Macでフォント管理におすすめのアプリ「Typeface App」、M1/M2完全対応、強力なフォント管理機能を備えた優れもの
Post on:2023年3月2日
M1/M2のmacOSでフォント管理におすすめのアプリ「Typeface App 3」を紹介します。Appleシリコンをネイティブサポート、macOS Ventura対応、フォントを1クリックで有効化・無効化でき、強力なフォント管理機能を備えています。
さらに、有効化していないフォントでもすぐに使用できる一時的アクティベーション、非アクティブフォントの自動アクティベーションといった神機能もあり、かなりおすすめのアプリです。
私は今までFontExplorer X Proを使用していたのですが、2022年6月に終了となり、macOS Venturaにアップデートしたら動作しなくなってしまったので、「Typeface App」に変更しました。これが想像以上に快適で、もっと早くから導入しておけばよかったと思います。
Typeface App - Font Manager for Mac
- Typeface Appとは、特徴と仕様
- Typeface Appのダウンロードとインストール
- Typeface Appの試用版と購入方法
- Typeface Appの使い方
- Typeface Appの便利な機能
Typeface Appとは、特徴と仕様
「Typeface App」はmacOS Ventura対応、Appleシリコンをネイティブサポートのフォント管理アプリです。
シンプルなインターフェイスで快適に動作し、フォントを1クリックで有効化・無効化できます。強力なフォント管理機能を備えており、たくさんのフォントでも簡単に管理できます。
Typeface Appのインターフェイス(ライトモード・ダークモード)
- Appleシリコンをネイティブサポート。
- macOS Ventura対応(macOS 10.15以降)。
※古いmacOS用に旧バージョンをDownloadsからダウンロードできます。 - .ttf、.otf、.dfont、.ttc、PostScript Type 1をサポート。
※PS1フォントはmacOS(Catalina以降)でのサポートが完全ではありません。Adobeのサポートも終了することが発表されました。 - フォントは1クリックで有効化・無効化できます。
- フォントのアクティベーションは、永続・一時的・自動の3種類。
- デザインのワークフローが改善される「フォント スイッチ」機能
※主要なデザインアプリはほぼすべてサポート、神機能です(後述)。 - フォントの管理は、タグで行います。タグは非常に柔軟で使いやすく、ネスト・結合・反転・フィルタができます。
※タグはjson形式でエクスポートし、バックアップできます。 - フォントのライブラリは、Dropbox、Googleドライブ、共有ネットワークフォルダなどで、複数のMac間でフォントの同期が可能。
Typeface Appのダウンロードとインストール
「Typeface App」は下記ページからダウンロードできます。
Typeface App - Font Manager for Mac
上部の「Download」をクリックすると、.dmgファイルがダウンロードされ、ダブルクリックして指示通りにするとインストールが完了します。
Typeface Appの試用版と購入方法
「Typeface App」は有料のアプリで、15日間の無料試用期間があります。試用版は有料版と同じで、フル機能で使用できます。
2023年現在、有料版の価格は5,524円くらい(為替で変わります)。
料金形態は少し変わっていて、一度購入すれば永久に使用できますが、Pro機能のアップデートが12ヵ月分となっています。12ヵ月後はアップデートなしで使用するか、必要に応じたタイミングで延長する形になります。サブスクではなく、アップデートにお金がかかるという感じです。
ライセンスの延長とは、サブスクとの違い
期間が終了すると、サブスクリプションの場合はアプリを使用できなくなりますが、「Typeface App」はアップデートがないだけでアプリは使用できます。延長料金は、延長が早ければ早いほど安くなります。
ライセンスは1人のユーザーに対して有効で、1人が所有しているMacであれば何台でも使用できます。
ライセンスの購入、および詳しくは下記ページをご覧ください。
支払いは各種カード、PayPalに対応しています。
Webストア版とApp Store版の違い
上記がWebストア版で、AppleのApp Storeでも購入できます。機能的な違いはなく、両方ともサンドボックス化され安全に使用できるとのことです。Webストア版の方が更新が少し早いらしいので、私は上記のWebストア版を購入しました。
有料版購入後、ライセンスの認証方法
