波打ち、時には音や動きを反響させ、時にはそれらに反応します。かつては静的な背景に過ぎなかったものが、今やロゴそのものと同じくらいストーリーを語っています。

そして、その背後にある仕組みが明らかになっていきます。

デザイナーはもはや、クライアントにアセットを渡すだけではありません。クライアントのためにフレームワークを構築し始めています。クライアントが定義されたビジュアル言語の範囲内で、要素の強度を強めたり弱めたり、強度を調整したり、頻度を変えたり、イメージを進化させたりできる制御された環境です。

グラデーションは周波数のように振る舞い、拡大縮小することで、奥行きと没入感を生み出します。その結果、表現力豊かで実用的なものが生まれます。クライアントはブランドとの整合性を保ちながら、アウトプットを自由に形づくることができます。
これは非常に意義深い変化です。

わたし達はデザイナーを単なる作り手という立場から、可能性の設計者として捉える方向に移行させています。ブランドが統一感を保ちつつ変化に富んだ表現を生み出せるようなツールキットを構築しています。それは硬直性のないコントロールであり、混沌のない自由です。

色彩もまた、大きな役割を果たしています。グリーンは今まさに注目されており(席巻していると言ってもいいでしょう)、温かみのある、ほとんど有機的なトーンから、高電圧で黄色がかった鮮やかなグリーンにまで幅広い色調が展開されています。YInMnブルーは依然として根強く、鮮やかな色合いを保ち、一方ではイエローやパープルがパレットを彩り、つい最近まではあり得ないと思われていたような組み合わせが次々に生み出されています。

ムーブメントも起きています。たとえば技術的には何も動いていないとしても、動きという要素が明確な流れを生み出しています。文字は文字通り前傾しています。スラント、イタリック、オブリークが至る所に使用され、静的なフォルムに勢いを与えています。そしてその流れを理解したと思ったまさにその瞬間、一部のデザイナーがそれを逆転させ、文字を後ろに傾けることで、視線が容易に落ち着かないようにする緊張感を生み出しています。

文字の形そのものの中にも介入の波が押し寄せています。ネガティブスペースは単なる副産物ではなく、積極的に活用されています。空いたスペースには卵、ハート、ハンマーといった予想外の形が埋め込まれ、本来なら円があるべき場所に四角形が、そして論理的にあり得ない場所に円が配置されています。それは遊び心があり、時に巧妙で、時に無理矢理感もありますが、紛れもなく存在感を放っています。

これはレポートであって、推奨事項ではありません。ここで紹介するトレンドを辿ることを勧めるものではありません。ただ、どの道が踏み固められつつあるのかを示しているだけです。これらのトレンドは分野や地域を問わず、何千人ものデザイナーが並行して問題を解決した結果です。これらは動きそのものを表しています。

あなたの仕事は、これらを模倣することではありません。これらを土台にして、さらに発展させることです。先人たちの肩の上に立ち、もう少し先を見据え、次のステップをどこへ進めるべきかを決めることです。

トレンドの流れを見るのも面白いと思うので、過去分もどうぞ。

それでは、2026年のロゴデザインの15個のトレンドを見てましょう!

1. Vボール: 人がバンザイをしているかのようなV字形

2026年のロゴデザイン: Vボール: 人がバンザイをしているかのようなV字形

円は、究極の万能選手です。適切な脇役を添えれば、太陽になったり、目になったり、ピリオドにもなります。あるいは、点と点をつなぐ冒険の始まりにもなり、ほかにもたくさんの意味のある何かになることを約束してくれます。

しかし、棒をいくつか添えた途端、一線を越えます。おめでとう! あなたは人の形を作りあげました。言い訳も後戻りもできません。デザイナーたちはそれを承知しているにもかかわらず、驚くほど繰り返し同じ罠にはまってしまうものです。

ロゴのデザインで今年見かけるバージョンは、両手を高く挙げたコーラスラインの姿です。見慣れたV字の形は、勝利・団結・祝賀、あるいは仲良くしているブランドのグループが象徴されています。中心点で回転させると、エネルギーや動きが感じられ、さらにはちょっとしたスペクタクルも生まれます。重要なのは中央のネガティブスペースです、二次的なシンボルを形成したり、単なる装飾的な紙吹雪のように感じさせないように、構図には十分な目的を与えています。

