異世界の創作資料として役立つ! 社会科的観点から世界観を組み立てるための解説書 -空想世界をつくる社会の教科書

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異世界(特に古代・中世・近世をベースにした空想の世界)を舞台にした小説、マンガ、同人誌を創作するときに、役立つ社会の教科書を紹介します。

異世界ものといっても内容すべてがファンタジーすぎると、読者には伝わりにくくなります。小説やマンガ、ゲームなどの作品を創る際に、どうすると違和感なく、説得力のある世界観がつくれるを解説したものです。

空想世界をつくる社会の教科書

表紙に既視感を覚えた人は、大正解です!
本書は一年ほど前に紹介した『空想世界をつくる理科の教科書』(紹介記事)のシリーズで、今回は「社会の教科書」で社会、歴史、地理、国家と政治、経済、文化など9つの視点から空想世界に息づく社会の組立方を解説したものです。

著者の榎本 海月氏と榎本 秋氏はともに榎本事務所に属している作家さんで、前書をはじめ、これまでに数多くの小説執筆の指南書を発売されています。

空想世界をつくる社会の教科書

空想世界をつくる社会の教科書
ISBN 978-4-297-15937-5
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著者: 榎本 海月、榎本事務所、榎本 秋
出版社: 技術評論社
発売日: 2026/10/23

前書と同様に電子書籍化の予定はありません(版元様に確認済み)。

版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。

紙面のキャプチャ

本書は0+9章構成で、各章では歴史、地理学・地政学、国家と政治学、経済の仕組み、宗教、倫理と法、文化、社会問題の観点から空想世界を創作するための技術や知識が解説されています。空想世界に役立つ社会科の知識や設定をどのようによいのかを紐解き、読み物としても楽しめます。

紙面のキャプチャ

本書のコンセプトは、物語創作のための設定です。空想世界・異世界といっても登場人物はそこで生活し、文化や文明があり、技術、場合によっては魔法などもあるかもしれません。そういった設定に矛盾がでないよう、過剰だったり、偏りすぎないようにすることで、読者はその世界観に没頭できます。

紙面のキャプチャ

第1章は「歴史」
歴史は物語に壮大なスケール感を与える重要な設定です。歴史とは単に起きたことをまとめたものではありません、それらが積み重なることで事象に厚みが加わり、重みが増します。歴史があるというのは、国家や集団にとってそれだけの実力があることも想起させます。また歴史になる瞬間に立ち会うことも貴重な経験で、後生に語り継がれる重要な事象になります。

紙面のキャプチャ

第2章は「地理学・地政学」
地理とは物語でいうと、土地の形状にあたります。地理や気候は社会に重大な影響を与える要素で、登場人物たちは気候に合わせて生活し、土地の形状に合わせて住宅や都市をつくります。

紙面のキャプチャ

本書は読み物としてもかなり楽しめます。日本では石垣レベルはありますが、城壁を備えた都市は根付きませんでした。素材がそもそも不足していたから、地震が多いから崩れてしまう、地形が山がちだったから必要なかったなど、いろいろな理由が考えられます。

紙面のキャプチャ

第3章は「国家と政治学」第4章は「経済の仕組み」第5章は「宗教」第6章は「倫理と法」いわゆる社会科と呼ばれる枠を超えて、一般的に必要な社会の知識についても深く学べます。

紙面のキャプチャ

第7章は「文化」
空想世界にはそこで暮らす人々の日常や生活があるはずです。民俗学では人々が暮らす時間と空間には「ハレ」と「ケ」があります。「ハレ(晴)」とは非日常のイベントのことで、冠婚葬祭をはじめ、お祭り、スポーツやゲーム、歌や踊りなどの非日常の出来事です。「ケ(褻)」は逆に日常的な出来事のことで、基本的には退屈なもので、その憂さを忘れて解放するために「ハレ」が必要となります。この2つがバランスよく絡み合うことで、わたし達は生きていくことができます。

紙面のキャプチャ

第8章は「社会問題」、第9章は「全く違う『社会』」
空想世界はわたし達が暮らしている社会とは異なる社会ですが、わたし達の社会をベースに「なにが違うのか」「なぜ違うのか」そして「違うと社会の他の部分ではどう変わるのか」と広げていく必要があります。

紙面のキャプチャ

たとえば、魔法が存在する社会ではなにが違うのでしょうか。魔法を使えるのは全住民なのか、限定された人だけなのか、条件があるのか。さらには、魔法があることで、日常がどのように違うのか、科学で代用できるものなのか、逆に科学が未発達なのかなど、考え始めるとそれだけでお話しができてしまうかもしれません。

空想世界をつくる社会の教科書の目次

空想世界をつくる社会の教科書の目次

空想世界をつくる社会の教科書の目次

空想世界をつくる社会の教科書の目次

空想世界をつくる社会の教科書の目次

前書は『空想世界をつくる理科の教科書』である意味、限定されていましたが、本書の社会は非常に範囲が広く、物語の設定にも大きな影響を与えるものです。地図や時代などは設定として多くの作品に掲載されており、物語によっては経済や宗教も重要な設定になります。

空想世界の物語をつくる人だけでなく、既存の空想世界をこれらの視点で改めて見てみると面白いかもしれません。

空想世界をつくる社会の教科書

空想世界をつくる社会の教科書
ISBN 978-4-297-15937-5
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著者: 榎本 海月、榎本事務所、榎本 秋
出版社: 技術評論社
発売日: 2026/10/23

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