HTML Living StandardとモダンCSSに完全対応! 使いやすくて見やすい、期待以上のリファレンス本 -HTML&CSS全事典改訂4版
Post on:2025年1月24日
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本書の改訂版がでるのを待っていた人も多いと思います。私もその一人です。
前書から2年が経ち、その間にも多くのHTMLの要素やCSSのプロパティが増え、この改訂4版では100種類以上の項目が追加されています。
本書はHTMLとCSSのリファレンス本としてだけでなく、補足情報やテクニックの解説もかなり充実しており、Web制作者なら必ず持っておきたい一冊です。手元にあるリファレンス本が古いなと思った人には、特にお勧めします。
HTMLとCSSが好きな人なら本書でご飯3杯は軽くいけます!!
本書は2015年に刊行されて以来、ベストセラーを続けている「HTML&CSS全事典」の最新版、改訂4版です。2024年11月現在の仕様にあわせて全面改定されており、HTMLとCSSのリファレンスだけでなく、新機能の解説、今時の記述方法、@ルールのさまざまな使い方、CSSの関数など、Web制作者として必要不可欠な知識とテクニックも解説されています。
書籍はB6判でちょうどよいサイズ感。720ページとかなり分厚い(3cm超え)ですが、見開きを手放しでキープできる製本になっています。ちなみに、第3版は592ページでした。
Kindle版も発売されていますが、利便性を考えると書籍版が圧倒的に便利です。
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
リファレンス本で重要なのは、何をサポートしているかです。改訂4版となる本書は執筆時点(2024年11月)のWeb標準仕様をサポートしています。HTML Living Standardはもちろん、W3Cが勧告している仕様に基づいています。
本書は2部構成ですが、あえて3部構成と言わせてください。というのも目次(後述します)もリファレンスにとって非常に重要だからです。
第1部はHTML編として、各要素の意味や使い方、使用例をはじめ、マークアップに必要な知識も詳しく解説されています。HTMLの仕様は2019年にW3CからWHATWGに策定が変わり、HTML5やHTML5.2がなくなり、HTML Living Standardに一本化されました。各ブラウザのベンダーもW3Cの仕様は無視し、WHATWGの仕様に合わせてブラウザの開発が進められています。
HTMLの基礎知識では、HTMLの記述ルール、コンテンツモデル、セクションとアウトライン、ブラウジングコンテキスト、Webアクセシビリティについてコンパクトにまとめられています。知っていることでもいろいろな見方をすることで、気づきや新たな発見があるかもしれません。
HTMLのリファレンスでは、各要素の機能、対応ブラウザ、基本書式、機能の詳細、要素の詳細、使用できる属性一覧、記述例がまとめられています。
details
要素とsummary
要素は、Chrome 131で構造をスタイルするオプションが増えました。こんな見た目もdetails
要素とsummary
要素で実装できるのかと驚くばかりです。
詳しく、detailsとsummary要素のスタイル改善をご覧ください。
HTML編は全部で200ページくらいです。
続いては、CSS編は450ページくらいの大ボリュームです。基礎知識では、仕様、書式、ボックスモデル、レイアウト、詳細度、メディアクエリ、関数
実践的なテクニックも「より効率的なCSSの記述」として解説されています。ヘッダの高さ分ずらしてスクロール、要素内における中央揃え、セレクタの簡略化など知っておくと便利なテクニックです。
モダンCSSでは、@ルールも便利なものが増えました。昔は、@charset
で文字エンコーディングの指定、@import
で外部CSSの読み込み、@media
でメディアクエリくらいでしたが、機能に対応しているブラウザだけにスタイルを適用できる@supports
、詳細度とスタイルの順序を明示できる@layer
、メディアクエリとは異なり親コンテナのサイズに基づいてスタイルを適用できる@container
などがあります。さらに、最近では@property
や@scope
もすべてのブラウザにサポートされ、これからの実装にかなり役立ちます。
詳しくは、下記をご覧ください。
CSSの単位もかなり増えました。こういうのが一覧になっていると便利ですね。
- フォントに基づく相対単位(em, rem, cap, ch, ex, ic, lhなど)の便利な使い方を解説
- ビューポートに基づく相対単位(vw, vh, lvh, svh, dvh, vb, viなど)の便利な使い方を解説
- コンテナクエリに基づく相対単位(cqw, cqh, cqi, cqb, cqmin, cqmaxなど)の便利な使い方を解説
- 相対単位が主流の現在、絶対単位(px, in, mmなど)は特定のケースで非常に役立ちます
CSSの各セレクタやの解説もシンプルにまとめられています。機能、基本書式、機能の詳細など、どんな風に使用するのかが一目で分かります。
CSSの各プロパティの解説では、機能、基本書式、機能の詳細のほか、プロパティの初期値、継承の有無、適用できる要素、値の指定方法なども解説されており、コードや図も充実しています。
本書には2024年11月分まで収録されているので、最近リリースされた機能も収録されています。
HTML&CSS全事典 改訂4版の目次
そして、目次のボリュームもすごい!
HTMLとCSSのインデックスには簡単な説明も加えられており、非常に便利です。
HTML&CSS全事典 改訂4版の目次
さらに目的別のインデックス、いわゆる逆引きというやつです。HTMLもCSSも同じ系統の役割がアルファベット順並んでいることはまずないですから。
HTML&CSS全事典 改訂4版の目次
CSS Gridであれどうやるんだっけ? あの疑似クラスはどれだっけ? というときにこの目的別インデックスが非常に役立ちます。
HTML&CSS全事典 改訂4版の目次
HTMLとCSSが好きな人なら、本書でご飯3杯は軽くいけると思います。私はテクニック関連の解説書とかも好きですが、リファレンス本が一番の大好物ですね。始めから終わりまで繰り返し繰り返し読んで、さらに繰り返して読んでも全然飽きません。自分が携わったプロジェクトを振り返ったり、次のプロジェクトでやってみたいことをリスト化したり、また頭をリセットするために読むこともあります。
献本の御礼
最後に、献本いただいたインプレスの担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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