マンガや同人誌など創作向けの類語辞典がおもしろい! ネットで調べてもでてこないアイデアが満載 -対立・葛藤類語辞典
Post on:2023年6月30日
当ブログでも大好評、類語辞典シリーズから新しい類語辞典が発売です!
今回は「対立・葛藤類語辞典 下巻」
上巻(紹介記事)を持っている人はもちろん、今回が初めてという人でも本書は創作に役立ちます。
対立や葛藤をストーリに組み込むことで、ストーリーに緊張感が高まり、臨場感のある作品になります。日常的なものから非日常的、簡単には体験できないようなネタが豊富に収録された新しい視点の類語辞典です。
本書は、先週発売されたばかり!
類語辞典シリーズは「感情類語辞典」「性格類語辞典」「場面設定類語辞典」「トラウマ類語辞典」と創作活動に役立つ類語辞典ばかりで、「対立・葛藤類語辞典」も辞典としてだけでなく、創作に役立つ知識やテクニックもていねいに解説されています。
類語辞典シリーズはこの最新刊を除く7種類の類語辞典が、Kindleセール中(7/12まで)です。記事で紹介しているので、ご覧ください。
あまりセール対象にならないので、お見逃しないように!
半額、半額以下になっています。
類語辞典シリーズ
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
辞典というだけあって、本書は350ページでなかなかの分厚さです。類語辞典なので、類語の辞典が本書のメインですが、冒頭の解説にはストーリーテリングにおける対立・葛藤の解説があり、非常に役立ちます。
フィクションにおいて対立・葛藤には、キャラクターvsキャラクター、vs社会、vs自然などがあります。ライバルだったり、敵対者だったり、自然の猛威に立ち向かったり、近未来だとテクノロジーや機械と対峙することもあります。そして、1つのストーリーには複数の対立や葛藤が混在することもあります。
対立・葛藤は創作において4つのレベルに分けられます。1つ目が前述のvs構図になる中心的な対立・葛藤、ほかにもストーリーレベルの対立・葛藤、場面レベルでの対立・葛藤、最後に内的な対立・葛藤があります。対立と葛藤は多層的に存在し、各シーンだけでなくストーリー全体でも複雑に組み合わせることで、豊かなストーリー構成の鍵となります。
メインの類語辞典を見てみましょう。6つの大きなカテゴリに対立・葛藤が分けられています。1つ目は「コントロールの喪失」は予期せぬ出来事によりコントロールを失ってしまうことです。
各キーワードに対して、見開きでページが構成されています。
たとえば、「引っ越さなければならない」ことは日常的にはあまりないかもしれませんが、本書にはその具体的な状況、引き起こされる問題、起こりうる悲惨な結果、その結果から生じる感情、ポジティブな結果などが掲載されています。
これだと文字が読めないので、もう少し大きな画像で見てみましょう。
「引っ越さなければならない」の左ページです。「具体的な状況」を読むと、確かにそんな状況にあれば引っ越すのが必然に感じられます。また、想像もしてなかった状況もあるかもしれません。
「引っ越さなければならない」の右ページです。「起こりうる内的葛藤」「状況を悪化させうるネガティブな特性」「基本的欲求への影響」「承認・尊重の欲求」「帰属意識・愛の欲求」「安全・安心の欲求」「対処に役立つポジティブな特性」「ポジティブな結果」さらに操られることに対して掘り下げることができ、空白部分には自分で書き足していってもいいですね。
カテゴリは他にも「権力闘争」「優位性の喪失」「エゴにまつわる対立・葛藤」「危険と脅威」「その他の困難」があります。
巻末には付録として、外的要因と内的要因を考えながらキャラクターのゴール(G)とモチベーション(M)とコンフリクト(C)、そしてステークス(S)を整理するためのチャート式のツールが用意されています。印刷用はサポートサイトからダウンロードできます。
対立・葛藤類語辞典 下巻の目次
対立・葛藤類語辞典 下巻の目次
対立・葛藤類語辞典 下巻の目次
対立・葛藤類語辞典 下巻の目次
上巻を持っている人はもちろん、持っていない人でも十分楽しめる類語辞典だと思います。とは言え、どちらかしか持ってないともう一冊も欲しくなるでしょう。
類語辞典としてはもちろん、想像力を刺激する読み物としても楽しめます。本や漫画で読んだことがある、ドラマや映画で見たことがある、そんなシーンも数多くあると思います。今までに経験したことのない出来事がたくさんあり、引き出しを増やすためにぴったりの一冊です。
献本の御礼
最後に、献本いただいたフィルムアート社の担当者さまの担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
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