これまでにも似たパターンは見られましたが、今年見かけるバージョンではより大胆に、そしてより高い頻度で登場しています。動き続けることで、これらのマークはそこに留まるのではなく、プレー全体を活性化させ、ボールを転がし続けます。

2. スリップノット: 綿密に設計された一文字

2026年のロゴデザイン: スリップノット: 綿密に設計された一文字

内向的なワードマークの中には、必ず外交的なワードマークがあります。舞台の端に追いやられ、他の出演者の邪魔をせず、身振り手振りを交えながら大袈裟に振る舞う目立ちたがり屋のような存在です。

ワードマークにおいてその役割を担うのは一文字だけ、多くは先頭の文字です。その文字の尻尾は本来あるべき場所で礼儀正しくしているのではなく、ループを描いたり、ねじれたり、さらには結び目を作り始めています。これはルールに従うつもりはないという意思表示が感じられ、遊び心やいたずら心も感じられますが、物事の筋を失うものではありません。もしこの手法に既視感があるなら、Angiが数年前からその布石を打った功績でしょう。

注目すべきは、その手に負えない頭文字が完全に切り離されたアイコンとして第二の人生を歩むことを許されている頻度の高さです。アプリのボタンやソーシャルメディアのアバターに使うには便利ですが、これは少々危険な試みです。デザイナーはこれまで、ワードマークの先頭にスタイリッシュなモノグラムを無理矢理押し込めようとしてきましたが、その結果は他の文字と調和せず、まるで他のブランドが迷い込んできたかのように残りの文字と衝突したデザインになってしまうことがよくありました。

しかし、今年のポイントで重要なのは、デザインにおける規律です。頭文字は表現力豊かなイニシャルをワードマークの他の文字と同じ構造的DNA(モノラインのストローク、共通の比率、馴染みのある終端)で構築しているため、単独で存在していても、あるいは元の頭文字になっても、読みやすさを損なうことなく機能します。これは綿密に設計された、ささやかな反逆行為です。目を引くには十分なほどのアクセントでありながら、全体と衝突しない存在です。

3. スラントブレイク: わずかに傾けるだけで動きと洗練さを加える

2026年のロゴデザイン: スラントブレイク: わずかに傾けるだけで動きと洗練さを加える

同じルールに従った美しい家々が並ぶ通りを車で走っていると想像してみてください。どの家も手入れが行き届いており、統一感があります。ふと一軒の家が目に留まります。派手というわけではなく、特に大きいということもないですが、紛れもなくこの一軒だけが別格に見えます。

他の家々の印象は色褪せますが、その家だけが記憶に残ります。その家は、欧文の柵の中でひっそりと佇むたった一文字のイタリック体のようなものです。イタリック体は強調のために生まれたものではないことを覚えておく価値があります。15世紀に学者たちの筆記体を模倣するために開発され、当初はアクセントとしてではなく、それ自体が声として存在していたのです。

簡潔さが重要視され、すべての文字がその存在意義を問われる時代のワードマークにおいて、たった一文字のイタリック体で必要な個性をすべて表現できます。ほんのわずかに傾けるだけで、ワードマークには動きと洗練さが加わり、知性のささやきさえ感じさせます。複合語の中に意図的に配置すれば、その変化は発音を導き、二つのアイデアが融合する接点を示す役割も果たします。

色を替えたり、不自然な大文字表記で処理されることが多いこの役割ですが、イタリック体を使用することで、より静かな自信をもたらします。これが重要なポイントです。ほぼ同じ要素が並ぶ中で、際立たせるのに大したことは必要ありません。人々が足を止め、「まさにこれだ」と思える一軒の家を見つけてもらうには、たったこれだけの工夫で十分です。

4. ピアノ: 半世紀が経ち生まれ変わったトレンド

2026年のロゴデザイン: ピアノ: 半世紀が経ち生まれ変わったトレンド

1984年のロサンゼルスオリンピックの公式ロゴに、ロバート・マイルズ・ルニオンの「Stars in Motion」ロゴが採用されたことを覚えていますか?

