自分に、大切な人に言葉の贈り物。誰もが知っている模様にまつわる、あまり知られていない物語 -模様と意味の本
Post on:2016年9月9日
いつもはWebデザインや制作の解説書の紹介が多いですが、今回は見かけたら手に取りたくなるような素敵な一冊を紹介します。
その正方形の装丁も、中身の紙面もかわいくデザインされており、持っているだけで幸せな気分になれる一冊です。大切な人への贈り物にもいいですね。
そんな本書の中身を少しだけ紹介します。
本書は、誰もが知っている模様「点と水玉」「線と縞」「四角と格子」「曲線と花柄」、さらにフラクタルや超越数論など科学と数学の分野に見られるパターンまで、さまざまなな模様について書かれています。
素敵なイラストとともに、模様にまつわる歴史や逸話、雑学、文学、芸術、文化史的なトリビアや豆知識が数多く紹介されています。
本からあふれる言葉の渦に、心地のいい時間が過ごせます。
ページで使用されている模様やイラストも非常にセンスのよいものばかり。
水玉はデザインだけでなく、ファッションでも人気が高い模様です。デザイナーとしての知識だけでなく、身の回りの雑学として興味深い話もたくさん掲載されています。
人物を特定するためには、ドットは最低150個必要だそうです。
これは点描で超細密な人物画を描く巨匠、チャック・クロースの言葉です。
円相は円を一筆書きした日本の書画の一つで、この円相を際立たせる要素は文字と円の並置です。さまざまな国の文化で見られる模様は面白いですね。
タータンは四角と格子をつかった模様で、タータンについて知っていると思っていたことのほとんどが作り話で、驚きました。
模様はどういう風に流行すると思いますか?
例えば花柄は英のウィリアム・モリスがインテリアのデザイン、壁紙、カーテン、家具、クッション、陶器など、モリスデザインとして広く一般的に広まりました。
模様と意味の本の目次
- イントロダクション
- 模様について:ごく簡単な歴史とガイド
- 点と水玉
- 線と縞
- 四角と格子
- 曲線と花柄
- 枠組を超えたパターン:詩、図形、幾何学
いくつか見出しもご紹介。
- 模様を見るときにあなたの脳で起きていること -ゲシュタルト心理学
- 水玉のドレスを着た少女
- 日本の「円相」
- 水玉アートとアクティヴィズム
- 中世の紋章学
- ジェヴォーダンの魔獣
- 「いき(粋)」の構造
- 境界線と建造物
- オヤ: トルコの女性を彩る花の刺繍
- 迷彩の矛盾
- 数学と科学のパターン
- 壁紙の模様は理論上17種類しかない
模様にまつわる素敵な話、心に残る魅力的な言葉がつまった一冊です。
寝る前に一つ二つ読むと、一日の疲れも忘れ、安らかな気持ちになれました。
献本の御礼
最後に、献本いただいたフィルムアート社の担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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