こんなデザイン書を待っていた! 日本語フォントを使ったデザインの基礎知識と実践テクニックがしっかり学べる解説書 -タイポグラフィが上手くなる本
Post on:2023年8月25日
デザインにおける文字の使い方、特に日本語フォントについて書体の選び方、文字組、レイアウトの知識とテクニックを、プロが現場でクオリティを上げるためにどうしているか詳しく解説した永久保存版のデザイン書を紹介します。
本書は日本語のタイポグラフィに特化された解説書で、ひらがな・カタカナ・漢字が扱われています。もちろん、数字や記号文字も使用されていますが、英語に関してはほぼありません。
著者は、文字にこだわりがあるデザイン会社「株式会社そうさす」ロゴやCI、Webサイト、紙媒体も多数手がけているので、目にしたことがあるかもしれません。デザインの品質をあげるための文字の使い方を本書で学べます。
Kindle版も発売されていますが、本書は圧倒的に書籍版をお勧めします。
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
本書はデザイナーがタイポグラフィの楽しさを知り、グラフィックデザインの品質を上げるためのタイポグラフィの知識とテクニックを学べます。5章構成で、書体・レイアウト・文字組みについてしっかりと身につきます。
第1章は、ずばり「書体」フォントの品質を見分けるのには、2つのポイントがあります。1つは「書体の文字としての美しさ」もう1つは「フォントデータとしての品質」です。書体を見る目を養うことで、どのようなフォントを使用すればよいのかも分かるようになります。
フォントは有料・無料を含めて膨大な数のフォントがあります。フォント選びは仕事のやり方によっても変わってきますが、自分なりのフォントリストを作成しておくのも一つの手です。
右ページにある「Adobe Fontsって使ってもいい?」のように本書ではチップスやワンポイントアドバイス的なものも充実しています。
どのフォントを使用すればよいのか迷う、という人でも大丈夫です。本書ではおすすめ書体があり、その一覧からピックアップしてみるとよいでしょう。当ブログでよく使用する「TPスカイ」も一覧(右ページ上)にありますね。
かなフォントで漢字が使いたい、合成フォントって聞くけどどうするの? 合成フォントはAdobe IllustratorやInDesignで簡単に作成できます。合成フォントを使用することで、タイポグラフィの表現の幅が格段に広がります。本書では横組み用の合成フォント例、縦組み用の合成フォント例、明朝体・ゴシック体のおすすめの合成フォント例なども豊富に解説されています。
第2章は「レイアウト」グリッドシステムによる数値重視のテクニック、数値を意識しない感覚重視のテクニックを学べます。
グリッドはきっちり揃えるだけではありません。グリッドの一部を取り入れて、効率的に美しいタイポグラフィを作成することもできます。
このレイアウト編では、タイトルからレイアウトを決めるテクニック、タイトルのさまざまな配置パターンとどのような意図があるのか、タイトルを中心としてレイアウトの実例、写真やイラストを使用したテクニックなどが解説されています。
第3章は「文字組み」Webのデザイナーと紙のデザイナーで大きく違うのがココだと思います。Webのデザイナーは文字組みが苦手というか、気がついていないようにも感じることもあります。
日本語の文字組みには、2つの方法があります。1つは「升目状に揃える」もう1つは「見た目で揃える」です。升目状は文字通り升に文字を配置して揃えるテクニックで、見た目はスペーシングと呼ばれる文字同士の間隔を調整するものです。特に日本語の場合、スペーシングは文字感が均等に見えるようにするだけでなく、筆のつながりを意識して調整する方法もあります。
本書ではベタ組みのやり方、スペーシングのやり方、タイトルの組み方、漢字とひらがなの混在、英数字の混在、タイトル組みのさまざまな実例を見ながら詳しく解説されています。
第4章は「実践」として、名刺・チラシ・フライヤーをタイポグラフィに焦点を当てたグラフィックデザインの制作プロセスが解説されています。使用フォント・サイズ・行送りなどの値も細かく掲載されており、手順通りに進めると完成します。
最後の第5章では「タイポグラフィを学ぶ」として、タイポグラフィを学ぶ目的別のお勧めの書籍や用語集があります。
タイポグラフィが上手くなる本の目次
タイポグラフィが上手くなる本の目次
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フォントを使用するすべての人にお勧めできる一冊です。日本語フォントの選び方、お勧めの日本語フォント、テキストのレイアウト、画像とのレイアウト、タイトルや見出しの文字組など、フォントのデザインが楽しくなります!
献本の御礼
最後に、献本いただいた翔泳社の担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
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