当時のデザイナーたちは新しい視覚言語を渇望しており、あの階段状の平行線はまさにそれを体現したものでした。その効果は衝撃的で、立体的なフォルムが動き、スピード感があり、そして立体感へと溶け込んでいくようでした。まさに時代が求めていたもので、それ以上のものを備えていました。瞬く間にそのデザインはあらゆる分野に広まり、ドーナツを売っていようが、粉ミルクを売っていようが、何を売っているかに関わらずそれらのロゴはただ一つ「速さ」を象徴するものとなりました。

当初は意味のある視覚的表現として始まったこのデザインは、瞬く間に定番のスタイルになりました。それらの線は単に動きを暗示するだけでなく、関連性、進歩、さらには信頼性をも象徴するようになりました。そして多くの成功例と同様にこのトレンドも時の流れとともに飽きられてしまいました。そのときから半世紀近くが経ち、このデザイン言語が再び注目を集めていますが、現在ではその意図は異なっています。

現在のバージョンはより抑制が効いており、より意図的になり、スピードよりもリズム、区切り、そして表現の豊かさが重要視されています。ある人にとっては懐かしいレトロな雰囲気を感じさせ、またある人にとっては全く新しいものとして映るでしょう。これこそが優れた基盤を持つトレンドの秘訣です。消え去るのではなく、より良い形に生まれ変わります。

5. フェーダー: 曖昧さこそが、見るものを惹きつける

2026年のロゴデザイン: フェーダー: 曖昧さこそが、見るものを惹きつける

まるでAIの心の内を覗き込んだかのように、これらのマークは表面の下に隠されたアプリの思考、動作、接続方法を垣間見せる、いわば開かれた窓のような役割を果たします。

そこには神秘的な雰囲気が漂っています。霧に包まれた空間に浮かぶ、内なる輝きのようなものです。わたし達はその活動を感じ取るのに十分な情報は得られず、完全に理解することはできません。しかし、その曖昧さこそが、見るものを惹きつける要素になります。そこには知性、複雑さ、静かな自信が感じられ、表面化で動作するシステムが自ら説明しようとする以上に高度な何かが行われていることを示唆します。

このエフェクトを生み出す法則は、驚くほど一貫しています。まず、円形・六角形あるいは幾何学的形状の明確な開口部を設定し、意図的な結び目やループや分岐点を描き、一本の線で経路を構築します。次に、それらの線が虚空へと溶け込むようなグラデーションを適用することで、重さを感じさせない奥行きを生み出しています。

鮮やかな色彩の中に溶け込むことで、グラデーションは制御された状態を保ち、さまざまな背景に適用した際に白が消えてしまうというよくある落とし穴を回避しています。その結果、アプリのアイコンとして完璧に馴染む仕上がりになっています。自己完結型で、立体感があり、さりげなく存在感を放っています。このロゴのレポートの過去のトレンドからその軌跡を追っている人にとって、これは驚きというよりは、むしろ予想通りの展開と言えるでしょう。

6. クラック: ロゴマークで遊び心を表現

2026年のロゴデザイン: クラック: ロゴマークで遊び心を表現

インキトラップ(文字の交差部分でインキが滲むの防ぐテクニック)が極端に誇張された書体をじっくりと観察し、デザイナーが単なるトレンドを超えた意図を持っていたことに気がつくと、ある種の安堵感を覚えます。

インキトラップのような凹みや膨らんだ曲線は、機能的な処理というよりもまるで解剖学のように感じられます。それらの形はある時点で、一線を越えます。巧妙に意図されたものが、まるで過剰に膨らんだ唇や隠しておくべきローライズジーンズを暗示するような見過ごすことができないものになってしまいます。笑い飛ばすこともできますが、一度意識してしまうと、もう手遅れです。

皮肉なことに、文字の他の部分は模範的で、はるかに無害なことが多いです。しかし、たった一つの目立つ突出部分や過度に誇張された切り込みが、マーク全体を支配します。これはもはやタイポグラフィの問題ではなく、解釈の問題、おそらくは反応を引き出すことを狙っているものです。そして、挑発が依頼内容に含まれていない限り、それは危険な領域です。

