ウェブデザインにおける効果的なコミュニケーションの取り方

ウェブデザインにおける明確で効果的なコミュニケーションの取り方をSmashing Magazineから紹介します。

ウェブデザインにおける効果的なコミュニケーションの取り方

Clear And Effective Communication In Web Design

下記は、簡潔に意訳したものです。

1. コミュニケーションのアプローチ方法

ウェブサイトの来訪者とコミュニケーションを取るためのアプローチ方法をいくつか紹介します。

  1. テキスト
    見出しやコンテンツ内にかかわらず、来訪者はテキストをメッセージとして受け取ります。コミュニケーションにおいて、極めて重要な要素です。
  2. 画像
    画像は、テキストよりもすばやくメッセージを伝えるときがあります。画像を作成する際は、メッセージを魅力的に伝えられるようにします。
  3. タイトルとヘッダ
    タイトルとヘッダは、来訪者に主要なポイントと考えを伝える重要で効果的なものです。
  4. アイコン
    アイコンはウェブデザインの特徴的なもので、テキストを使用しないでもメッセージを伝えられることができます。家をモチーフにしたアイコンの意味を来訪者の多くは知っています。
  5. デザイン スタイル
    デザインのスタイルも重要な要素です。ターゲットとなる来訪者に合わせたデザインスタイルを取り入れます。例えば、スケートボードの販売サイトではグランジスタイルは効果的です。
  6. カラー
    使用するカラーやカラースキームは、来訪者にウェブサイトがどのように見えるかという大きな役割だけでなく、来訪者へメッセージを伝えることもあります。
  7. オーディオとビデオ
    高速回線の普及で、オーディオやビデオのコンテンツが近年増えてきました。コミュニケーション手段としても大きな可能性を秘めています。

2. コミュニケーションをとるためのチャレンジ

来訪者と効果的にコミュニケーションをとるためには、多くのチャレンジがあります。

  1. 多すぎるコンテンツ
    デザイナーが打ち勝たなければならない大きなチャレンジの一つに、配置すべきコンテンツの量を決めることです。もちろん多くの質の高いコンテンツを持つことは良いことですが、過剰なため邪魔になり来訪者とのコミュニケーションを難しくしてしまうことがあります。
  2. 多様な来訪者
    ウェブサイトを開発する際、来訪者はユニークであるということを念頭におく必要があります。そして、来訪者は必ずしも同じ目的を持ってサイトに来訪しているわけではないことも知っていなければいけません。
  3. 明快に伝える
    来訪者に伝わるようにメッセージは明確にし、それを邪魔するノイズは取り除くようにします。
  4. 簡潔に、漏れなく
    明快に伝える際、簡潔に短いメッセージを使用することは非常に効果的です。タグラインの使用は来訪者に忘れがたい強い印象を与えることができます。
  5. パーソナリティ
    来訪者と効果的なコミュニケーションをとるために、ウェブサイトにパーソナリティをつけるようにします。
  6. デザインで圧倒させない
    デザインは、戦略上ウェブサイトのメッセージを拡張するために使用されるべきです。ウェブサイトにとって、コンテンツは重要なプライオリティであり、デザインは訪問した際に楽しく忘れがたくさせ、ユーザビリティの向上に使われるべきです。デザインは、コンテンツに関してプライオリティを持つべきではありません。
  7. 信頼を得る
    コミュニケーションの中で最も大きなものは、来訪者の信頼を得ることです。特に販売サイトでは重要なことです。
  8. 退屈させない
    訪問者がサイトで目的が達成できなかったり理解できない場合、来訪者はブラウザを閉じたり、他のサイトに移動してしまいます。このようなことが起きないように設計するのは、コミュニケーションにおいて必要条件です。

3. コミュニケーションで伝えるべきこと

コミュニケーションに関して、どこに焦点を合わせて、何を伝えるべきであるか。

  1. 何者?
    すべてのウェブサイトにおいて、伝えるべき最も重要なメッセージはその目的です。ウェブサイトがなぜ存在するのか、それを来訪者に正確に伝える必要があります。
  2. 何を提供している?
    目的を理解することに加えて、ウェブサイトが何を提供しているか理解することも重要です。提供しているサービスがあれば、それをを明確に伝えるべきです。
  3. ベネフィットは?
    利用可能なサービスやプロダクトの紹介だけでなく、それが利用者にどのように役立つのかを知らせる必要があります。利益を伝えることは、機能紹介より強調して伝えることもアリです。
  4. アクションは?
    サービスやプロダクトが魅力的な場合、来訪者は何らかのアクションをとろうとします。サービスの利用方法、商品の購入方法、連絡手段などを提示する必要があります。

