クリスタやPhotoshopで、イラストの繊細な色表現のテクニックを身につけたい人にお勧めの解説書 -デジタルスケッチ入門
Post on:2024年2月16日
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「お料理本?」と思うかもしれませんが、ではありません。下記はPhotoshopで描かれたもので、PhotoshopやクリスタやProcreateなどのデジタルツールで絵を描く解説書を紹介します。
日常にあるものを描きながら、デジタルでのお絵描きがより上手くなりたい人、デジタルで繊細な色表現ができるようになりたい人に特にお勧めです。
著者の長砂 ヒロ氏はコンセプトアーティストとして、アニメ『SPYxFAMILY』オープニング、『呪術廻戦』、ポケモンオリジナルアニメ『薄明の翼』などに参加しており、そんな著者による『僕が個人的に誰かに技術、知識を渡せる機会は限られています。』という一冊です。
本書は、今週発売されたばかり!
Kindle版も発売されています!
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
絵を描くためのデジタルツールは、特に制限はありません。デスクトップのパソコンでもタブレットでもスマホでも大丈夫です。また、ソフトもPhotoshopでもクリスタでもProcreateでもそれ以外でも大丈夫です。
本書で主に使用されているのはPhotoshopですが、基本的な機能しか使用していないので、大丈夫だと思います。レイヤー、マスク、クリッピングマスク、ブラシ、描画モードなど、さまざまなソフトで使用できる機能です。
では、さっそく本書のメイン、デジタルスケッチを見てましょう。
特別に許諾を頂いたので、Chapter 1にあるレモンのチュートリアルの全ページを掲載します。
ステップごとに詳しく説明されており、どういった意図があってそれを行っているかなどもていねいに解説されています。たとえば、最初にベースの色をグレーにしているのは、「これから光と影を描き入れていくので、明るくも暗くもできる中間の明度の色を置きます。」という感じです。
本書はコラムも充実しています。各チャプターごとに1つ2つのコラムがあり、表現のバリエーションやさまざまなテクニックを学べます。
チャプター2は、「白いものは白色で描けない」上記のレモンもそうでしたが、陶器の白もすべてを同じ色で描くことはありません。立体物を描くときには、光源があり、光が当たっているところ、影になっているところ、さらには環境光と室内灯の違いなど、複雑な色の表現が必要になります。
次のチャプターでは、暖色と寒色を意識して2種類のぶどうを描きます。ここで大事なポイントになるのは、絵は全体像であることです。それぞれ固有の色を主張しすぎてしまうと、バラバラになってしまい、一枚の絵として成り立ちません。
チャプター4は、ハイライトの秘密。表紙にもなっている生卵の絵ですが、本当に美味しそうですね。こんな絵が描けるようになったら、楽しくなりますね。
チャプター6では、これまた美味しそうなスイカの絵を描きます。光を透過している物体は彩度が高く見えるので、スイカの内部の色をより鮮やかに描きます。
最後のチャプター8は、囓ったパンを描きます。この少し囓られた跡があることで、これは誰かに食べられたパンだなと過去の出来事を想起させます。時間が流れていく中の瞬間を切り取ることができるのも絵を描くことの楽しさの一つですね。
デジタルスケッチ入門の目次
デジタルスケッチ入門の目次
デジタルスケッチ入門の目次
巻末にはギャラリーとして、著者のアートワークが多数掲載されています。本書は「入門」とありますが、完全に初心者向け(線1本の描き方から学ぶようなもの)ではなく、PhotoshopやクリスタやProcreateのどれかで何となくはできるけど、思っていたような絵が描けない、色の表現がうまく出来ない、そんな絵が上手になりたい人向けの解説書です。
献本の御礼
最後に、献本いただいた技術評論社の担当者さまに御礼申し上げます。
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