明朝体の奥深さを学べる良書! デザイン、さまざまな明朝体の比較、歴史など、明朝体のすべてを解説 -明朝体の教室

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「こんな本、今までなかった」と本の帯にあるように、書体デザイナーが明朝体のデザインと作り方について言語化して解説することは日本の書体設計史上はじめてのことです。

書体デザインに携わる人をはじめ、書体を扱うデザイナーやフォントが大好物な人にかなりお勧めの解説書を紹介します。明朝体の奥深さを楽しめます。

明朝体の教室

著者の鳥海 修氏は、ヒラギノシリーズ、こぶりなゴシック、游明朝体・游ゴシック体など100以上の書体開発に携わった字游工房の書体設計士で、日本の書体デザインの第一人者。そんな氏による游明朝体を基準にした本文用明朝体の作り方、さまざまな明朝体の比較検討、明朝体のすべてを分かりやすく解説した一冊です。

本書は一昨日発売されたばかり、ほやほやの最新刊!

明朝体の教室

明朝体の教室
日本で150年の歴史を持つ明朝体はどのようにデザインされているのか
ISBN 978-4-909718-10-5
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著者: 鳥海 修
出版社: Book&Design
発売日: 2024/1/10

Kindle版は現時点では未定、とのこと(版元様確認済み)。

版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。

紙面のキャプチャ

本書は3章構成で、「漢字の作り方」「仮名の作り方」「欧文書体、算用数字、約物などについて」字游工房の游明朝体を基準にした文字デザインの特徴と作り方、さまざまな明朝体の比較検討、明朝体の歴史など、明朝体の世界にどっぷり浸れます。

紙面のキャプチャ

書体デザインの基礎知識では、わたし達が普段見慣れている明朝体の素晴らしさがよく分かります。たとえば、明朝体においての最重要ポイントとなるのは、「錯視」と「黒みムラ」です。文字のデザインにおいて「錯視」は、垂直の直線が垂直に見えない、真ん中の点が真ん中にあるように見えないなどです。「黒み」は点画が込みいった黒い部分、この黒みの偏在が調整されて書体は作られています。

紙面のキャプチャ

書体見本で「東」「国」を見かけたことはありませんか? これらには文字を見る上で重要な役割があります。「東」の中央縦線の天地幅は標準字面A(数値的な基準)となり、「国」の左の縦線から右の縦線までの左右幅は標準字面B(見た目の基準)になります。さらに「東」には最大字面を決める役割もあります。

紙面のキャプチャ

本書では、字游工房の游明朝体を基準にした文字の作り方が詳しくていねいに解説されています。

紙面のキャプチャ

また、ほかのさまざまな明朝体との比較検討もあり、その書体の特徴だけでなく、どういうところに注目して明朝体を見ればよいかもよく分かります。

紙面のキャプチャ

解説は「東」をはじめ、「国」「永」「鷹」「鬱」、単体漢字の「木」「文」「心」、偏と旁で構成された「調」「海」「通」、冠の漢字「家」「病」「範」、などさまざまな漢字が解説されています。

紙面のキャプチャ

第2章は、「仮名の作り方」一般的な日本語の文章では、仮名が約6割を占めています。そんな使用頻度の高い仮名の明るい文字、動きのある文字、清楚な文字とったコンセプトをひらがなのデザインに落とし込むための方法が分かります。

紙面のキャプチャ

仮名も漢字と同様に、游明朝体を基準にした文字の作り方が詳しくていねいに解説されています。たとえば、「あ」の1画目は『前の文字から続くイメージで。左上からゆっくり軽く入り、谷反りに弧を描きながら2画目の起筆を意識しつる、右上で軽く止まる。」という感じです。もちろん、ほかのさまざまな明朝体との比較検討もあり、書体を見る目を養えます。この記事にはごく一部しか掲載していませんが、「あ」から「ん」まですべての仮名が解説されています。

紙面のキャプチャ

書籍や雑誌など紙のデザインでは縦組みが多いですが、Webサイトやアプリなどでは横組みで使用されることが増えてきました。横組みで日本語書体を使用するときに、知っておきたいポイントがいくつかあります。

紙面のキャプチャ

第2章の後半は、カタカナです。ひらがなと同様に文字の作り方が詳しくていねいに解説されていますが、カタカナは構成されているエレメントのパターンで分類できるため、そのパターンを使用した文字で解説されています。

紙面のキャプチャ

最後の第3章は、句読点や括弧などの約物、算用数字、欧文書体です。一般的な日本語の文章では、約物が約1割を占めています。さまざまな明朝体との比較検討をみると、句点の「。」にも書体ごとに違いがあり、読点「、」もかなり違います。面白いですね。

紙面のキャプチャ

巻末には本書で使用された明朝体が掲載されています。游明朝体をはじめ、ヒラギノ明朝体、筑紫明朝、筑紫オールド明朝、マティス、イワタ明朝体、イワタ明朝体オールド、リュウミン、凸版文久明朝、小塚明朝など、さまざまな明朝体があります。

明朝体の教室の目次

明朝体の教室の目次

明朝体の教室の目次

明朝体の教室の目次

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明朝体が大好物な人に、かなりお勧めです!
明朝体のデザイン、明朝体の歴史、さまざまな明朝体の比較など、明朝体について奥深く学べます。もちろん、明朝体をつくるときや明朝体を使用してデザインするときにも役立ちます。実践的な解説書として、貴重な資料として、持っておいて損のない一冊です。

明朝体の教室

明朝体の教室
日本で150年の歴史を持つ明朝体はどのようにデザインされているのか
ISBN 978-4-909718-10-5
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著者: 鳥海 修
出版社: Book&Design
発売日: 2024/1/10

献本の御礼

最後に、献本いただいたBook&Designの担当者さまに御礼申し上げます。

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