遊び心が目的でない限り、フォーチュン500企業のブランドを象徴するものとして、このようなデザインが採用されることはまずないでしょう。視覚的なインパクトだけでなく、このように誇張された形状は文字間のスペースを圧縮し、可読性を極限まで低下させる可能性があります。したがって、あえてこのようなデザインを採用するのであれば、堂々と表現しましょう。ロゴマークで遊び心を表現し、システム内の他の要素はすべて模範的な振る舞いを保つようにするべきです。なぜならこの場合、抑制は敵ではなく、抑制されない過剰こそが敵だからです。

7. ブリージー: 弱々しく、かろうじて立っている

2026年のロゴデザイン: ブリージー: 弱々しく、かろうじて立っている

デザイナーがロゴの耐久性について語る時、フォーカスグループや耐久性、実地テストといった要素を挙げることが多いです。しかし、暴風や爆発、あるいはNASAの風洞実験といった過酷な環境下でのテストについてはほとんど触れません。ところがこれらのロゴマークは、そういった過酷な環境で耐え抜いたかのように見えます。

当初は構造と意図をしっかりと備え、堂々とした自信に満ちた姿で登場しましたが、途中で20PSIの圧力を受けたかのようです。かろうじて立っているものの、歪み、圧縮され、今にも崩れ落ちそうなほど弱々しく見えます。

これらの歪みは明らかに意図されたものです。中心部分はまるで指が塗り立てのアイシングをなぞったかのように滲んだり、つまんだり、引っ張られたりしています。かつては整然としていたものが崩れてしまったかのようです。それによって緊張感や動きが生まれ、思わず二度見してしまうような視覚効果を生み出しています。しかし同時に、なぜブランドはまるで過酷な試練を乗り越えたかのような外観を必要とするようになったのかという疑問も浮かび上がります。そこには安定性が暗示されていますが、目に見えない何かの力に耐え抜いた後に得られるものです。

そして、それこそが重要なポイントなのかもしれません。馴染みのあるものに手が加えられた瞬間、人々は気がつきます。理解できなくても、記憶に残ります。ブランディングにおいて、そうした破壊的な変化こそがまさに望んでいたことです。

8.ロールオーバー: 折り目を戻すときの躍動感

2026年のロゴデザイン: ロールオーバー: 折り目を戻すときの躍動感

リボンや紙を折ると、折り目ができます。その表面は固定された、平らで、予測可能なものです。平面上に存在し、配置されるのを待つ他のグラフィック形状と同じように振る舞います。

しかし、折り目を取り除き、張力を保つと、その表面は突然生き生きと動き出します。折りたたまれるのではなく、丸まり、ある種の優雅さをもって一つの平面から次の平面へと移り変わります。そこには立体感、弾力性、さらには抵抗感さえも感じられます。元の形に戻ろうする力、あるいは抵抗なく制止することを拒む力、この蓄積されたエネルギーがこれらのマークに脈動を与え、制止した状態ではなく、まるで動きの途中を捉えたかのような躍動感が感じられます。

今年のトレンドでは、こうしたマークが数多く登場し、幅広いスタイルで見られます。グラデーションやハイライトを使用して、光が表面を駆け巡ることで奥行きや曲面を強調するものもあります。また、より平面的な表現を使い、2色で二元性、つまり光と影、内側と外側、一方の機能がもう一方の機能へと折り畳まれる様子を表現するものもあります。さらに単色にそぎ落とし、線だけで形の流麗さと緊張感を表現するものもあります。

表現方法にかかわらず、それらは魅力的で、躍動感に溢れています。単に物語を語っているのではなく、まさに物語の真っ只中にいるかのようです。そして、その躍動感こそが人々の目を釘付けにしています。

9. スラッシュバー: 心理的バイアスを巧みに利用した傾き

2026年のロゴデザイン: スラッシュバー: 心理的バイアスを巧みに利用した傾き

ある形はささやくように静かです。しかし、これらの形は身を乗り出して、その静けさを打ち破ります。平行四辺形(言ってしまった、もう二度と口にしないでおこう)は、まるで自信に満ち溢れて列に割り込み、どういうわけかそれを許されてしまうようなグラフィックにおける象徴的な存在になりました。

