タイポグラフィの深い世界に浸る!世界中のデザイナーに大きな影響を与えた -タイポグラフィ的造形の手引き
Post on:2019年10月25日
タイポグラフィの書籍の中でも歴史的重要著作と言える一冊がついに日本語版が登場しました。世界中のグラフィックデザイナー、タイポグラファーに大きな影響を与えた「Typographie─A Manual of Design」の日本語版です。
高額な書籍ですが、版元様に許諾を頂いたので、その中身とともに紹介します。
先日のコリス13周年プレゼントで当選された方もいます。
本書はスイスタイポグラフィの巨匠エミール・ルーダーによるタイポグラフィの教科書「Typographie」の待望の日本語版です。ルーダーの精神を継承したヘルムート・シュミットが生前にすすめていた日本語版構想が継承されたものとなっています。
お値段1万円弱としますが、内容はそれ以上に充実しています。
紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
本書は18章で構成されており、タイポグラフィの深い世界に浸ることができます。いくつかの項目をダイジェスト的に紹介します。
機能とフォルム
優れたタイポグラフィは、言葉とフォルムの間に完璧な調和が生まれます。文字の可読性とデザインにおける形のバランスは、重要なポイントです。
機能とフォルム
左から右に文字を並べたものは無理なく読めるでしょう。縦に並べたものは可読性は損なわれますが、フォルムが強調されます。
フォルムとカウンターフォルム
もちろん、タイポグラフィの作品も数多く掲載されています。美術書としても目の肥やしになると思います。
タイポグラフィの技術
フォルムを作るには文字の間隔、カーニングも重要な要因です。アルファベットには、文字間の空きの印象が強くなりがちな文字がいくつかあります。
タイポグラフィの技術
文字間の効果は、少し遠ざけて見るとよく分かります。適切な文字間で組むと、文字列が同等のグレートーンになります。
幾何学的側面、視覚的側面、有機的側面
本書では、タイポグラフィに関するさまざまな知識を基礎から学ぶこともできます。キャプチャは錯視効果で、太さが同じ棒は縦長の方が細く見える、正円は天地より左右の方が大きく見える、などです。
色
タイポグラフィは文字だけでなく、色も重要です。2色使用する場合、色面積の割合や分布方法によって少量の色から支配的な色になるまで効果は変わります。
動力学
タイポグラフィの知識を学ぶだけでなく、単に作品を見るだけでもかなり楽しめる一冊だと思います。
Design Systemsの目次
- 序論
- 書字と印刷
- 機能とフォルム
- フォルムとカウンターフォルム
- タイポグラフィの技術
- アレンジメント
- 幾何学的側面、視覚的側面、有機的側面
- プロポーション
- 点、線、面
- コントラスト
- グレーの濃淡
- 色
- テキストとフォルムの調和
- リズム
- 自然発生性と偶発性
- 統合的デザイン
- ヴァリエーション
- 動力学
- 文字と図像
- 解説
本格的なタイポグラフィの書籍は非常に高価で、私は年に1冊購入するかしないかくらいです。タイポグラフィの世界にどっぷり浸りたい人にお勧めしたい一冊です。
献本の御礼
最後に、献本いただいたボーンデジタルの担当者さまに御礼申し上げます。
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