これ大事!パクりや著作権などのトラブルで揉めないために知っておきたい、クリエイターのための権利の本

Webデザイナーやプログラマー、イラストレーター、そしてブロガーなど、クリエイターが直面する権利や著作権の問題について、実際に起こった豊富な事例とともに詳しく解説されたクリエイター必読の本を紹介します。

写真から構図をトレースするのは問題ないのか、商用フォントを使ったロゴやタイトルの著作権はどうなるのか、在籍中に描いたイラストは退職しても使えるのか、Webサイトで使用されているコードを使用してもよいのか。
クリエイターが実際に悩むことが多い問題の答えがズバリ、分かります。

本の表紙

権利や著作権など、法律関連の書籍は抽象的なものが多いイメージですが、本書は実際に裁判となったイラストやデザインなどの事例が掲載されており、非常に分かりやすくクリエイターの権利や著作権について知ることができます。
もちろん法律関連なので、堅い説明もあり、そしてマンガやイラスト形式でのくだけた説明もあり、しっかりと理解することがでできると思います。

本のキャプチャ

クリエイターのための権利の本
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著:
大串肇、北村崇、染谷昌利、木村剛大、古賀海人、齋木弘樹、角田綾佳
出版社:
株式会社ボーンデジタル
発売日:
2018/9/27
※書店は9/27発売、オンラインショップは9/30発売です。

紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
ちなみに、当ブログの書籍紹介はすべて、版元様に許諾を得ております。

紙面のキャプチャ

クリエイターは創ることだけが大切ではありません。他人の権利を侵害してしまう可能性も、他人から権利を侵害されてしまう可能性もあります。クリエイターとして、自分の身を守るためにも権利や著作権について知っておくべきことがあります。

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難しく感じることはありません。本書では例えば、東京オリンピックのエンブレム、芸人のフリー音源無断使用問題など、具体的な事例とともに詳しく解説されています。
情報の一部だけを切り取って解説するのではなく、知っておきたい情報がすべて網羅されているのも本書の良い点です。佐野研二朗氏のその後の活躍や正式に決まった東京オリンピックのエンブレムについても、詳しく解説されています。

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著者自らの体験談も詳しく解説されています。
右下はGoogle画像検索の画面で、掲載許可を出しているもの、または引用の範疇であるものについて確認した事例です。そのほとんどが、NGとなっています。

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本書は7章構成で、2,3,4章では成果物ごとの権利について。
2章は、「写真・イラスト・デザイン」です。これらは見た目で分かりやすいため、特にトラブルになりやすいジャンルです。

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例えば、東京スカイツリーを撮影して素材として使用するのは問題ないでしょうか?
東京スカイツリーは上記キャプチャ画像にあるように、名称・ロゴ・シルエット・立体形状などが商標登録が行われている建築物です。写真やイラストを利用する際、著作権は問題ありませんが、商標には注意が必要です。

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写真などの素材から、人物や構図をトレースのは大丈夫? この問題もよく耳にします。
トレースが著作権侵害になるかの判断は難しく、さまざまなケースがあるようです。スラムダンクをトレースしたケースや同人誌の裏表紙のケースなど、参考になるでしょう。

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また、クライアントから参考資料として写真やイラストを渡されるケースもあると思います。クライアントから指示された素材であっても、デザイナー側に法的な責任を問われるといったこともあります。

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フォント周りの著作権も知っておいた方がよいでしょう。例えば、上記キャプチャ画像のアサヒビールのロゴは、著作物性を否定された事例です。逆に、著作権を認められたロゴというのもあります。

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フリー素材もインターネットの世界には溢れており、目にする機会も多いと思います。しっかり管理ができていますか? また、悩むのが「非営利に限り無料」「商用利用禁止」のどこからが商用になるのか。商用利用になる境目が本書を読むとばっちり理解できます。

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当ブログのビジターであれば、コードやプログラムについても気になると思います。以前、私自身も前の会社でこの件に被害者側として関わりました。この件はコード自体だけでなく、機能や構造や順番など、いろいろ複雑です。

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これは言われたことがないのですが、確かにこういうこともあるかもしれませんね。あやふやに返すのではなく、しっかりとした返答ができるようにしておきたいところです。

