デザインの考え方がしっかり身につき、情報デザインのスキルがアップするオススメの本 -シンプルデザインの考え方
Post on:2015年8月21日
デザインを本格的に学んだことない人でも、ビジネスの情報を伝えるためのデザインに必要な考え方や知識が身につくオススメの本を紹介します。
プレゼンや企画書のデザインが中心ですが、デザインの考え方と知識が分かりやすく解説されているので、Webデザイナーにもかなり役立つ内容となっています。
本書は「デザインの教室」「フラットデザインの基本ルール」などの著者: 佐藤 好彦氏の新刊で、どちらも内容が濃いのに分かりやすく書かれたデザインをしっかり学べる良書です。
当ブログでも紹介(紹介記事)しましたが、Amazonさんのレビューでも非常に好評で、持っている人も多いと思います。
9/2には、本書のイベントが渋谷で行われます。
Kindle版はお値段がけっこうお安めです。
表紙を見た時は正直そそるものがあまりなかったのですが、中身をぱらぱら見ただけでぐっとくるものがたくさんありました。
紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
本書は、右にテキスト、左にサンプルの見開きで一つの項目が構成されており、デザインの考え方や知識の一つひとつをしっかりと学ぶことができます。
四六判のコンパクトな本なので、片手でも読めるサイズですね。
僕は書籍を購入する時は必ず目次をチェックするのですが、もうこの本は目次だけでぐっときます。
1章は情報の整理方法、2章は読みやすいレイアウト、3章は情報を伝える時の文字の価値、4章はより魅力的にみせるためのカラーの使い方、5章は画像やインフォグラフィックを使った補強、6章は実践的なデザインのアドバイスになっています。
右ページのテキストも非常に分かりやすいですが、左ページのサンプルで内容が視覚的にまとめられているので、更に分かりやすくなっています。
ビフォーアフターも悪いポイントと良いポイントが具体的で、すぐに自分のデザインと比較して実践することができると思います。
情報を伝えるためのデザインを実現するには、伝えたいことを軸にし、ムダやノイズを削り、受け手のことを考える、これは絶対忘れてはいけないことですね。
1章は情報の整理でした、2章以降はその情報を魅せるデザインの見た目的なものが中心です。
カラーはデザインに強い印象を与える重要な要素です。うまく使えば効果的ですが、色のバランスが悪かったり、間違っているとマイナスの効果になってしまいます。
また、各章の末にあるコラムも非常に充実しており、デザイン論など興味深い内容が揃っています。
最後の6章ではデザインのワンポイントアドバイスが盛り沢山です。
箇条書きは約物や数字を使うだけではありません。図形や画像などを使い、より印象的な表現にすることもできます。
スライド全体で統一感のあるデザインにするのは大切ですが、変化をつけてそのスライドに特別な意味をつけるのも効果的です。
ちょっとした資料、プレゼンや企画書など、ビジネスの世界でもデザイン思考を身につけることで、よりよい成果に繋がります。
ビジネス教養としてのデザインの目次
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- まず、情報の整理から
- 論理的な思考によるデザイン
- 無計画が、ムダを生む
- 無計画なデザインは、デザインではない
- 多すぎる情報は無に等しい
- 分けることから、情報を構造化する
- 情報の構造=デザインの構造
- 構造を示すためのデザイン
- 秩序がシンプルなデザインを生む
- キーワードを脳裏に焼きつかせる
- シンプルなデザインによる効率化
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- 秩序のあるレイアウト
- 「揃える」ことで、位置に意味が生まれる
- 「揃える」ことを繰り返す
- 繰り返すことの効果
- 描かれていない線を感じさせる
- 情報の内容とレイアウトを関連づける
- 視線の動きとスペースの役割
- 囲みを作らずに、ページを分割する
- 中央揃えを避ける
- コントラストは大胆に
- 余白を活かす
- ページの隅からレイアウトしていく
- マージンが読みやすさを確保する
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- 文字が情報を伝える
- 情報を伝えるデザインでは、文字が主役
- 明朝とゴシック
- 明朝とゴシック、各一書体に限定する
- ファミリーでメリハリをつける
- 質の高いフォントを使う
- 情報と文字の表現を結びつける
- 細い文字や明朝を見出しに
- 約物を効果的に使う
- 文章を読みやすく見せる
- 行間と行長が読みやすさを左右する
- 小見出しを読みやすくする
- ひとまとまりに見せる文字間調整
- 欧文書体の選び方
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- 色が理解をたすける
- 色を使うメリットとむずかしさ
- 多くの色を使いすぎない
- 色相・明度・彩度で色を把握する
- トーンで色と印象を結びつける
- パソコンのカラーピッカーのしくみ
- 暖色・寒色から色の方向性を決める
- 鮮やかな色を調整する
- 「揃える」を利用して、調和した色を選ぶ
- 色相の距離でカラフルさを調整する
- パレットを作って、色に役割をもたせる
- アクセントカラーでメリハリを
- 情報を色で表現する
- 明るいグレーを活用する
- 色と色をぶつけない
- グラデーションは使わない
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- 図版で伝える
- グラフはメッセージになる
- グラフはシンプルな表現で
- シンプルな表現でデータを実感させる
- しくみをチャートにする
- 枠をとりはらってみよう
- 写真の使い方を理解しよう
- トリミングは情報の編集
- 写真の余白を活用しよう
- モノクロ写真は階調を調整する
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- 実践的デザインのポイント
- 背景の選択で方向性が決まる
- 読めなければ何も伝わらない
- 文字の大きさより、余白とメリハリ
- キーワードを印象づける
- 箇条書きの表現
- ページ構成にメリハリをつける
- 写真で雰囲気や感情を伝える
- 見取り図をつける
- スライドから飛び出る
- ハガキ・フライヤーのデザイン
- ページ物は文字表現から
- レイアウト用紙を作る
- グリッドデザインの考え方
- マンネリになる理由
- デザインの発注
- 修正のディレクション
- デザイン力を高めるために
ノンデザイナー向けの本ですが、ビジネスの情報を見せる効果的なデザインが基本からしっかり学べるので、デザイナーやWeb制作者の人にも得られるものがたくさんあると思います。
献本の御礼
最後に、献本いただいたインプレスジャパンの担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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