ベースラインにきちんと収まることも、グリッドの中で順番を待つこともありません。切り裂き、前進します。その先にあるものは、すでに動き出していることを示唆します。それを見た瞬間、たとえばどこに向かっているのかを指し示さなくても、本能的に方向性が感じ取れます。それが魔法のトリックです。静的なマークのわずかな傾きが、まるでドアから半分飛び出しているかのような感覚に変えます。

デザイナーたちは、この心理的バイアスを巧みに利用し、驚くほど多様な成果を生み出しています。これらのスラッシュバーはモジュラー式の構成要素として機能し、積み重なることでアイソメトリックな錯覚を生み出したり、視線は前方へ引き寄せる方向性の手がかりとして伸びたりします。重なり合うことで透明感が生まれ、レイヤー状の展開やさりげない幾何学模様が生まれます。こうした状況において、三角形は主役というより一種の視覚的な副産物として現れます。

単独で機能しなければならないという決まりはありませんが、ほとんどの場合、三角形が主導的な役割を果たし、周囲のすべてにテンポを与えています。制約は厳しく、角度のある形状はほんの数種類しかありませんが、そのバリエーションは実に豊富です。ある形状が動きと構造の両方を担うとき、それは長く残り続ける傾向があります。この手法はまだ未完成で、発展の余地があります。

10. エコーアーク: 同心円をアーチのように重ねる

2026年のロゴデザイン: エコーアーク: 同心円をアーチのように重ねる

このパターンには長々とした説明は不要でしょう。ほんの少しの手がかりを示すだけで、脳が自動的にその先を補完してくれます。リズムに乗った数本の線を見れば、そのルールをすぐに理解できるでしょう。

ストライプはまさにそのルールをもっともシンプルに体現したものです。安定して、予測可能で、従順といえるでしょう。しかし、線が曲がり始めた途端、何かが変化し、直線的なリズムが動きに変わります。パターンは壁紙のような存在ではなくなり、まるで信号を伝えるかのように、外へと反響する力として振る舞いはじめます。

デザイナーたちは、これらの弧を重ね合わせ、互いに絡み合わせることで、より表現豊かな領域へと押し広げています。同心円状の線の集合として始まったものが、瞬く間に繋がりが形成され、道が交差し、システムが構築されていく物語へと変化します。弧の方向によっては分岐や収束にも見えますが、多くの場合それらは上昇し、枝のように、あるいは天に向かって一斉に手を伸ばすような人々の姿のように、上へと分岐していきます。

弧の形やスペースを維持するという形式的な制約はシンプルですが、その結果は決してシンプルではありません。線の太さ、重なりによる途切れ、そして複数の弧状構造の相互作用によって、驚くほど多様な表現が生み出されています。そして、これらの弧が頂点に達して交わるとき、必然的に大聖堂のようなアーチが形成され、構造、統一性、高揚感としったテーマが強調されます。

11. カラーフォーム: 単色の平面と単純な幾何学図形だけで構成

2026年のロゴデザイン: カラーフォーム: 単色の平面と単純な幾何学図形だけで構成

再配置したり、リミックスしたり、際限なく洗練させるアプリが登場する以前、光沢のあるボードに張り付き、決して形を変えようとしない薄いビニール製の図形がありました。

1950年代初頭、ニューヨークで二人のアーティストが後に「カラーフォーム」と呼ばれるものを偶然発見しました。単色の平面と単純な幾何学図形だけで構成された、小さなゲームでした。円、楔形、長方形。説明書もなければ、正解もありません。ただ組み立てて、分解して、また試してみるという誘いがあるだけのゲームです。そして、いつしかそのアイデアはわたし達の中に生き続け、成長し、名刺を手に入れ、会議室での振る舞いを学びました。

そして現在、再び注目を集めているものは、まさにその論理への回帰と言えるでしょう。デザイナーたちは必要最小限の幾何学的なパーツでデザインし、意図を持って組み立ててられてはいるものの、決して作り込みすぎることのないデザインを生み出しています。これらのデザインは、限られた形状の組み合わせに依存しており、構図に息吹きを与えるために、意図的に設けられたネガティブスペースの通路によって、各要素が適度に隔てられていることがよくあります。

