Apple M1対応のPhotoshopでの不具合、movファイルが読み込めない、プラグインが使用できないを解決する方法
Post on:2021年4月21日
Adobe Photoshopは2021年3月にリリースされたv22.3でApple M1をネイティブサポートし、つい先日v22.3.1もリリースされました。M1対応のPhotoshopだと起動時間が驚くほど早くなるなど恩恵もあるのですが、Intel版の一部の機能が使用できない欠点もあります。
Adobeのカスタマーサポートでいくつかの問題が解決したので、紹介します。
- Photoshopの以前のバージョンで確認された問題の修正
- Photoshopで、movファイルが読み込めない問題の解決方法
- Photoshopで、プラグインが使用できない問題の解決方法
- 保存時にファイルの拡張子がつなかい問題
Photoshopの以前のバージョンで確認された問題の修正
まず、3,4月にリリースされたv.22.3とv.22.3.1以前のバージョンで確認されていた問題で修正済みのものを紹介します。
v22.3
v22.3以前に確認されていた以下の問題は、修正済みです。
参考: 以前のバージョンの Photoshop で確認された問題の修正
- ラインツールにピクセルモードと線幅が表示されない
- 埋め込みスマートオブジェクトを使用したアニメーション化時のパフォーマンスが遅い
- macOS でコピーを保存する際の保存関連のいくつかの問題
- 交差線がトーンカーブパネルに表示されない
- 一部のシステムでぶれの軽減に時間がかかる
- 複数の空のプリセットを読み込めない
- 空のプリセットを読み込む際のディスクエラー
- アクションを使用してもパスがコピーされない
- ぼかし(レンズ)を使用するとクラッシュする
V.22.3.1
v22.3.1以前に確認されていた以下の問題は、修正済みです。
参考: Photoshop の解決済みの問題
- 自動選択ターゲット調整ツールがマウスボタンを放した後も動き続ける
- 定規と目的の位置の間でガイドをドラッグすると、Photoshop の反応が遅くなる
- 選択範囲がカンバスの外に出ると選択ツールの動きが遅くなる(macOS のみ)
- Web用に保存の操作を完了できない
- 背景レイヤー上の変形/ワープにより、プログラムエラーが発生する
Photoshopで、movファイルが読み込めない問題の解決方法
M1版のPhotoshopで一番困っていたのは、movファイルが読み込めないことでした。intel版のv22.2をM1で起動してもmovファイルは読み込めますが、v22.3以降ではmovファイルを読み込めません。
この問題はカスタマーサポートに尋ねたら、解決しました。
M1版のPhotoshopでmovファイルを読み込めない問題
movをM1版のPhotoshopで読み込めないのは、以下のように確認できます。Photoshopのメニュー「ファイル」を開きます。
通常は「ビデオフレームからレイヤー」でmovを読み込める
上記はすでに対応済みなので、読み込める状態です。M1対応のPhotoshopには、この「ビデオフレームからレイヤー」が表示されません。また、movファイルを「開く」からでもファイルをドロップしても読み込めません。
M1版のPhotoshopでmovファイルを読み込む方法
カスタマーサポートの人によると、M1版ではまだすべての機能に対応できない、とのことです。そのため、M1版のPhotoshopをRosettaモードで起動すると問題が解決します。
やり方は、簡単です。
Finderの「アプリケーション」から「Adobe Photoshop 2021」内の「Adobe Photoshop 2021.app」を右クリックして、「情報を見る」を選択します。
「情報を見る」を選択
「一般情報」から「Rosettaを使用して開く」のチェックボックスをオンにします。
「Rosettaを使用して開く」のチェックボックスをオンに
これで完了です。
M1版のPhotoshop v22.3以降でもmovファイルを開くことができます。
※Rosettaで起動するため、M1版の高速さは劣ります。とはいえ、例えば起動時間は2秒くらいなので、ストレスは全くありません。
Photoshopで、プラグインが使用できない問題の解決方法
これはmovファイルの問題と同じ解決方法です。
プラグインが動作しない原因は、プラグインがM1に対応していないからです。
M1版のPhotoshopで、M1非対応のプラグインはRosettaモードにすることで使用できます。私の環境で使用をあきらめていたプラグインも問題なく動作しました。
とは言え、プラグインがM1対応にならないと一時的な解決にしかなりません。
M1ネイティブモードで使用できない機能
同様の問題は、ほかにもいくつかあります。
参考: Apple Silicon での Photoshop の使用
- 埋め込みビデオレイヤーの読み込み、書き出し、再生
- ぶれの軽減フィルター
- プリセットの同期
- 画像の共有ボタン/迅速な共有
- ホーム画面/共有されたアイテムで、クラウドドキュメントの編集を招待することはできません。
- U3D 形式のファイルを開くまたは配置
- Photoshopメニューからの Bridge の起動
- SVGファイルの書き出し時に発生する問題
- 「書き出し形式」コマンドを実行すると、「この場所に書き出せません」と表示される
※カスタマーサポートの人によると、これらの問題は順次対応予定、とのことです。
保存時にファイルの拡張子がつなかい問題
最後の問題は、macOSのみの現象で、M1は関係ありません。Photoshopはv21からだと思います。
その現象を再現する手順です。
- .psdファイルを開く。
- 「ファイル」から「Web用に保存」をクリック。
- 「Web用に保存」パネルが表示されたら、「保存」をクリック。
- 「最適化ファイルを別名で保存」パネルが表示され、「名前」欄のファイル名がハイライトされているので、削除して新たなファイル名「test」を入力。
- 「保存」をクリック。
これで、「test.jpg」のように拡張子が自動的についてファイルが保存されるのが通常ですが、macOS版のPhotoshopでは拡張子がつきません。
「書き出し形式」からは拡張子がつき、またIllustrator, Lightroomではつきます。また、Windows版でもつきます。
この問題はそれほど多くの人が使用しているとは思いませんが、何人かは困っていると思います。カスタマーサポートの人によると、この問題は未出だったので、あらたに提出して解決に取り組む、とのことです。
追記:
2021/8にリリースのv.22.5で、拡張子がつなかい不具合が修正されました。
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