AppleとIKEA、どちらのロゴを正確に描ける?ブランドのロゴを人はどのくらい記憶できているか
Post on:2017年10月11日
Apple、スターバックス、セブンイレブンなどのロゴを見た時に、Appleだ! スターバックスだ! セブンイレブンだ! と多くの人が認識するでしょう。しかし、逆はどうですか?
人は実際にロゴをどのくらい正確に記憶しているか、形やカラーを覚えているか、その実験結果を紹介します。
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下記は各ポイントを意訳したものです。
※当ブログでの翻訳記事は、元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。
グローバルに展開している会社・ブランドのロゴをどのくらい記憶できているか、156人に調査してみました。
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実験の対象にしたロゴ
- Apple -アップル
- adidas -アディダス
- Burger King -バーガーキング
- Domino's -ドミノ・ピザ
- 7-Eleven -セブンイレブン
- Foot Locker -フット・ロッカー
- Starbucks -スターバックス
- Walmart -ウォルマート
- Target -ターゲット
- IKEA -イケア
- 今回の実験を終えて
Apple -アップル
実験結果は、左上が不確かに記憶されているロゴ、右下がより正確に記憶されているロゴです。
Appleのロゴと言えば、シンプルでエレガントが特徴です。しかし、そのシンプルな形をほぼ完全に描くことができたのはわずか20%でした。また、33%は現実には存在しない茎を描いており、葉も15%が描いていました。84%が咬合を覚えていましたが、5分の1以上が誤って右側ではなく左側に描きました。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
私たちが知っているAppleのロゴは、1977年に広告代理店のRegis McKennaによってデザインされました。アートディレクターのRob Janoffの挑戦は、象徴をよりビジネス的にすることでした。
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ロゴの移り変わり
156人のうち5人(3%)がロゴを虹色の縞模様で描いており、彼らの平均年齢は42歳です。ちなみに、参加者の平均年齢は34歳です。6%は赤色(林檎が赤だから?)にし、ブラック・グレーと認識していたのは72%でした。
adidas -アディダス
adidasのロゴは、3本のストライプなラインが特徴的です。しかし、11%の人が4本以上のラインを描きました。また、「adidas」の文字はすべて小文字表記が正しいですが、21%が大文字の「A」を描きました。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
adidasのロゴは二度に渡り、大きく変わりました。10%がTrefoilのロゴを思い浮かべ、その3つの葉はアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの大陸を表すことを意図しており、それらを結ぶ3本の線は多様性を示しています。Trefoilのロゴは現在でも、同社の製品の一部に利用されています。
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ロゴの移り変わり
adidasのロゴはブラックですが、ブルーをイメージされる人もいます。ロゴにブルーは含まれていませんが、梱包の箱にブルーが使用されているのがその理由でしょう。
Burger King -バーガーキング
バーガーキングはAppleやadidasとは異なり、カラフルな3つのカラーが使用されています。3つのカラーで構成されるロゴは複雑で、参加者の記憶の正確さが下がると予想していました。
ロゴをある程度正確に記憶していた人はAppleで20%、adidasで11%でしたが、バーガーキングは18%で予想を裏切る結果となりました。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
興味深い結果として、21%が1957年から1968年まで使用されたロゴの王冠を描いたことです。王冠のみをロゴのデザインとして描いている人も多く、キングを象徴するシンボルとも言えます。
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ロゴの移り変わり
最近のデザインでは、レッドのテキストとオレンジのバン半分で構成されています。5人に1人がなぜ王冠を描いたのかは分かりませんが、古いロゴを覚えていたか、現在の形でそれを描こうとしたけれど、いくつかの重要な特徴を忘れていたということです。
Domino's -ドミノ・ピザ
ドミノピザのロゴで特徴的な3つのドットは、1960年代に創設者であるトムとジェームズが所有する最初の3つの店舗を意味しています。計画としては、店舗が増えるごとにドットを加える予定でしたが、あまりにも急成長したため、3つドットはそのままになっています。
