これがユーザーの信頼を失うデザインだ! 最近のUIで見かけるダークパターンのしっかりとした知識が身につくデザイン書 -ザ・ダークパターン

ダークパターンとは、WebサイトやスマホアプリのUIをユーザーに惑わせるデザインにし、ユーザーの個人情報や時間やお金をかすめ取る手法です。

たとえば、知らない間にメール配信が登録されていたり、料金に手数料が加えられていたり、登録は簡単なのに退会が難しかったり、キャンセルがクリックしにくいようにデザインされてたり、さまざまなダークパターンが存在します。

最近のダークパターンをはじめ、さまざまなダークパターンを反面教師として学び、制作側として気をつけたいポイントが解説されたデザイン書を紹介します。
ユーザーとして騙されないように知識を増やしておくのにも有用です。

ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン

著者は「UXライティングの教科書(紹介記事)」や「ザ・マイクロコピー(紹介記事」などでお馴染みの仲野 佑希氏。これまではライティング主体の解説書を紹介してきましたが、本書はダークパターンの解説書です。デザインによるダークパターンだけでなく、言葉によるダークパターンもあるので、非常に勉強になります。

ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン

ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン
ISBN 978-4-7981-7246-0
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著者: 仲野 佑希
出版社: 翔泳社
発売日: 2022/8/3

Kindle版も発売されています。

版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。

紙面のキャプチャ

まずは、ダークパターンをご覧ください。
左の広告画像は「×」ボタンが女性の黒髪に隠れており、ユーザーは閉じる方法が分かりません。中央の広告画像には靴の上に髪の毛があり、それを取り除くために触れさせようとするデザインです。左の広告画像には中央やや下にホコリがあり、これも取り除くために触らせようとするデザインです。

髪の毛とかホコリがあったら、確かに取り除くためにタップしてしまいます。

紙面のキャプチャ

本書では意図的なダークパターン、無自覚なダークパターンを取りあげ、それらを反面教師として、ユーザーを惑わせるWebサイトやスマホアプリの設計をしないようにするための解説書です。

紙面のキャプチャ

ダークパターンと似た言葉にアンチパターンというものがあります。この2つは大きく異なり、相違点を正しく理解しておくことが大事です。

紙面のキャプチャ

ボタンの文言一つについてもさまざまなダークパターンがあります。よく見かけるタイプだと、申込画面で「承認する」が目立つカラーになっていたり、「承認する(推奨)」となっていたりして、「拒否」がクリックしにくいデザインになっています。また、「いいえ、キャンセルする」のように、紛らわしい文言の場合もあります。

紙面のキャプチャ

また、最近では特に解約方法が難しいというダークパターンも多く存在します。入会はオンラインで簡単にできるので、解約する時はオペレーターと会話が必要だったり、郵送やリアルの店舗でしか受け付けないというものもあります。さらに、初回無料で試して見たら、いつの間にか定期購入に申し込まれているといったこともあります。

紙面のキャプチャ

ダークパターンは少しでも利益を得ようとする目的で一部の企業は使用しますが、かなり多くのリスクがあります。信頼が損なわれる、消費者トラブルになる、返品率が増加する、ネガティブレビューが増える、カスタマーサポートの負担が増えるなど、悪影響の方が多いです。

紙面のキャプチャ

本書ではダークパターンにならないように、またはダークパターンなどを使用しないでも効果的なデザインや文言による改善方法を解説しています。フォームなどは、文言を少し工夫するだけで、エラーが少なくなったり、離脱率を減らすことができます。

紙面のキャプチャ

最近見かけるダークパターンとして、本書では7つに分類して紹介されています。そのダークパターンの背後でどのような心理技術が使用されているのか、Webサイトやスマホアプリでの実例を見ながら特徴について学びます。

「スニーキング」は、ユーザーにとって重要な情報を隠したり、偽装したり、公開を遅らせたりする行為です。商品を購入するとこっそりギフトカードが追加されていたり、不明な手数料が加算されていたり、です。

紙面のキャプチャ

最も多くのユーザーに影響を与えたダークパターンの一つは、Windows 10のアップデート画面です。2016年4月にユーザーが目にしたポップアップ画面では、「×」ボタンは閉じるではなく、「Windows 10にアップデートする」ことを意味していました。ユーザーが期待する動作とは異なる結果を招くダークパターンです。

紙面のキャプチャ

「ミスディレクション」は、ユーザーの注意を惹きつけたり、逸らしたりすることで、特定の選択へと誘導するものです。たとえば、募金プロジェクトで「○○で募金する」「△△で募金する」は目立つデザインのボタンにして、「募金しない」は目立たないようにテキストリンクで配置されてたりします。また、広告に見えないような広告もあります。ダウンロードページで「Donwload」の広告画像を見たことはありませんか?

紙面のキャプチャ

ダークパターンはWebサイトやスマホアプリに限られたものではありません。たとえば、「Re:」がついたメールが届いたことはありませんか? 返信メールを装う件名は、開封率を高める方法だと思われるかもしれません。確かに、最初のメールでは開封率は上がりますが、本文のクリック率は大きく下がることが分かっています。また、読者を欺く当然の結果として、メール解除率は急激に上がります。

紙面のキャプチャ

最終章では、ダークパターンを防ぐためにできる取り組みについてです。ユーザーの不安を取り除くためのデザイン、文言の使い方などが解説されています。たとえば、何かを選択する時に「これはあとで変更できます」と添えたり、定期プランに「いつでも解約できます」と添えたり、ショッピングサイトなどでユーザーが抱える不安を取り除くと信頼度もアップします。

ザ・ダークパターンの目次

ザ・ダークパターンの目次

ザ・ダークパターンの目次

Webサイトやスマホアプリのダークパターンを解説した書籍は、初めて読みました。ブログやニュースサイトでは見かけますが、一度しっかりと学んでおくといいかもしれません。制作側として、また消費者側として、気をつけなくてはいけないポイントがまとめられています。

ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン

ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン
ISBN 978-4-7981-7246-0
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著者: 仲野 佑希
出版社: 翔泳社
発売日: 2022/8/3

献本の御礼

最後に、献本いただいた翔泳社の担当者さまに御礼申し上げます。

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