多くの場合、それらのパーツはモノグラムや抽象化された文字の形に収束し、システムを固定しすぎることなく、ちょうどよい安定感を与えています。また、色彩が重要な役割を担っており、カラーパレットは幅広く、楽観的で、遊び心さえ感じさせます。その結果、ある種の視覚的な誠実さが生まれています。テクスチャや装飾で隠す余地はないため、アイデアはそれ自体で成立しなければなりません。これは明快さを備えた言語であり、単純な形が組み合わさることで、より大きな何かを暗示しつつ、決して単一の硬直した解釈に縛れることはありません。

もしこの一連のデザインがモダニズムの巨匠が密かに賛同したかもしれないと感じるなら、彼がすでに賛同していたことを指摘しておく価値があります。カラーフォームのロゴそのものは、Paul Randによるものです。つまり、このおもちゃとそこに込められた思想は、最初から同じ言語で語り合っていたのです。

12. クワッド・クイバーズ: 意図が込められた4つの矢印を収納

2026年のロゴデザイン: クワッド・クイバーズ: 意図が込められた4つの矢印を収納

「Quad: クワッド」という言葉は、単に4つを表現する言葉だと思われがちですが、その語源は「Quadrus(正方形)」に遡ります。

「クワッド」に矢を束ねて収納する「クィバー」を組み合わせると、このトレンドはほぼ必然的なもののように感じられます。4つの方向性を示す要素がコンパクトな正方形の容器に収納され、それぞれに意図が込められています。「ダブルQ」のタイトルが醸し出す静かな満足感も無視できませんが、それはあくまでおまけに過ぎません。重要なのはその構造です。デザイナーたちは方向性を示すもっとも直接的な手がかりである「矢印」を対称的なクラスターに配置したコンパクトなシステムを構築しており、収束感と活力の両方を兼ね備えたマークを生み出しています。

これらのマークの興味深い点は、構図が単一の解釈を拒むことです。一見すると、共通の目標に向かって収束する複数の力が整列しているように見え、組織の焦点に対する整然とした視覚的メタファを思わせます。しかし、注意深く見てみると、印象は一変します。同じ矢印たちがまるで主役の座を争い、協力するどころか衝突しているかのように感じられます。バリエーションによっては、完全に秩序を破り、より良い道を見つけたかのように、あるいは合意を待たずに自ら行動を起こすかのように、外側へと向きを変えているものもあります。

矢印は常に方向を示す略記号として使われますが、ここではシステム内の人々、取り組み、あるいは競合する優先事項の代弁者として使用されています。正方形のフォーマットは、そうした緊張感を簡潔かつ非常に読みやすい記号として凝縮しています。組織がどのように連携して行動するのか、あるいはしないのかについて驚くほど複雑な物語を内包した小さな容器です。

13. オープンアクシス: これまでは異なるアスタリスクの使い方

2026年のロゴデザイン: オープンアクシス: これまでは異なるアスタリスクの使い方

アスタリスク(*)はここ数年、大活躍を築いてきました。かつては目立たない脚注の記号に過ぎませんでしたが、ここ10年で一気に脚光を浴びるようになりました。その役割は拡張され、本来の用途をはるかに超えた意味を持つようになりました。

現在のアスタリスクの役割は、融合、繋がり、そして多方向的な思考の代名詞です。そして興味深いのはデザイナーたちが単にアスタリスクを改変するだけでなく、リバースエンジニアリングをしている点です。星形を起点として形を変えるのではなく、矢印や翼、そして枝といった他の形をアスタリスクの挙動に呼応するように配置しています。その結果、シンボル自体がまったく新しいものであっても、なじみ深い印象を与えています。

アスタリスクの新しい展開を特徴づけるのは、緊張感です。これらのマークで共通しているのは、軸に沿って配置されながらも、接触寸前で浮遊しています。まるで磁石の同じ極が違いに反発しあうように、明確な押し引きの力が働いており、わずかなすき間が物語りを紡ぎます。このわずかなすき間は偶然の産物ではなく、意図的なものです。一体感を暗示しつつも個性を保ち、「ほぼ」の瞬間を生み出しています。