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企業に属していた時はこういったことも規則として存在しており、勉強の場もありました。教わる機会がない場合は、自分やクライアントを守るためにもしっかり学んでおきましょう。

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本書では事例の解説だけなく、トラブル発生時の対処方法についても詳しく解説されています。

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被害者側であったり、加害者側であったり、何が起こるか分からない世の中です。

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インターネットの普及によってデジタルでの複製や拡散が簡単になり、著作権のあり方も大きく変化しました。クリエイターは、権利を侵害される被害者側になることも、権利を侵害してしまう加害者側になることもありえるので、自分も守るために著作権について正しく理解しておくことが重要です。

クリエイターのための権利の本の目次

  1. クリエイターが権利について知っておくべき理由
    今、権利について知っておくべき理由
  2. 写真・イラスト・デザイン
    街並みなどで無関係の人が写り込んだ写真は使えないの?
    似顔絵の著作権と人の容ぼうに関する権利
    動物園や水族館の生き物の写真や動画って使ってもいいの?
    東京スカイツリーなどの写真を利用する際は許可が必要?
    キャラクターグッズが写り込んでいる写真は利用できる?
    写真などの素材から、人物や構図をトレースするのはOK?
    レイアウトや配色を真似たら著作権侵害になるの?
    商用フォントを使ったロゴやタイトルの著作権はどうなるの?
    Googleマップは自由に利用できる?(地図の著作権)
    ウェブサイトのスクリーンショットは自由に使えるの?
    社内資料ならネット上の画像を使用してもいいの?
    画像を不正に使用されないためにやっておくといい方法
    フリー素材は自由に使ってOK?
    アプリのアイコンやSNSのロゴは自由に使っていいの?
  3. 文章・コピー
    キャッチコピーには著作権がないから拝借してもいい?
    リライトした記事なら著作権侵害にならない?
    商標を持つ製品名には「®」を入れなければならないの?
    どの程度の引用なら許されるの? 〜著作権と引用ルール〜
    本や新聞の紙面、表紙を撮影して掲載するのは引用にあたるの?
    転載と引用ってどう違うの?
    メールや手紙、メールマガジンからの引用はできるの?
  4. プログラムコード・ライセンス
    ウェブサイトに掲載されているコードはコピーしても大丈夫?
    オープンソースは無料で自由に使えるの?
    オープンソースを使って作ったものは販売しても大丈夫?
    ソースコードには、どの場合に、どのライセンスを選択すべき?
    「オープンソースだから安くして」といわれたらどうする?
    ライセンス条件に違反して制作を行った場合の責任は?
  5. 契約・権利の所在
    納品した成果物の著作権はクライアントのもの?
    自分の作品を公開するのにクライアントの許可は必要?
    納品したデザインが勝手に改変されて使われていた
    不採用だったコンペの企画やデザインは他社に出してもOK?
    コンペで採用されなかったデザインが勝手に使われた
    共同著作物は自分も著作者の一人だから、自由に使える?
    在籍中に描いたイラストは、退職したら使えない?
    コピーライト表示がもつ効力は?
    プライバシーポリシーや利用規約って必須ですか?
  6. トラブル発生時の対処
    ギャラの支払い遅延や未払いを防ぐために!
    著作権を侵害を発見した場合はどうすべき?
    サービス提供会社などに著作権侵害の報告をするには
    専門家に相談してみよう
    訴えてみよう(少額訴訟)
    著作権を侵害していると言われた場合はどうすればいい?
  7. デジタルにおける著作権の考え方
    著作権について説明できるようになろう
    クリエイターは著作権でどのような請求ができるのか
    ~パクられたらどうする?~ 無断利用と戦うためのコツ

ずばり、クリエイター必読の書です。
自分の作品の権利をはじめ、利用している素材やフォントの権利、資料としてどこまで問題ないのか、など自分の権利を守り、他人の権利を侵害せずに、素晴らしい作品を世に送り出せたらと思います。

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著:
大串肇、北村崇、染谷昌利、木村剛大、古賀海人、齋木弘樹、角田綾佳
出版社:
株式会社ボーンデジタル
発売日:
2018/9/27

献本の御礼

最後に、献本いただいたボーンデジタルの担当者さまに御礼申し上げます。

当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。

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