広告の制作で注意すべき細かいポイントまでよく分かる! 制作者として消費者としてもしっかり読んでおきたい -景品表示法 超入門
Post on:2025年1月17日
※本ページは、アフィリエイト広告を利用しています。
景品表示法って聞いたことがあるけど、自分には関係ないかなと思った人はちょっと待ってください。バナーやランディングページで「今なら配送料無料」「通常10,000円のところを今だけ9,000円」、また「全品半額」と書いてあるのに下に小さい文字で「1万円以上の商品が対象」とあるなど、景品表示法の違反になることがあります。
事業者として、制作者として、そして消費者としても知っておきたい、改正された景品表示法の入門書を紹介します。
最初に手に取ったときは、私には関係がないかなと思ったのですが、これが間違いでした。ステマやアフィリエイトやダークパターンなど、事業者だけでなく、広告を制作する制作者、そしてその広告を目にする消費者としても一読しておくべき本でした。
Kindle版も同時発売されています!
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
2023年10月1日にステマ規制が開始された以降、多くの企業がこのステマ規制で処分されています。また、2024年10月には確約手続/罰則の導入等の改正法が施行され、各企業はリスクマネジメントの観点から重要視しています。
景品表示法とは、商品やサービスを不当表示したり、不当な景品類を禁止することで、消費者が自主的かつ合理的な選択をできるようにするものです。たとえば、「ギガ使い放題」と書いてあるのに実際には通信制限がかかっていたり、ウイスキー購入の景品がハワイ旅行だったり、があります。
景品表示法を違反した場合、消費者庁から行政処分が科され、行政処分は公表を伴うので、メディアなどで報道により企業に対する信用が大きく失墜する可能性があります。さらに、その商品やサービスの返金請求、取引先からの取引停止や損害賠償請求、金融機関からの融資の引き上げ、株価の下落などに繋がった事例もあります。
不当表示は、大きく分けて3つの類型があります。「優良誤認表示」は、著しく優良であると消費者に誤認される表示のことです。たとえば、国産ブランド牛ではないのに「国産ブランド牛肉!」と表示したり、痩せる効果の裏付けとなる合理的な根拠資料がないのに「楽に痩せる!」と表示することです。
「有利誤認表示」は、価格などの取引条件について著しく有利であると消費者に誤認される表示のことです。たとえば、「他店よりも安くします!」と表示してあるけど実際には安くない商品があったり、「今なら送料無料キャンペーン」と表示してあるけどキャンペーン終了後も送料無料であったりなどです。
3つ目の「指定告示に関わる表示」は、優良誤認表示と有利誤認表示に該当するか明確ではないが、消費者の適正な選択を阻害するおそれがある表示について内閣総理大臣が不当表示と指定するものです。たとえば、商品の原産国を不当に表示したり、無果汁の清涼飲料水に果汁が入っているかのように表示したりなどです。
不当表示の3つの類型にある「著しく」は、消費者が基準になります。一定程度の誇張があることは消費者も分かっているため、広告に少しの誇張があっても不当表示にはなりません。「著しく」というのは法律で定義されており、「社会通念上許される程度を越えたもの」になっています。たとえば、料理の写真を発色良くツヤツヤにしても大丈夫ですが、和牛ではないのに和牛と書いてあったり、化学合成されたビタミンなのに植物由来のビタミンと書いてあるなどが「著しく」に該当該当します。この線引きは、制作者としても知っておいて注意したいですね。
強調表示や打ち消し表示も注意が必要です。強調表示とはたとえば、クリーナーで「あっという間にきれいになります」と書いてあるものです。その下に小さい文字で「浅いキズを修復するための商品です。下の塗装まで達しているキズには使用しないでください」と書いてあるのが打ち消し表示です。この場合、打ち消し表示として記載されている内容が、強調表示と矛盾しています。強調表示のみで商品やサービスを消費者が正しく認識できるようにすることが原則です。
他にも、期間限定のキャンペーンと表示されているのに期間が延長されたり、繰り返し期間限定のキャンペーンが行われ続けたりするものは、有利誤認表示に該当するおそれがあります。また、広告主が自らの広告であることを隠したまま行うと、ステマ規制の要件に該当します。ブログなどでアフィリエイトするときに「アフィリエイト広告を利用しています」と明記されていない場合もこのステマ規制の対象です。
景品規制も知っておいて損はないでしょう。商品やサービスの購入を促すために提供する景品にも法規制が定められています。たとえば、「10,000円分購入したらギフト券を1,000円分プレゼント」みたいなのを見たことがあるかもしれません。購入者全員に提供する場合、くじなどで偶発的に提供する場合など、それぞれのケースで上限となる額が定められています。
本書のメインは景品表示法の解説ですが、景品表示法に違反した場合というのも詳しく解説されています。ネットやテレビのニュースで見かけたことがあると思いますが、かなり厳しい行政処分を科せられます。もちろん罰せられるのは事業者ですが、制作者としてもし気がついたら事前に対応するなどできることもたくさんあります。
改正 景品表示法 超入門の目次
改正 景品表示法 超入門の目次
改正 景品表示法 超入門の目次
景品表示法について、なんとなくは知っていましたが、こうして本を読んで学ぶと、よくは知っていなかったなと思いました。似たような事例を目にしたことも多く、知らなかったでは済まされないことばかりです。バナーやキャンペーンページを作成するとき、そして消費者としても読んでおくことをお勧めします。
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