プロのデザイナーによるクリエイティブな思考の磨き方 -おとなのための創造力開発ドリル
Post on:2018年1月12日
デザインを作るのも、イラストを描くのも、企画を考えるのにも、すべては創造力からはじまります。プロのクリエイティブディレクターとグラフィックデザイナーによる創造力を鍛えることができる良書を紹介します。
脳にクリエイティブな刺激を与えたい人にオススメの一冊です。
本書は創造力を鍛える問題と解答、そしてアイデアトークと取扱説明書で構成されたちょっと面白いドリルです。
年末年始で緩んでしまった頭の中を引き締めるのにもぴったりだと思います。
紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
本書では簡単に入手できる「紙コップ」を使用してアタマの体操を実践します。
題材と解答例を掲載しますので、思考を柔軟にして、見てみてください。
形態を変えてみよう。
紙コップの色を変えて、新しい価値をつくり出しましょう。
題材は6つのステップに分かれており、それぞれに4問ずつ、計24のテーマが設定されています。テーマごとにクリエイティブな思考を磨くことができ、普段考えないようなアイデアに触れることで、かなり刺激を得ることができると思います。
解答例は著者の一人でもある、グラフィックデザイナーの下浜氏のものです。アイデアの解説だけでなく、アイデアが生まれた理由、アイデアの出し方や膨らませ方なども非常に参考になります。
「アイデアのトリセツ」では、そのテーマの考え方を中心に、クリエイティビティやアイデアについて、ロジカルに解説されています。
プレゼンが苦手な人、自分のアイデアを伝えるのが苦手な人は特に要チェックです!
関係を変えてみよう。
紙コップを擬人化して、コミュニケーションを活性化させましょう。
モノとそれに関わる人の関係性を変えることで、モノの特性を見つめ直してみましょう。
顔を描くだけでは、アイデアとは言えません。コミュニケーションの活性化としてアプローチするには、例えば会議を楽しくするためのツールとして使用すると、楽しく有意義な会議に役立つかもしれないですね。
意味を変えてみよう。
紙コップが未使用であることを言葉を使わずに表現してください。
モノはちょっとした工夫で、さまざまな意味づけをすることができます。性能や機能、中身などが同じだとしても、前後関係や背景を加えることで物語りが生まれます。
「未使用」とは何か、「使われる前」であり、「使われた」状態ではないということです。その使われた状態とは、内側に水滴が付いていたり、縁に口紅が付いていたり、することです。つまり付加できない状態をつくりだすことが「未使用」を表現することになります。
おとなのための創造力開発ドリルの目次
-
- 紙コップのソコを極めてみよう。
-
- 形態を変えてみよう。
- 無地でなくてもいいんじゃない?
- 丸くなくちゃいけないのかな?
- あの紙でなくてもいいのでは?
- なにとなにとで出来ている?
-
- 計量を変えてみよう。
- ちょっと大きすぎるんだよね。
- いっそ巨大にしてしまおう。
- こうなりゃ数で勝負だ!
- ズシリと重いから出来ること。
-
- 関係を変えてみよう。
- 液体に飽きてきました。
- 別のなにかとつながりたい。
- 誰のものなんでしょう?
- そこに人格が宿る瞬間。
-
- 環境を変えてみよう。
- ところ変わればなんとやら。
- 夜になれば別の顔。
- 時の流れに身をまかせ。
- なんのシンボルにしましょうか。
-
- 意味を変えてみよう。
- 語らず語れ。
- 身の上話に耳を傾けてください。
- 感じ方は人それぞれだから。
- 世界でたったひとつの。
-
- 概念を変えてみよう。
- みんなが知っているものだから。
- 内側だけ使うって誰が決めたの?
- 実物だけがホンモノとはかぎらない。
- 本質を奪ってしまおう。
-
- 役に立たない「いいアイデア」はない。
クリエイティブな思考に触れられるだけでも十分楽しめますが、もう一歩踏み込んで、物事の本質のあり方を考えさせられた一冊です。一方から見るのではなく、さまざまな角度、さまざまな方法で見ると、今まで見えなかった物が見える瞬間が訪れます。
献本の御礼
最後に、献本いただいたインプレスの担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
sponsors