創作のストーリーづくりに目から鱗の解説書!ストーリーの組み立て方、目の導き方、動作の示した方が分かる良書
Post on:2021年9月3日
仕事で、そして趣味で、創作のストーリーづくりに携わる人にお勧めの解説書を紹介します。
本書は映画やアニメ、書籍、マンガなどのストーリーの組み立て方を解説したものですが、目を導く方法、意味の伝え方、動作の示し方などWebデザインやスマホアプリにも通じるテクニックを学べます。
本書を手にした時に最初に思ったのは、「スゴイ!」でした。
A4判で294ページ、しかもオールカラー。私は書籍を手にした時にいくらぐらいか想像してしまうのですが、装丁、内容をみると6,000円くらいかなと予想しましたが、これでお値段3,400円+税に、二度びっくりです。
本書は当ブログでも先日紹介した「感情類語辞典」「性格類語辞典」のフィルムアート社の新刊書です。今回は、創作のストーリー、制作プロセスの知識、見せ方・伝え方・示し方などのテクニックが解説されています。
- 創作のキャラクター作りに役立つ!感情を表現するときの言葉や仕草や反応のアイデアが見つかる -感情類語辞典
- マンガや同人誌に使える職業ネタがいっぱい!124種類の職業の創作用アイデアが収録された -職業設定類語辞典
職業設定類語辞典
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
著者のフランシス・グレイバスは、「アラジン」「ライオンキング」など数多くのディズニー作品にストーリーボードアーティストとして活躍しており、本書ではストーリーの設計図、読者を楽しませるさまざまな原理とテクニックを解説しています。
ストーリーボードとは絵コンテとほぼ同義で、本書では「千夜一夜物語・アラビアンナイト」を題材にしたオリジナルのストーリボードを使用して、解説します。映像が主体ですが、映画やアニメだけでなく、ゲーム、CM、マンガにおけるネームの作成にも役立つ知識が詰まった、実践的な一冊です。
本書は16章構成で、ストーリーをデッサンで視覚化し、感情移入できるキャラクターのつくり方、キャラクターの内外面を表現する方法、構図や照明(光と影)や色彩や線で注目させたい要素の見せ方など、さまざまなテクニックが学べます。
デッサンが苦手な人でも大丈夫。まずは丸と線の棒人間から始めてみましょう。
棒人間に胴や脚を加え、アクション線、動線、重力、奥行きなどを加えていくと、面白みのあるキャラクターをデザインできます。
全16章は、Part1, 2に分かれており、Part1ではストーリーボードの基礎知識と描き方。5章からはPart2で、ストーリーを組み立てるさまざまな実践的なテクニックが学べます。
例えば、注目を導く方法。近接、類似、接続、対称、ゲシュタルトを利用して人間の知覚レベルで、注目を引かせるテクニックが具体的な事例で解説されています。
ビジュアルで見るべき場所に目を導くテクニックもさまざまなものがあります。
読者の目を導くには、空気遠近法も効果的です。見る人の目を導くことで、絵に統一性が生まれます。
絵で難しいのが、意味の伝え方・示し方です。事象の連続性と因果関係、絵をどのように並置すべきか、時間の流れが途切れないように伝えます。
ストーリーで重要なのが、構造です。エンディングに向けてだんだんと盛り上げる構造、最初にドカンとつかんでエンディングでまた盛り上げる構造、など情報の量や流れをコントロールし、作品にあった構造をつくることができます。
ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方の目次
ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方の目次
ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方の目次
ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方の目次
まさにボリューム満点、充実の一冊でした。
映画やアニメ、書籍、マンガなどで、「ん?あれって」という気づきもたくさんあり、とても楽しめました。また、目を導く方法、意味の伝え方などは創作だでなく、Webデザインにも通じるものがあると思います。
献本の御礼
最後に、献本いただいたフィルムアート社の担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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