考える力とは、クリエイターとしての成長反省、気付きを与えてくれる良書 -「アタマのやわらかさ」の原理。
Post on:2018年11月22日
『「必要になったら、詳しく調べよう」というレベルで知っている情報は、発想にうまく生かせない』この一文にはっとさせられました。インターネットが登場し、そして今ではスマホでいつでもどこでも簡単に検索できる時代です。
『情報を経験すると、知識になる』まさにその通りだと思います。
クリエイターとしての成長、反省、そして気づきを与えてくれる良書を紹介します。
本書は多くのクリエイターが経験から学び、実践していることが分かりやすく文章化されており、読む前と読んだ後では同じ体験でも違った経験を積むことができるようになると思います。
こういう本が苦手な人でも語りかけるような文章なので、すぅっと入ってきます。
Amazonレビューも高評価が多いですね。
Kindle版は少しお値段がお得です。
紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
クリエイティビティには、「アタマのやわらかさ」が大切です。これは文字通り、物事を柔軟に見つめなおし、とらえなおしていく思考力のことで、そんな「アタマのやわらかさ」の原理を本書は紐解いていきます。
著者の松永光弘氏は15年に渡り、広告やデザインのクリエイター達の書籍を多数手がけており、その中でクリエイターの多くは「ひらめき」ではなく、「発見」を重視していることに注目しました。すぐれた企画やアイデアは新しいなにかを「ひらめく」のではなく、「見つけている」のです。
本書は4章構成で、1章では「アタマのやわらかさ」の基本として価値を固定させずに新しい可能性をさぐる視点の取り方、2章ではそのベースになっている編集の考え方、3章ではそこから見えてくる創造的なアタマの使い方、4章では日常での練習方法や可能性について分かりやすく解説されています。
編集とは、組み合わせてによって価値やメッセージを引き出すことです。同じ写真でも組み合わせる言葉によって、その写真がもつメッセージが変わります。
組み合わせは、デザインだけではありません。メールなどの文章、ドキュメント、情報、概念など、組み合わせ方一つで、それらの価値はさまざまに変化します。
「必要になった時に調べればいいや」という情報は、知識ではありません。このレベルで知っている情報は、発想にうまく生かせない可能性が高いです。そして組み合わせる際にも、可能性はその分少なくなります。
私がよく知るクリエイターも素晴らしい作品をいくつも生み出ししていますが、そのベースとなる知識を見せてもらった時は、驚きの言葉しかありませんでした。クリエイティブな作品やすごいアイデアは舞い降りる時もありますが、それには確かな土台が必要です。
「変な頼まれごと」をされた経験はありませんか?
自分が得意なことであれば納得ですが、「なぜ自分に?」という頼まれごとは非常に価値があります。他にも人がいる中、自分が選ばれたには理由があります。そういう依頼にこそ、自分が気がつけていない自分自身の価値や能力がそこにあるかもしれません。
「アタマのやわらかさ」の原理。の目次
- 「アタマのやわらかさ」の基本形
- 「アタマのやわらかさ」は編集からはじまる
- 「アタマのやわらかさ」からわかる創造性の5つの誤解
- 「アタマのやわらかさ」で自分を変える
クリエイティブな仕事に就いている人、特に経験の浅い人たちにかなりお勧めします。私も若い頃にこういう本と出会えていたら、と思います。
献本の御礼
最後に、献本いただいたインプレスの担当者さまに御礼申し上げます。
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