支払いが完了すると、ライセンスファイルが添付されたメールが届きます。試用版をダウンロードしてインストールした後に、ライセンスファイルをダブルクリックすると、アプリに登録されます。
※App Store版は、ライセンスファイルは不要。
Typeface Appの使い方
「Typeface App」の使い方は、簡単です。
インターフェイスがシンプルなので、操作は簡単だと思います。
まずは、基本のインターフェイス。ライトモードとダークモードに対応しており、ここではダークモードで表示しています。
インターフェイス
サイドバーとメインパネルがあり、サイドバーにはタグの一覧、メインパネルにはフォントが表示されます。サイドバーはメインパネル上部のアイコンで折り畳みができます。折り畳んでも上部のアイコンからタグにアクセスできます。
フォントのプレビュー
各フォントのプレビュー(abc ABC 美しい日本語)のテキストは、変更できます。また、サイズなども簡単に変更できます(後述)。
フォントのインポート、登録方法
「Typeface App」にフォントをインポート、登録するのは簡単です。インポートする場所を選択すると、一括でフォントをすべてインポートできます。また、フォントファイルをFinderからドラッグアンドドロップしてもインポートできます。GoogleフォントやAdobeフォントにも対応しており、すべてが自動的に同期できます。
また、FontExplorer XやSuitcase Fusionからの移行もサポートしています。
フォントのタグ
「Typeface App」の大きな特徴の一つが、タグです。タグはメニューまたはサイドバーから作成でき、フォントはタグをつけて管理します。
- フォントを右クリックして「Tags」を選択
- フォントをサイドバーのタグにドラッグ
タグは複数のタグをつけることもでき、ネストで親子関係を与えて組織構造を作成することもできます。このタグはフォントを検索するときに便利で、タグで検索したり、複数のタグでフィルタリングしたり、タグを反転することもできます。反転はたとえば、システムフォントではないとかができます。
フォントにつけたタグは、エクスポートしてバックアップもできるので、いざという時に安心です。
フォントの有効化・無効化
フォントを有効化・無効化するには、複数の方法が用意されています。
- フォントの左上のアクティベーションアイコンをクリック
- フォントを右クリックして「Activate」を選択
- サイドバーのタグを右クリックして「Activate」を選択
- キーボードショートカット(command + ;)
有効化されたフォントは、デザインアプリやテキストエディタなどを再起動すると使用できるようになります。さらに、「フォント スイッチ」機能して再起動なしで各アプリで使用することもできます(後述)。
すべてのフォントを有効化しないのはなぜ?
デザインアプリのフォントリストのサイズが大きくなるからです。使用したいフォントを探すのが、非常に面倒になります。また、有効化されたフォントはシステムリソースを使用するので、フォントが多いほど動作が遅くなります。
フォントのクイックコレクション
フォントのクイックコレクション
よく使用するフォントは、クイックコレクションが便利です。
クイックセレクションは、フォントの一時的なワークスペースです。フォントをクリックセレクションに登録するには、3つの方法があります。
- プレビューの右下にあるコーナーをクリック。
- commandキーを押しながらフォントをクリック。
- フォントにQuick Collectionタグを付与。
また、ツールバーの「Grid Option」から「Click to Collect Fonts」をオンにすると、フォントをクリックするだけで登録できるようになります。
クイックコレクションをクリアするには逆の操作をするか、ツールバーの「Quick Collection」を右クリックして「Clear Quick Collection」を選択します。
フォントをファミリーごとにグループ化
フォントをファミリーごとにグループ化することも簡単です。上部の「Group by Family」を選択するだけで、ファミリーごとにフォントのプレビューを表示します。ファミリー内のフォント数は、右上にアイコンで表示されます。
Typeface Appの便利な機能
「Typeface App」には、たくさんの便利な機能があります。まずは、後述だった「フォント スイッチ」機能。
フォントの有効化は通常、デザインアプリを再起動しないとフォントを使用できませんが、「フォント スイッチ」は有効化していないフォントでもすぐに使用できるようになります。
「フォント スイッチ」機能
やり方は簡単、デザインアプリに「Typeface App」からフォントをドラッグすると一時的アクティベーションになり、すぐに使用できます。
「フォント スイッチ」機能の対応アプリは、下記の通り。
