ロゴのデザインは奥が深い! 洗練されたロゴデザインのテクニックを学びたい人にお勧めのデザイン書 -ロゴデザインの原則
Post on:2023年8月4日
ロゴデザインのテクニックを学びたい人にお勧めのデザイン書を紹介します。
洗練されたシンプルなデザインのロゴ、シンボル、アイコンを作るための知識やテクニックが詳しく解説されており、グリッドや黄金比やシンメトリーや錯視などデザインのさまざまな原則についても学べます。
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本書は2022年に刊行された「Principles of Logo Design」の翻訳書。ロゴデザイナーである著者のジョージ・ボクア氏が、洗練されたロゴ、シンボル、アイコンを作るための知識とプロセスを解説したものです。
翻訳書の場合、かなり月日が過ぎてから翻訳というパターンが多いですが、本書はその中でもかなり短いスパンで翻訳されているのが嬉しいですね。
本書は、先日発売されたばかりの最新刊!
Kindle版も同時発売されています!
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
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本書は5章構成で、洗練されたロゴの作り方を9つのロゴデザインの種類と32の要点でプロセスが解説されています。「1.618033」という数字にピンときた人もいると思います。これはフィボナッチ数列にでてくる比率で、デザインでは黄金比などで使用されます。
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第1章はロゴの一般的なコンセプト、第2章はロゴデザインの種類を9つに分けて解説しています。「ピクトリアルマーク」は、意味のこもったアイコンをブランドの第一の識別要素として用いるロゴのことです。Twitterやスタバなどがこの種類に分類されます。
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「ネガティブスペースマーク」はロゴの中でも作るのがもっとも難しく、ネガティブスペースを取り入れたデザインで、周囲のスペースもロゴのコンセプトを伝える一要素として利用しているロゴです。
ほかにもマクドナルドのような文字を使用したレターフォーム、ナイキのような抽象的マーク、コカコーラのようなワードマークなど、9つの種類があります。
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第3章は「ビジュアルに関する事項」として、ロゴやシンボルやアイコンに使用されているデザインのさまざまな原則です。
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たとえば、ロゴは背景が明るくても暗くても同じサイズに見えることが重要です。
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デザインするときに難しいのが、直線と曲線をつなげるときです。ボーンエフェクトとは、直線と曲線をつなげたときに直線が凹んで見え、曲線が凸んで見えることを表したものです。「O」などの字形もそれです。
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エッシャーなどで知られる実際には不可能な形「不可能図形」、一つの形に複数の意味を持たせた「多義的な形態」など、どこか現実に挑戦するような資格効果もロゴでは使用されます。
第3章は、32種類のロゴデザインに使用されている原則・テクニックが解説されています。
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第4章は、ロゴデザインのプロセス。コンセプトを見つけることから始め、ムードボードでデザインの方向性を理解し、アイデアをスケッチに起こします。
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ロゴのデザインが決まったら、ブラッシュアップし、成果物としてのロゴを作成します。このグリッドを適用した調整は、かなり後の工程です。
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ロゴに複雑な形がある場合は、シンプルなグリッドでは処理できないことがあります。こういったロゴを作成するプロセスも一つひとつ解説されています。
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最後の第5章は「プレゼンテーション」ロゴのプレゼン方法、ブランドガイドライン、ロゴ使用のガイドライン、それぞれにどういった項目にどういった内容が必要なのかが分かります。デザイン料金についてもあるのが面白いですね。プレゼンに何点出すのか、予算が提示された場合は、プロジェクトの期間による価格設定、デザイン料金のレートの決め方など。
ロゴデザインの原則の目次
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ロゴデザインの原則の目次
本書は初心者向けというよりは、中級者向けのデザイン書です。ロゴをはじめ、アイコンをデザインするときやブランディングに携わるときなど、デザインのスキルを磨きたい人にお勧めします。
シンプルで洗練されたデザインがたくさん収録されているので、インスピレーションが刺激されると思います。
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