この3つのドットは28%が正しく記憶しており、正確に1つと2つで配置しています。しかし、37%が4つ以上で、14%が0でした。全体的に16%がほぼ完璧に記憶しており、28%が少し間違っているだけで、これまでで一番多くの人が記憶していると言えます。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
ロゴの形は現在の長方形と正方形があり、15%が正方形で記憶していました。現在のカラーは明るいブルーに変更されていますが、暗いブルーで記憶してる人が圧倒的に占めていました。
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ロゴの移り変わり
ブランドネーム、スペルが正確に記憶されていないのが目立ちます。55%はアポストロフィを忘れ、11%がDominoeと「e」を加えました。
7-Eleven -セブンイレブン
セブンイレブンのロゴは1946年に初登場して以来、大きくデザインを変えていません。数字の「7」に「Eleven」を交差させ、グリーンの背景にホワイトの台形に配置しています。唯一の大きな変化は、1969年に「7」の一部がオレンジになったことです。
この大きく変えていないことは結果にもでています。19%がほぼ完璧に描き、46%が少し間違っているだけでした。間違いの傾向は2種類で、「Eleven」を数字の「11」で描いてしまう、「Eleven」を「7」の下に配置してしまうでした。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
セブンイレブンのロゴで最も特徴的なのは、11が「ELEVEn」と表記されていることです。最後が大文字ではなく、小文字の「n」です。これは1%しか記憶していませんでした。この1%は2人ですが、セブンイレブンの卸売業で関係者でした。
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ロゴの移り変わり
50年以上もほとんど変化していないにもかかわらず、セブンイレブンのロゴはあまりにも多くの要素を含んでいるため、人々を混乱させる可能性があります。
Foot Locker -フット・ロッカー
フット・ロッカーはアメリカに本拠を構える靴を中心とした大手アパレルのブランドです。ロゴの特徴でもある人物を多くの人が思い出すのに苦闘する複雑なポイントです。ちなみにこの人物は、腰の上に手をおいた審判員がデザインされています。
一見複雑そうに見えるロゴですが、57%が審判員の手が腰の上にあることを記憶しており、60%が正しい方向に向いていました。しかも、8%はほぼ完璧に審判員のデザインを正しく記憶しており、今回のテストで2番目に印象深い結果でした。
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ロゴのデザインは1988年当初から現在まで変わらず、店舗やショッピングバッグにも使用されています。
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ロゴの移り変わり
Starbucks -スターバックス
現在目にするスターバックスのロゴは2011年に登場したデザインで、双子の人魚(ギリシア神話で知られているサイレン)が大きく描かれています。以前はテキストで「Starbucks Coffee」と入っており、グリーンとブラックが使われていましたが、現在はグリーン一色です。
ロゴをシンプルにしたにも関わらず、完璧に描けた人はたった6%でした。確かに人魚という印象深いアイテムは90%以上が含んでいますが、形が複雑なため、極めて少数しか正確に思い出せていません。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
スターバックスは1971年の設立以来、4つのロゴを使用しており、それぞれで双子の人魚(ギリシア神話で知られているサイレン)を異なるデザインで使用しています。最初のバージョンでは人魚はトップレスでしたが、1987年には髪で覆い、カラーもブラウンからグリーンに変わり、よりシンプルになりました。
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ロゴの移り変わり
人魚の特徴としてもう一つ、王冠を身につけています。しかし、これも45%が忘れており、55%はツインテールも忘れていました。また、2011年以前に使用されていたブランドネームとブラックのロゴを31%が描いていました。
全体として、スターバックスは毎日約1800万杯のコーヒーを販売しているにもかかわらず、人魚のディテールは今回調査したすべてのブランドの中で記憶している人が最も少ない数字でした。
Walmart -ウォルマート
ウォルマートは売上額が世界最大のスーパーマーケットチェーンで、28カ国に11,500以上の店舗を持っています。
