欧文書体の正しい使い方を学ぶのに最良の解説書! デザインでフォントを使うときに役立つ知識やテクニックをかなり詳しく解説 -欧文書体 基礎知識と使い方

※本ページは、アフィリエイト広告を利用しています。

絶対手元に置いておきたいデザイン書は、何冊くらい持っていますか?

私も何冊かそういった本を大切にしていますが、今回紹介するデザイン書もその中に加わった一冊です。デザインの現場で活躍するプロのデザイナー向けに、デザインでフォントを使うときに役立つ知識やテクニック、上級者向けの欧文組版などについてかなり詳しく解説した良書を紹介します。

日本における欧文書体設計の第一人者である小林 章氏の久方ぶりの新刊で、欧文書体を使うすべての人に必要な知識と使い方を詳しく解説した一冊です。

本書は発売されたばかりですが、書店で見つけるのはかなり難しいと思います。

欧文書体 基礎知識と使い方

本書は2005年に発売された『欧文書体』に『欧文書体2』の内容を追加して、全面改定された新刊です。この20年間でアップデートされた情報も追加されており、OpenTypeに対応した最新情報も盛り込まれています。

欧文書体を扱うデザイナーをはじめ、フォントの制作者、フォントが大好物な人、フォントの知識欲がある人、文字組について学びたい人にお勧めします。

欧文書体 基礎知識と使い方

欧文書体 基礎知識と使い方
ISBN 978-4-909718-14-3
[Amazonでみる]
[楽天でみる]

著者: 小林 章
出版社: Book&Design
発売日: 2025/5/1

本書はAmazonでも楽天でも購入できますが、Amazonの場合は出荷元がトランスビューになっているのを確認してご購入ください。詳しくはBook&Designの書籍ページをご覧ください。

版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。

紙面のキャプチャ

著者の小林 章氏を簡単に紹介すると、「Monotype社のクリエイティブ・タイプディレクターとして、書体設計の指揮や、Optimaなど名作書体の改刻を手掛けている。写研出身で、のちにヒラギノ明朝やAXIS Fontの欧文を設計した。日本における欧文書体設計の第一人者である。」(Wikipediaより)。

他にも、Neue Frutigerに合うよう開発された「たづかね角ゴシック」の欧文、DINのウェイトが豊富にある「DIN Next」など、数多くの書体があります。

本書はそんな氏による欧文書体の基礎知識と使い方、ローマン体の形の理由からフォントの効果的な使い方、組み方の基礎まで詳しく解説したものです。

紙面のキャプチャ

全6章構成で、第1章は「文字のなりたち」左ページ下の4つの丸は、左から正円・Avenir Nextの「O」、Futuraの「O」、Gill Sansの「O」ですが、Futuraのような幾何学的な書体でも大文字の「O」は正円ではありません。正円だと目の錯覚で横方向の線が太く見えるため、書体では横方向の線の方を細くします。また、他の文字と並べた場合に同じ大きさに見えるよう、右ページの「HOHOA」のように「H」よりも「O」の方が少し上下に大きく設計されています。

紙面のキャプチャ

第2章は「欧文書体を知る」書体に関する用語解説、定番の欧文書体、組版ルールについて。フォントデザイン用語が分かるようになると、フォントについて見る目もだいぶ変わると思います。

紙面のキャプチャ

「頼りになる定番書体」は10ページに渡って、書体見本と合わせて書体の特徴も解説されています。

紙面のキャプチャ

先日、Adobe Fontsに定番の英語フォントが大量追加され、本書で紹介されているフォントもたくさんあります。

紙面のキャプチャ

また、書体には似た名前の書体もあり、どれを使えばよいのか迷うことはありませんか? たとえば、右ページのHelveticaだと、Neue Helvetica、Neue Haas Helvetica、Helvetica Nowなど、そのフォントが制作された経緯や特徴などが詳しく解説されています。

紙面のキャプチャ

第3章は「欧文書体の選び方」どういう雰囲気を演出したいかによって使用する書体は重要です。左上から「高級感を演出する書体」「親近感を演出する書体」「食欲をそそる書体」「信頼感を伝える書体」で、それぞれ複数ページに渡り書体の特徴と使い方のコツが解説されています。

紙面のキャプチャ

たとえば、「高級感を演出する書体」では、Trajanです。ゴディバのロゴ(最近はセリフなしに)や映画「タイタニック」のタイトルなどに使用されています。高級感を演出するためには、ゆったり組むと風格が出ます。

紙面のキャプチャ

手書きフォントを使うときは、OpenTypeのフォントを使うとより手書きっぽく見せることができます。左はOpenTypeの機能をオフにしたもの、右はオンにしたもので、「on」の間が自然な感じで繋がっているのが分かると思います。

紙面のキャプチャ

第4章は「欧文書体の楽しみ方」ここでは上級の組版ルーツやデザインへの応用方法が詳しく解説されています。

紙面のキャプチャ

第2章でレタースペーシングとカーニングの基本を学びましたが、第4章ではより実践的なテクニックを学びます。

紙面のキャプチャ

最後の第5章は「欧文書体のつくり手から」この章はまさに著者ならではの醍醐味です。また、巻末解説には、DIN NextのMidiumのフォントに膨れているグリフ一覧やどのような背景があるのかなどが分かります。

欧文書体 基礎知識と使い方の目次

欧文書体 基礎知識と使い方の目次

欧文書体 基礎知識と使い方の目次

フォント、特に欧文書体の奥深さが堪能できる一冊です。デザインの成り立ち、組み方、デザインでの効果的な使い方、どういう雰囲気を出したいかでの書体の使い分け方など、プロのデザイナーに役立つ欧文書体の知識とテクニックを学べます。

欧文書体 基礎知識と使い方

欧文書体 基礎知識と使い方
ISBN 978-4-909718-14-3
[Amazonでみる]
[楽天でみる]

著者: 小林 章
出版社: Book&Design
発売日: 2025/5/1

献本の御礼

最後に、献本いただいたBook&Designの担当者さまに御礼申し上げます。

当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。

sponsors

top of page

©2025 coliss