GIMPでかなりのことをできるのがよく分かる一冊!最新バージョンに対応したGIMP解説書 -GIMP 2.10 独習ナビ
Post on:2020年1月24日
GIMPは6年ぶりに2.10に正式バージョンアップされ、2020年現在最新版は2.10.14となりました。それ以前はプラグインでしか利用できなかった機能などが標準で利用できるようになり、無料とは思えないほど高機能なグラフィックソフトです。
新しくなったGIMPの使い方を詳しく解説した「GIMP 2.10 独習ナビ」を紹介します。Widows 10にもmacOSにも対応しています。
私は普段Photoshopを使用しているのですが、本書を読んで、GIMPもなかなか負けてないなと思いました。しかも、無料でWindowsでもmacOSでも利用できるというのは最大の魅力です。
本書では、GIMPの機能を学べるのはもちろん、作業の工程までていねいに解説してあるので、GIMPを使う時には必読の書です。
Kindle版も同時発売されています。
本書の中身を紹介します。
本書は大きく分けて、レッスン、リファレンス、練習問題の3つで構成されています。レッスンではGIMPを実際に操作してデザインし、リファレンスではGIMPを活用するための機能や知識やテクニックを学べ、練習問題では実践的にデザインの知識を身につけることができます。
レッスン、リファレンス、練習問題の前にGIMPの基本から本書は始まります。GIMPでどういうことができるのか、WindowsやmacOSにインストールする手順、GIMPの基本画面や基本操作が解説されています。
GIMPのツールを見るだけでも、いろいろなことができるのが分かります。
それでは、レッスンを見てましょう。
作品を作りながら、GIMPの基本が身につく入門的なセッションです。
解説は非常に丁寧なので、手順どおりに進めるだけで、実践的な作品をGIMPで制作することができます。
レッスンは作品ごとに分かれています。他には、写真画像からアニメ風の背景に加工、ロゴの作成、写真をトレースしてイラストを描くなど、GIMPでできます。
写真をトレースしてキャラクターのイラストを描く。
続いて、リファレンス。
GIMPでよく使う機能や効果、応用テクニック、それらを補足するデザインの知識など、クリエイターに必要な情報がまとめられています。
GIMPではブラシや消しゴムのほかに、塗りつぶし・グラデーションなど面を塗るためのツールも豊富に用意されています。
こういったグラフィックツールでよく使う機能の一つが、選択範囲です。PhotoshopのAIとは言いませんが、ある程度自動的に選択できるファジー選択や電脳はさみや前景抽出選択といった機能があるのも面白いですね。
画像の補正機能も充実しています。カラーバランス、色温度、色相、露出、影-ハイライト、明るさ-ハイライト、着色、レベル補正、トーンカーブ、カラーマッピングなど、目的に合わせて画像補正ができます。
GIMPではもちろん、レイヤー機能も備えています。レイヤーマスクもPhotoshopと同じように利用できます。
画像にさまざまな効果を与えるフィルターも豊富、Photoshopよりも多いくらいです。本書では書くフィルターの効果が一覧で表示されているので、使う時に便利です。
グラフィックツールで大事なポイントの一つが、文字のデザイン。滑らかな表示をはじめ、文字揃え、行間隔、文字間隔、文字の変形など、GIMPでしっかりデザインできます。日本語のフォントも問題ありません。
最後の練習問題は、これまでの復習セクション。本書で学んだ知識や操作テクニックを使って、デザインの問題を解決します。素材はすべてサポートページからダウンロードできます。
GIMP 2.10 独習ナビ 改訂版の目次
- GIMPの基本
- レッスン1 スイーツの写真をかわいく演出する
- レッスン2 2枚の写真を合成してポストカード風に仕上げる
- レッスン3 美麗アニメ背景風に写真を加工する
- レッスン4 サークル活動やユニフォームのロゴを作成する
- レッスン5 写真をトレースしてキャラクターのイラストを描く
- リファレンス1 解像度の基本
- リファレンス2 描画系ツールの使いこなし
- リファレンス3 選択範囲の作成
- リファレンス4 画像の色調補正
- リファレンス5 レイヤーの活用
- リファレンス6 画像の加工テクニック
- リファレンス7 文字の入力と編集
- 練習問題1 写真の角度を修正して切り抜こう
- 練習問題2 色のくすんだ写真を鮮やかに補正しよう
- 練習問題3 写真を雑誌の表紙風に仕上げよう
- 練習問題4 人やテントを消して無人の風景写真にしよう
- 練習問題5 角丸の立体的なプレートを作ろう
GIMPでかなりのことをできるのがよく分かる一冊でした。GIMPをこれから使いはじめる人はもちろん、すでに使っていてさらに使いこなしたい人にもお勧めです。
献本の御礼
最後に、献本いただいたインプレスの担当者さまに御礼申し上げます。
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