文章、画像、動画、音楽などの生成AIを仕事や生活でどのように役立たせるのか、最近の情報が一通り分かる解説書 -生成AI
Post on:2023年6月23日
ChatGPT(文章)、 Midjourney(画像)、CREEVO(音楽)、Make-A-Video(動画)、DreamFusion(3Dモデル)をはじめとする生成AIが続々とリリースされ、すでに使用したことがある人も多いと思います。
これら第一線の生成AIの実用的な使用例を通じて、わたし達の生活がどのように変化するか、仕事でどのように役立たせるのか、著作権などの問題点とその解決の流れについてよく分かる解説書を紹介します。
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生成AIの動きは非常に激しく、最新の情報に触れるにはWebに頼るしかないのですが、本書は加筆できる最後のタイミングである5月頭のぎりぎりまで対応しています。また、日本語での情報が少ないものも著者自らが実際に試した結果がまとめられています。
生成AIの技術の進化、社会の対応、法整備などもこれからどんどん進められると思いますが、現時点での情報をしっかり知っておきたい人にお勧めします。
Kindle版も同時発売されています!
ちょうど昨日、Googleのブログでも「最強の最終製品はAI単独から生まれるのではなく、人々によってAIが利用されることだ。」とありました。AIをどのように使うのかが、これから重要になりそうです。
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
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本書は5章構成で、取り扱っているのは文章生成AI(ChatGPT, Bing AIなど)、画像生成AI(Stable Diffusion, Midjourneyなど)、動画生成AI(Make-a-Video, Imagen Videoなど)、3Dモデル生成AI(DreamFusion, Magic3Dなど)、音楽生成AI(CREEVO, SOUNDRAWなど)です。
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前半の第1章、第2章では、生成AIの具体的な活用事例です。まずは、OpenAIのChatGPT。生成AIの中でも早い時期から注目を集めていた文章生成AIで、チャット形式でユーザーの質問に対して流暢な自然言語で答えてくれます。現在一般に公開されている最新版はGPT-4で、2023年3月にリリースされました。
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ChatGPTを使うために必要になるのが、質問力です。また、質問に答えてくれるだけでなく、物語を作り出したり、長い文書を要約してくれたり、レポートを作成したり、プログラムのコードを生成することもできます。もちろん、日本語にも対応しており、回答の表現を変更することもできます。
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OpenAIはこの技術が文章生成以外にも応用できることを早期から示していました。入力したテキストをもとに画像も生成することができます。画像生成AIは日々学習しており、今日ではかなりの高精細な画像を出力できます。その一つが、Midjourneyです。
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ChatGPTやMidjourneyの利用方法、登録の仕方、無料と有料版の違いなども解説されています。
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テキスト・画像の次は動画生成です。動画生成AIはテキストや画像ほど一般的には使用されていませんが、すでに技術的な面では完成されています。ただし一般公開されていないものが多く、現時点で公開されている情報が解説されています。
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また、生成AIは既存のアプリやサービスにも導入されはじめています。使用している人も多いと思いますが、メモ管理サービス「Notion」では文章生成AIを組み込んだサービス「Notion AI」が2023年2月にリリースしました。これは普通にメモを書きながらAIの支援を受けることができ、非常に便利です。
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生成AIは生活や仕事のさまざまなシーンで応用できます。プレゼンの資料を作成したり、広告の画像を作成したり、と文章生成も画像生成も活躍します。ほかのも本書にはやってみたくなるようなアイデアが紹介されています。
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第3章は、これら生成AIを使用したときに起きる問題について。生成した画像の著作権はどこにあるのか、また著作権を侵害していないのか、現時点では法的整備もまだ整っているとはいえませんが、本書では実際に裁判が行われた画像の類似性や依拠性の判例とともに現状での考え方や対策方法について解説されています。
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第4章では、生成AIによる社会の変化がどうなるかの予測。クリエイター業務やオフィス業務での具体的な活用例がたくさん紹介されており、かなり面白いです。
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たとえば、オフィス業務の資料作成では前工程で人間が方向性とキーワードを指定し、中工程でAIが文章を生成、後工程で人間が手直しして資料化する。会議の議事録をテキストに起こし、要約させる。ただし、生成AIは入力したデータを学習データとして使用する可能性があるため、学習に使用しないサービス(ChatGPTのAPIなど)を利用する必要があります。
参考: パフォーマンスを向上させるためにデータがどのように使用されるか -OpenAI
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最後の第5章は、生成AIがもたらすわたし達の暮らしについて。個人の働き方、教育の環境でどのように生成AIが活用されるのか、どのように上手く付き合えばよいのかが分かります。
生成AIの目次
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生成AIの目次
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生成AIの目次
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生成AIの目次
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生成AIの目次
そろそろこれら生成系AIの情報をまとめて読んでおきたい、という人に特にお勧めします。実用的なサービスも増えてきており、本書を読んで使ってみたいなと思うかもしれません。
献本の御礼
最後に、献本いただいたSBクリエイティブの担当者さまに御礼申し上げます。
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