朗報! これでCSSネストの記述方法がより簡単になります

2023年、CSSにもたくさんの新機能がブラウザに実装されました。そのうちの一つがCSSネストで、現在ではChrome, Edge, Safari, Firefoxの主要ブラウザにサポートされています。

来週リリース予定のChrome 120で、CSSネストがより分かりやすい構文もサポートされ、記述方法が簡単になるので紹介します。

CSSネストの記述方法がより簡単になります

CSS nesting relaxed syntax update
by Adam Argyle

下記は各ポイントを意訳したものです。
※元サイト様のライセンスに基づいて翻訳しています。基づいてというのは、貢献部分に関して同ライセンスも含みます。

はじめに

CSSのネストは、2023年3月にリリースされたChrome 112でサポートされ、現在では主要な各ブラウザでサポートされています。

CSSのネストのサポートブラウザ

CSSのネストのサポートブラウザ

しかし、CSS Nestingで取りあげたネストが無効になる例で、構文に対する厳密で予期せぬ案件が1つありました。この記事では、ネストの仕様で何が変わったのか、Chrome 120で何が変わるのかを解説します。

CSS Nestingを翻訳した当ブログの記事は、下記をご覧ください。

CSSのネストの基礎知識、便利な使い方を詳しく解説

CSSのネストがついにブラウザで使用できるようになった! 基礎知識、便利な使い方を詳しく解説

要素タグのネスト

CSSネストの構文で最初のリリースにおける制限の1つは、HTMLの要素タグ名をネストできないことでした。最初のリリース時には、要素タグをネストするときには、前に&記号を加えるか:is()で内包する必要がありましたが、下記のようにHTMLの要素タグを直接ネストできるようになります。

&記号なしでも有効になった仕様は、順序付きリスト・順序なしリスト・定義リストを入れ子にするときに直感的で非常に便利です。

このネストを可能にするために何が変更されたのか

これはChromeのエンジニアによる調査とプロトタイプ作成に加え、コミュニティやCSS Working Groupからの要望によるものです。

現在、CSSパーサーには先を読むというコンセプトがないため、タグ名(div)とプロパティ名(visibility)を区別させることができるかどうかについてかなりの疑問がありました。未知のトークンの後に;が続くかどうかを確認する必要があります。そのため、元の仕様では&記号はその後に続くものが入れ子になっており、通常のCSSプロパティと値ではなくネストされていることをブラウザに示すために使用されていました。

幸いなことに、あるエンジニアがパーサーが通常の消費パスに従ってネストされたセレクタをプロパティとして解析できなかった場合、プロパティではなくセレクタを想定したモードで再開できることを発見しました。パースが再開されると、ネストはセレクタのネストとして認識されます。これは十分に後続で信頼性が高いため、構文をリリースするのに十分であると判断されました。

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