放射状の論理と暗示された収束にアスタリスクの遺産は今も残っていますが、現在は抑制というフィルタが通されています。これらは爆発的なつながりではなく、制御された近接関係です。そして、形と形の間の狭いすき間の中で、デザイナーたちは新たな種類のエネルギーを見いだしています。それは接触に基づくものではなく、まさにこれから起こるであろうことへの緊張感に基づくエネルギーです。

14. フェイザー: 循環を表現した異なるアプローチ

2026年のロゴデザイン: フェイザー: 循環を表現した異なるアプローチ

わたし達は、ぐるりと循環するマークに慣れ親しんできました。円を描くように色が変化したり、グラデーションが自らを追いかけるように動いたり、要素が予測可能なループで拡大縮小する様子を想像してみてください。それらは動きを暗示していますが、多くの場合、滑らかなぼやけた動きで、物語というよりは単なる暗示に留まっていました。

しかし、現在登場しているマークは、全く異なるアプローチです。デザイナーたちは動きを滑らかに融合させるのではなく、それを分解し、パラパラマンガのように、一連の動作の各段階を明らかにしています。思わず二度見してしまうような動きです。回転はもはや連続的なものではなく、段階的に構成されています。最終的な結果を見るだけではなく、意図的な動きが一つずつ展開していく過程を目の当たりにします。

こうした表現は、まるで手品をスローモーションで見せてもなお拍手喝采を浴びるマジシャンのようです。個々の要素は回転したり、旋回したり、位置を変えながら、ある種の自信に満ちた透明感をもってその段階を露わにします。一つひとつの形自体は平面的でシンプルですが、その動きの構成が奥行きを与えています。重要なのはスピードではなく、精度です。

各構成要素はパフォーマンスの最中に捉えられ、過去と未来のバランスを保っています。そのシーケンスによって、より豊かなストーリーテリングが可能になります。単一のループは基本的なサイクルを示唆するかもしれないし、プロセスや変容といったはるかに複雑なものを描きだすこともできます。優れたシステムと同様に、一度リズムが確立されると、それは信頼できるものになります。次に何が起こるか分かることが信頼です。これらのマークは単に動くだけでなく、それを証明するものです。

15. トライアングルリンク: デザイナーにとっての鬼門「三角形」

2026年のロゴデザイン: トライアングルリンク: デザイナーにとっての鬼門「三角形」

三角形はデザイナーにとって厄介な存在です。鋭角すぎたり、警告的すぎたり、合流する車線や差し迫った危険を警告するような印象を与えるからです。

長年にわたり、三角形にはそうした負のイメージがつきまとっていました。上向きか下向きか、それとも右か左か、カセットテープを巻き戻す時以外は三角形を置くなど考えられませんでした。そんな中、より楽観的な兄弟分である「再生ボタン」が登場しました。この前を向く姿は、この形に再び存在する理由を与えてくれたのです。感情表現の幅が広いとは言えませんが、デザインの世界で生き残るには十分な要素です。いつしか、わたし達は三角形にもう一度チャンスを与えようと決意しました。三角形も静かに名誉挽回の機会を待っていたのかもしれません。

今回の三角形は、単一の巨大な形として現れるのではなく、3つの異なる要素が連携して一つのシステムを形成しています。それぞれの要素は独自の重みを持ち、全体はもっとも弱い要素の強さによって決まります。たとえば、ポリシー、プロセス、人材の組み合わせを想像してみてください。あるいは、お好みの3つの要素でもよいです。デザイナーたちはこの物語を積極的に取り組み、構成要素を同じくらい繋がりが重要なマークを生み出しています。

ここにはちょっとした皮肉も込められています。三角形はかつて視覚的に不安定に感じられたかもしれませんが、構造的にはもっとも信頼できる形状の一つで、正方形が到底真似できないほどの圧力に耐えることもできます。ごくありふれた三本足の椅子でさえ、そのことにずっと以前から気がついていました。でこぼこの地面でも支点が3つあれば、ぐらつくことなく、地面にしっかりと安定します。これらのマークもまさにその論理に基づいています。バランスが取れており、相互に依存し合って、かつての危険標識の時代からははるかに進化したことを自覚しています。

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