UIデザインで、なぜダークモードにおけるグレースケールは難しいのか、人がカラーとコントラストを知覚する感じ方

ライトモードだといい感じのグレースケールが、ダークモードにすると特に暗いグレーあたりのコントラストが低くなることがあります。

これは人がカラーとコントラストを知覚する感じ方に関係があります。どのようなメカニズムでそう感じるのか、ダークモードでもいい感じのグレースケールにするにはどうすればよいのかを解説します。

なぜダークモードにおけるグレースケールは難しいのか

Darkmode
by Dan Holick

下記は各ポイントを意訳したものです。
※当ブログでの翻訳記事は、元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。

ダークモードのグレースケールを作成するのが難しいのは、なぜだと思いますか?

それは、人がカラーとコントラストを知覚する感じ方に関係があります 👇

ダークモードにおけるグレースケールの比較

わたし達は明るいカラーでコントラストを高く感じてしまうことが、その原因です。

下記の2組のカラーは数値的には同じコントラストであるにもかかわらず、わたし達は左の方が右よりもコントラストが強いと感じるでしょう。

数学的には同じコントラストの比較

数値的には同じコントラストの比較

そのため、繊細な明るいグレーを多用するUIデザイン(コンテナやボーダーなど)では、ダークモードにする際にカラースケールを反転させればよいという単純なものではありません。

反転させただけだと、暗いグレーあたりのコントラストが低くなります。

ライトモードとライトモードを反転させたダークモード

ライトモードとライトモードを反転させたダークモード

この問題を解決するには、カラーをさらに離して同じコントラストを実現する必要があります。グレースケールがライトモード用に設定されている場合、これは注意が必要です。

私が使用するテクニックは、人の知覚をより反映したAPCAコントラストに基づいてスケールを作成することです。

APCAコントラストに基づいてスケールを作成する

APCAコントラストに基づいてスケールを作成する

これにより、スケールを反転させただけでも、モード間でコントラストがかなり一貫されたままになります。

完璧ではありませんが、近いものがあります。

ライトモードとダークモードの比較

ライトモードとダークモードで、コントラストがほぼ同じになる

では、なぜダークの背景をブルーにする傾向があるのでしょうか?

それは、わたし達のコントラストに対する知覚が、色相全体で直線的ではないためです。たとえば、わたし達はブルーよりもグリーンをより明るく感じます。

ブルーとグリーンの比較

ブルーよりもグリーンをより明るく感じる

これは、ブルーの色合いよりもグリーンの色合いに対して、わたし達が敏感であることを意味します。

グリーンやレッドを加えると、ブルーよりもはるかにトーンが変化し、ピュアブラックが不自然に感じる人もいます。

しかし自然界(たとえば夜空)でも、ブルーがかったブラックは一般的です。

ブラックの比較

左: グリーン、中: レッド、右: ブルー、下: ニュートラル

もちろん、これはグレースケールを複雑にします。

スケールが明るいものから暗いものになるにつれて、色相コンポーネントも少しずつブルーに向かって移動する必要があります。

ブルーの色合いは、明るい色合いでは非常に奇妙に見えます。

色相コンポーネントは少しずつブルーに向かって移動する

色相コンポーネントは少しずつブルーに向かって移動する

まぁ一言で言うと、とにかく難しいということです。

以下に私が以前、カラーについて書いたスレッドをご覧ください。これは人間のコントラスト知覚をモデル化することの難しさについてです。

APCAコントラストを詳しく知りたい場合は、このスレッドに詳細があります。APCAコントラストは、Figmaでも利用できます。
zebra- Figma Comunity

これは、知覚的に均一な色空間に関するものです。

sRGBがダメな理由について。

不均等に配置されたカラーシステム。

一部のグラデーションが濁っている理由。

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