こういうデザイン書が欲しかった! 不易流行、日本の伝統デザインについて深くふかく学べるデザイン書 -伝統デザインのはなし

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不易流行とは松尾芭蕉による哲学で、変わらない本質的な価値(不易)を大切にしながら、時代に応じて変化するもの(流行)を取り入れるという、相反する2つが備わることで新しい価値を生み出す、普遍の真理です。

デザインにも通じるものがあり、昔ながらのデザインを大切にしつつ、現代的なデザインを取り入れることで、よりよいデザインに発展します。

想像力をかきたてる「余白の美」、しなやかな「曲線」、表裏一体の「調和と破調」、「無常観」がもたらす美意識、「非対称」がつくる美しさなど、日本人が受け継いできた和の伝統美・デザインを豊富な図版で詳しく解説したデザイン書を紹介します。

本書は時間をかけて、じっくり読むことをお勧めします!

伝統デザインのはなし

著者の成願 義夫氏は、京都の地で着物図案家、伝統文様研究家、和装研究家、グラフィックデザイナーとして活躍されています。

『和花素材集 四季花暦』『和の風物詩 素材集』『懐かしくて新しい レトロモダン素材集』など、レベルが高い和の素材集を手がけられていますが、本書は日本の伝統的な美について深く学びたい人向けのデザイン書となっています。

お値段はちょっとしますが、全ページオールカラーで、満足度の高い一冊です。

伝統デザインのはなし

和の感性を読み解く 伝統デザインのはなし
ISBN 978-4-8156-4063-7
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著者: 成願 義夫
出版社: インプレス
発売日: 2026/6/23

Kindle版も同時発売されています!

版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。

伝統デザインのはなし

日本の伝統美、和のデザインに興味はあるけど、情報が散乱していてなかなか学べない。そんな人にまとめてしっかり勉強できるお勧めの一冊です。

和の美しさには理由があります。感覚的な美しさの意味を知ることで、デザインするときの考える視点や表現力の幅が広がり、デザインに深みがでると思います。

紙面のキャプチャ

本書は全11章構成で、日本の伝統的デザインに込められた意味や構造について深く学べます。図版や解説も充実しており、読み物としても楽しめます。

紙面のキャプチャ

第1章は『しなやかな「曲線」』
日本の絵画には、直線よりもやわらかな曲線が際立っているものが多くあります。このしなやかさな曲線こそ日本のデザインを形づくる重要なポイントです。ほかにも建築に使われているS字曲線、能の老松に宿る曲線美、浮世絵に躍動する曲線など、目にしたことがあると思います。

紙面のキャプチャ

「てりむくり」を知っている人もいると思いますが、簡単に説明すると「自然の揺らぎや曲線をデザインの型として昇華させたもの」です。下から沈み、ゆっくりと立ち上がる日本独自の曲線で、自然の呼吸や時間の移ろいが表現できます。

左ページの「桶と紐と貝」の紐に注目してください。左のAは一辺倒な紐の動きに対して、右のBでは「てりむくり」が取り入れられており、明らかに自然な動きに見えます。他にも葉の形状、鶴が飛び立つときの羽の形状など、自然の理を曲線で表現するときに使用します。

紙面のキャプチャ

第2章は建築や造形物に見られる『「非対称」を尊ぶ』、第3章は『「季節」が育む豊かな感性』

日本の伝統的なデザインに、季節の移ろいは欠かせません。日本文化に根付く四季の美しさから、暦や節句、四季のモチーフまで、日本人の美意識について学びます。

紙面のキャプチャ

伝統意匠において季節の移ろいを表すために、自然のモチーフが使われます。春の芽吹き、夏の生命力、秋の実り、冬の静けさといった季節ごとの気配が託されています。本書では各季節ごとに、植物、動物、自然、風物のカテゴリごとに代表的なモチーフが収録されています。

紙面のキャプチャ

第5章は『生命」と「対なるもの」の哲学』
日本では古来より受け継がれてきた一対や取り合わせ、神獣の型は調和や願いを形にしたもので、伝統的デザインを支える基盤となっています。

「取り合わせ」はたとえば、「鶴と亀」「梅と月」「桜と流水」といった吉祥や調和を象徴した定番の組み合わせです。また、神獣も「対」として組み合わされます。中でも特別な役割を担っているのが「四神」と呼ばれる四方を守護する神獣で、 装飾において重要な役割を果たしています。

紙面のキャプチャ

第7章は『「余白」に想像をめぐらせる』
現在のデザインでも余白は重要なデザイン要素ですが、余白は古来から余白や引き算を使ったデザインが数多く見られます。右上の歌川広重「名所江戸百景<真崎辺より水神の森内川関屋の里を見る図>」では丸窓を額縁のように使った独特の構図で、余白を使って丸窓の向こうに視点に誘導し、美しい景色に集中させています。

紙面のキャプチャ

第8章は『表裏一体の「調和」と「破調」』
日本の伝統デザインには、調和の中にわずかな破調をいれることで豊かな表情を生み出しているものもあります。調和は全体に統一感を与え、破調は動きや印象を生み出します。破調は魅力的なアクセントとして機能し、見る人を惹きつける豊かな表情を生み出します。

紙面のキャプチャ

第9章は『「家紋」の成り立ちとデザイン』
家紋は一見シンプルなデザインに見えますが、実は非常に考え抜かれた高度なデザインで成り立っています。特に丸い形状のものが多く、日本文化において丸は円満や調和、完全性を象徴する形として好まれてきました。また、着物の袖や裾にも装飾的な丸文様がよくあしらわれています。

紙面のキャプチャ

第10章は『伝統文様の「しきたり」』
日本の伝統文様は単なる装飾だけではなく、深い意味が込められています。たとえば、唐草文様は蔓草が絡み合いながら伸びていく様子を表現した装飾ですが、「家の繁栄が永く続くように」との願いも込められた縁起物です。蔓の形状は幾何学的な規則性がありながら、自然界の不規則な動きも含まれています。この適度な変化があることで、唐草文様の美しさが生み出されています。

紙面のキャプチャ

最後の第11章は『「想い」が感動を呼び起こす』
これまで各章で解説してきた日本の伝統デザインを現代のデザインにどのようにつなげていくのか、これからの伝統デザインに求められるものについて学べます。

伝統デザインのはなしの目次

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和のデザイン、日本の伝統デザインについて、深く触れたい人にお勧めです。
まさに何度も、何度も読み返したい一冊です。

伝統デザインのはなし

和の感性を読み解く 伝統デザインのはなし
ISBN 978-4-8156-4063-7
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著者: 成願 義夫
出版社: インプレス
発売日: 2026/6/23

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