4. 効果的なコミュニケーションのためのチップス

来訪者と効果的なコミュニケーションをとるためのチップスです。

  1. 優先順位をつける
    開発時の最も重要なステップは、メッセージに優先順位をつけることです。たいていのウェブサイトは来訪者に伝えたいメッセージを複数持っています。この中から最も重要なメッセージがフォーカスされるようにプライオリティを決定します。そして、来訪者に伝えるべきメッセージが何であるかを知っている必要があります。あなた自身がウェブサイトの目的やメッセージを挙げることができないなら、来訪者は正確にメッセージを理解することは不可能です。
  2. 何を伝えるか
    来訪者がウェブサイトから知っておいてほしいことを明確にしておいてください。何が重要であるか、それを効果的に来訪者に伝える努力をするべきです。
  3. シンプルに
    コミュニケーションをとるには、メッセージが単純で、過剰なものがないのは非常に効果的です。インフォメーションの量を減らすことで、残したインフォメーションが来訪者とのコミュニケーションを容易にします。
  4. ターゲットは適切に
    ウェブサイトの来訪者はユニークで多様です。開発時、目標とするターゲットを考慮にいれることは重要なことです。ウェブサイトとって最も重要なターゲットは誰ですか? 複数のターゲットを想定する際は優先順位をつけウェブサイトを開発します。
  5. ミスすることがないように
    来訪者が重要なメッセージを受け取る際に、最も効果的な方法はミスすることがないようにすることです。デザインでいえば例えば、太字や色付きにして目立つようにします。他にはビデオを使用することも有用です。
  6. テキストのスタイル
    太字や色付きや大きいサイズのテキストを使用することは、メッセージを容易に目立たせることができます。これは来訪者にとって、ビジュアル的に優先順位を提供できます。ただし、多くのメッセージにこの手法を使用することは、充分な効果を与えられるとは言えません。テキスト自体のスタイルだけでなく、背景色を加えるだけでも充分な効果を与えることができます。
  7. ヘッダとサブヘッダ
    ある程度量のあるテキストから構成されるページで、ヘッダ・サブヘッダを使用することは非常に効果的です。ヘッダによって単に空白スペースができ、太字などにページデザインに変化をつけるだけでなく、コンテンツの情報構造や主要なメッセージの要約を伝える役割も果たします。
  8. 重要なものだけに
    必要なものを多くすることによって、メッセージを複雑にしてしまうことがあります。この解決方法は影響を与える重要なものだけにすることです。もしテキストや画像が目的を満たさないようであれば、それは単にメッセージを複雑にしているだけです。

5. コミュニケーションのためのゴール

ウェブサイトの設計・開発するとき、効果的なコミュニケーションをつくるために、念頭におくべきゴールです。

  1. 明快に
    ウェブサイトの開発者・オーナーのコミュニケーションの主要なゴールの一つが明確なメッセージを伝えることです。来訪者がウェブサイトを去るまでに、主要なメッセージを認識し理解するようにします。
  2. 有用なコミュニケーション
    もし正しくメッセージを伝えられないなら、良いビジネスにはなりません。適切なメッセージを伝えることは、ビジネスにとって最も効果的で、来訪者にとっても非常に有用なことです。
  3. メッセージの一貫性
    来訪者はウェブサイトのトップページから来訪するとは限りません。メッセージはトップページ以外でも伝えられていますか? トップページだけでなく、ウェブサイト全体で一貫したメッセージを伝えるべきです。
  4. デザインで補完
    見た目がすばらしいウェブサイトはすばらしいものですが、コンテンツやコミュニケーションを犠牲するのではなく、それらを補完するようなデザインを採用します。
  5. ターゲットユーザー
    ウェブサイトの有効性を最大にするには、コミュニケーションはターゲットとなる来訪者に適切でなくてはいけません。もし、ターゲットとなる来訪者とコミュニケーションがとれないようであれば、それを優先させて実施してください。
  6. サイトの構造
    効果的なコミュニケーションをとるために、ウェブサイトの構造とナビゲーションは非常に重要です。来訪者が目的のものを見出すために大きな役割を果たします。ウェブサイトの構造とナビゲーションを明確にすることによって、コミュニケーションの改善に大きく役立ちます。

6. 良いコミュニケーションの結果

来訪者と効果的なコミュニケーションを達成することができたウェブサイトは利益を生みます。

  1. 目的を理解する
    来訪者がウェブサイトの目的を理解し、それが来訪者にとって有用であれば、ウェブサイトは非常に大きな利益を生みます。ウェブサイトの成功のポイントは、基本に忠実な効果的なコミュニケーションです。
  2. ブランディング効果
    効果的なコミュニケーションの結果として、ブランディングの改善があります。ウェブサイトのメッセージを伝えられたら、来訪者に会社のイメージとして印象を残すでしょう。
  3. 直帰率の減少
    効果的なコミュニケーションをもつウェブサイトはユーザーフレンドリーで、来訪者にいっそう役立ちます。このようなウェブサイトは来訪者を長い時間滞在させ、より多くのページが閲覧される可能性が高いです。
  4. フラストレーションの軽減
    コミュニケーションがうまくいかないと来訪者は不快な印象を持ちます。目的が不明確だったり、探しているものが見つけにくいなど効果的なコミュニケーションがとれないウェブサイトは多くの訪問者を失望させます。
  5. ウェブサイトのゴール
    ウェブサイトは多くの異なったゴールを持っています。ゴールがどういったものかにかかわらず、効果的なコミュニケーションをもつことでゴールを達成する可能性は高くなります。プロダクトの販売、サービスの促進、ユーザー数の増加などこれらの成功に、コミュニケーションはかかせません。
  6. 問い合わせ
    もし訪問者が探しているものが見つからない場合、メールやフォームなどで問い合わせを受けるかもしれません。問い合わせ内容がウェブサイトに記載してあることや、繰り返し尋ねられてしまうことや、ウェブサイトでは答えられない質問の場合、コミュニケーションがうまくとれていないということです。訪問者がヘルプを必要せずに、探しているものが見つかるようにしてください。

参考

有用的なナビゲーションの実例として「ユーザーフレンドリーな優れたナビゲーション集」を参照ください。

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