「フォント スイッチ」機能対応のアプリ一覧
手動でフォントを有効化したり、フォント名を調べたり、面倒なフォントピッカーと格闘する必要はなくなります。
非アクティブフォントの自動アクティベーション
「フォント スイッチ」機能も神機能ですが、この機能も神機能です。
「Typeface App」の設定で「Automatic」をオンにすると、自動的にフォントの有効化をしてくれます。たとえば、Photoshopなどで非アクティブフォントが使用されたファイルを開いたときにそのフォントを自動的に使用できます。
これでたまにしか使用しないフォントは、常に非アクティブにすることができます。そのフォントを使用したファイルを開いても「Typeface App」が自動的にアクティベーションしてくれます。この機能はPhotoshop、Sketch、Affinity Designer、Pages、Keynoteなど、バックグラウンドでシームレスに機能します。
フォントの外観
フォントをいろいろな角度から表示して、どのフォントが適しているか探すときに便利な機能も備えています。フォントを右クリックして「Preview」から、フォントのベースライン、x-height、cap-heightを表示でき、フォントをアウトラインで表示することもできます。また、表示しているテキストは、文字の変更、サイズ変更、トラッキングやスムージングの変更も簡単にできます。
フォントの詳細パネル
フォントの詳細パネル: 可変フォント
フォントをクリックすると、さらに詳細な情報が表示されます。
- Characters: 字形一覧
- Text: フォントの表示見本
- Features: OpenTypeフォントの機能
- Variables: 可変フォント
- Info: フォント情報
フォントの表示見本はフォントを使用した本文テキストのレイアウトが表示され、独自の書式(日本語対応、サイズ・行間調整、カラム)にすることもできます。OpenTypeフォントの機能(合字・代替文字・分数など)もすべて表示され、ユニコード文字も表示されます。可変フォントもサポートされており、CSS値を簡単にコピペで利用できます。
カラーフォントをサポート
カラーフォントもサポートされており、美しいフォントがすべて表示されます。
フォントの比較
フォントの比較
フォントの比較もできます。一つのフォントとフォント一覧で比較したり、1対1でフォントを比較できます。フォントを右クリックして「Compare」を選択すると、指定したフォントと比較できます。上記は、HelveticaとArialの比較。「R」の違いが特徴的ですね。もちろん、日本語フォントでも比較できます。
目的のフォントを探す
フォントを探すときも「Typeface App」は、簡単に見つかります。フォントの名前が分かっていれば、左上の検索窓から検索できます。フォント名を検索するだけでなく、タグを追加して検索したり、フォントメーカーやデザイナーで検索することもできます。
さらに、検索フィルタパネルを使用すると、プロパティに基づいて検索できます。たとえば、フォントの太さ、フォントの幅、x-height、合字、代替文字といった条件にあったフォントが見つかります。また、言語フィルタを使用すると、特定の言語をサポートするフォントも見つかります。
指定したフォントのコレクションをPDFにエクスポート
フォントの一覧を紙にプリントしたいときは、PDFにエクスポートすることもできます。表示されているテキストは、自由に変更できます。
同じファミリ名だけど別のファウンドリによって作成されたフォント
Helvetica, DIN, Futuraなど、同じファミリ名が使用されているけど別のファウンドリによって作成されたフォントがあります。これらのフォントをグループ化することは意味がないため、「Typeface App」では正しくグループ化されていないフォントを正しく編集することができます。手動でグループ化するだけでなく、自動でフォントのメタデータを元に結合と分割をすることもできます。
システムフォントの整理、Noto Sansフォントの削除
デザインアプリでフォントを一覧するとNoto Sansがたくさんあり、びっくりするかもしれません。これはNoto Sansがたくさんの言語をサポートしているためで、かなりの数のフォントがシステムに入っています。
また、フォントが重複していて不必要なフォントがインストールされているかもしれません。「Find Duplicates」から重複フォントを効率的に見つけて、簡単に削除できます。
macOS Venturaでは、補助的なシステムフォントを無効化にすることができなくなりましたが、Ventura以前であればシステムフォントを無効化できます。詳しくは、下記をご覧ください。
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