ウォルマートのロゴのポイントの一つが、文字にハイフン(またはスター)です。現在のロゴには使用されていませんが、1964年から2007年まで使用されており、2008年にサンバーストの記号が加わりました。この新しい記号は42%が正しく記憶しており、68%が記号の存在を記憶していました。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
ロゴのデザインは1968年に一時的に大きく変化しましたが、現在のは最初に使用していた「Wal」と「mart」の間にハイフンがないタイプで、右端に記号が添えられました。
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ロゴの移り変わり
セブンイレブンの19%には及びませんが、12%が正しく記憶していたというのはadidasと同じです。カラーと文字に関しては非常にシンプルなデザインですが、サンバーストの記号が正確に思い出すためのネックになります。存在自体は覚えるのは簡単です、しかし正確にとなると十分な複雑さがあり、人々は混乱させられます。また、完璧に描けない理由として、ロゴに紛らわしい新旧バージョンがあることです。これは他のブランドよりも多くの似たデザインがあります。
Target -ターゲット
ターゲットはアメリカで最大のディスカウントショップのチェーンです。そのロゴも最も認識しやすいものの1つです。2003年のターゲットの調査によると、北米で96%がレッドの的をターゲットと関連付けました。
今回の実験でこのロゴは2番目に多く記憶しており、52%がほぼ正しく描きました。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
現在のデザインに変えたのは2004年で、特徴的なレッドの的は1962年から使用され続けています。
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ロゴの移り変わり
ロゴの主要な特徴であるカラーは、100%がレッドであると正しく記憶していました。59%が二重のリングであると記憶していました。さらに、59%が「Target」が的の下に配置されていることを記憶しており、人々にブランドが十分に浸透していると判断できます。
IKEA -イケア
今回の実験で、最も正確に記憶している人が多かったロゴが、イケアです。30%がイケアのロゴを正確に描き、ターゲットの25%やAppleの20%と比較して、カラーや形が複雑でテキストがあるのにも関わらず、多くの人々が正しくロゴを描きました。
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人々が記憶しているロゴのデザイン
イケアのロゴで最も重要な要素の一つは、「IKEA」の文字です。88%が正しく大文字で記憶していました。
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ロゴの移り変わり
長方形と楕円のデザインは長年変わりはありませんが、カラーが大きく変更されています。しかし、現在のブルーとイエローは多くの人に記憶されており、41%がイエローの楕円の上に「IKEA」を正しく配置しました。
今回の実験を終えて
今回の実験において核心となる質問は、「私たちが毎日見ているロゴをいかに正確に思い出すことができるのか」です。結果をまとめると、ロゴのカラーは多くの人(80%)が記憶しており、ロゴの形や要素は思い出すのが難しいというものでした。
全体的に16%が完璧なロゴを描き、37%が少し間違ったロゴを描きました。
中でも、イケアが最も多くの人が記憶しており、スターバックスが非常に低い数字でした。結果を下記の表にまとめました。
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人々はロゴをいかに正確に思い出すことができるのか
平均して、若い人は年配の人よりも正確なロゴを描き、特にセブンイレブンとバーガーキングとアディダスで最も目立ちました。ウォルマートは年齢に関係ない結果がでています。
また、参加者の自己採点も興味深い結果がでています。
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左: 審査員による採点、右: 参加者の自己採点
参加者の70%が過大評価していました。参加者の自己採点の平均は10点中5.3点でしたが、審査員による実際の平均点数は3.8点でした。
ロゴを記憶してもらうのは難しいことなのか
「人々は見るけれど、観察はしない」というシャーロック・ホームズの言葉があります。巨大企業のロゴは広く普及しているため、これらのブランドを認識し、関与させるための写真的な記憶は必要ありません。代わりに、私たちは十分に覚えています。
このプロセスは「不注意な記憶喪失(inattentional amnesia)」と呼ばれています。何かを何度も見たにもかかわらず、永続的な記憶を作り出すことはできないというものです。
今回の実験でわたし達は、自信があるにもかかわらず、ロゴを覚えるスキルは驚くほど虚弱であることを見ました。おそらく、あなたはもう少し上手くいくだろうと思っています。最後にあなたへの単純なクイズで終わります。
Googleのロゴの2番目の文字のカラーは何ですか?
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