WordPress 5.0のGutenberg(グーテンベルグ)についてよくある質問集

2018年12月7日にWordPress 5.0がリリースされ、Gutenberg(グーテンベルグ)が投稿エディタとして新しく登場しました。
WordPressの創始者で、現役の開発者でもあるMatt Mullenweg氏による、Gutenbergについてよくある質問集を紹介します。

Gutenbergの準備を確認する方法、導入手順、今後のアップデート予定、特定のユーザーだけが利用できるようにするには、次のメジャーバージョンアップはどうなるのか、など気になる情報が満載です。

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WordPress 5.0: A Gutenberg FAQ

下記は各ポイントを意訳したものです。
※当ブログでの翻訳記事は、元サイト様にライセンスを得て翻訳しています。

Gutenberg(グーテンベルグ)とは何ですか?

Gutenbergとは、WordPressに実装された新しいエディタです。このプロジェクトは2017年1月から取り組まれており、WordPressのここ数年で最も重要な変更の1つです。簡単に説明すると、「ブロック」を使用して投稿記事と固定ページを書いたり、デザインするというアイデアに基づいています。

この「ブロック」というのはWordPressの今後のベースになる役割を担い、投稿やページをデザインするだけでなく、サイト全体をデザインするためのツールになります。

全体的な目標は、Webページの作成、編集、公開、設計を行っているユーザーにとって、WordPressでのユーザーエクスペリエンスをシンプルにすることです。例えば、編集した際に投稿やページがどのように表示されるかをより視覚的に表現することを目的としています。私が以前伝えたように、ユーザーは最終的に想像して見える通りにサイトを作成することができます。

GutenbergのチームリーダーであるMatíasVentura氏は、Gutenbergのビジョンについて優れた記事を書いてします。「ユーザーが基本的に視覚的な方法でコンテンツとやりとりする方法を改善する試みであり、同時に開発者に彼らが援助している人々のための経験を果たしている」と。

なぜGutenbergが必要ですか?

すでにWordPressコミュニティに参加している多くの人々にとって、WordPressに初めて導入された学習曲線を忘れるのは簡単です。テーマをカスタマイズする、ショートコードを追加する、ウィジェットやメニューを編集する、あなたが見たいようにサイトや投稿を表示するためには学ばなければならない言語が存在します。

ここ数年、JavaScriptベースのアプリケーションは、コンシューマ向けアプリケーションやソフトウェアのユーザーエクスペリエンスをシンプルにする機会をもたらしました。そして、ユーザーが望むものは変化し、そのハードルはシンプルさのために上がりました。WordPressは、初めてのユーザーのためにユーザーエクスペリエンスを向上させ、シンプルにする必要があると私は深く信じています。

なぜブロックが使用されるのですか?

「ブロック」を使用したアイデアは、WordPressで新しい共通言語を作成することでした。「ブロック」はユーザーをプラグインに接続し、ショートコードやウィジェットなどの多くの古いコンテンツタイプを置き換えるための新しい方法です。今までのショートコードやウィジェットを利用するには、WordPressに精通している必要がありました。

「ブロック」は新しいものではありません。実際、既に多くのプラグインはWordPressのページデザインにブロックを使用しています。例えば、ElementorではGutenbergブロックの新しいコレクションが既に導入されています。

なぜエディタが変更されるのですか?

WordPressでユーザーが頻繁に使用するのがエディタです、そここそが「ブロック」の体験を提供できる場所でした。

さらに、今までのクラシックエディタは主にテキスト用に作られています。しかし、現在ではソーシャルメディアの埋め込み、地図、連絡先フォーム、画像、動画、GIFアニメなど、記事のマルチメディア化が進んでいます。これらをショートコードとテキストの汚いパッチワークで動作させることを可能にしたのは、設計のパラダイムでした。

エディタは、始まりに過ぎません。次のフェーズでは、「ブロック」はサイトのテンプレートとデザイン全体の基本的な部分になります。現在のところ、Customizerを使用して、メニューやヘッダやフッタなどのセクションを編集する方法を理解するのは難しい作業です。「ブロック」を使用することで、WordPressの仕組みや言語を理解することなく、サイトのすべてを編集して操作することができます。

Automatticは何を得るのですか?

AutomatticはWordPressの創始者であるMatt Mullenweg氏が中心となって、2005年に設立された会社です。そのAutomatticが他の企業と比較してGutenbergに関与したことについて、質問をしている記事があります。秘密にしているものは何もありません、プロジェクトリーダーとして私はこのプロジェクトに貢献する何十人もの同僚の助けを借りることができました。そして私はこの規模のプロジェクトがそれを必要としていることを知っていました。Automatticでは、その5%をWordPressコミュニティプロジェクトに専念させることを目指しています。現在の規模は、フルタイムで42人です。会社は来年多くの成長を遂げてるため、コアプロジェクトやコミュニティプロジェクトに携わっている10〜15人の追加の人員を探します。

つまり、Gutenbergは他の多くのオープンソースプロジェクトに類似しています。Automatticはそこから恩恵を受けると思いますが、WordPressコミュニティ(Drupalコミュニティも)の他の人たちも同様です。GPLの下で誰にでも利用可能です。

Gutenbergは準備ができていますか?

もちろんです。Gutenbergの当初の目標は、テストを開始するために10万のサイトを得ることでした。現在、すでに100万以上のサイトに利用され、WordPressの歴史で最も急成長中のプラグインです。多くのユーザーに需要があります。

ゴールは、5.0のリリース前にGutenbergを可能な限り多くのサイトでテストすることと、プラグインの開発者がプラグインとサービスを準備できるようにすることでした。多くの人が協力したという状態で、リリースすることができます。

Gutenbergの準備についての最近の議論は、Gutenbergがコード通りに準備されていることとコミュニティ全体がGutenbergの準備が整っているかどうかを理解することが重要だと思います。

それには少し時間を要するでしょう。わたし達はWordPressの完璧なコアエンジンを15年間磨いてきており、それと同様に良くしようと計画しています。

さらに多くのデザイナーやJavaScriptエンジニアを含めるために、WordPressのコントリビュータコミュニティを劇的に拡大する新たな機会があります。JavaScriptアプリケーションでは、ページ上でドキュメントやサポートを設計する新しい機会があり、必要な場所でヘルプがすぐに届くようになります。

Gutenbergのことを誰かが「WordPress in 3D.」というのを聞きました。うまい表現だと思います。「ブロック」はレイヤーのように、ズームイン・ズームアウトできます。ポイントはこの新しい空間で、何を作るかです。

WordPress 5.0がリリースされた時にGutenbergに切り替える必要はありますか?

全くその必要はありません。
WordPress 5.0がリリースされると、あなたは何が起こるかを選ぶことになります。また、Classic Editorプラグインをインストールすることができ、そうすると5.0がリリースされても何も変わりません。わたし達は、このClassic Editorプラグインを2022年までサポートとアップデートする約束をしています。

Gutenbergの準備ができているか確認するには?

WordPressを5.0にアップデートする前にGutenbergプラグインを試して、既存のプラグインとうまく機能していることを確認してください。

WordPressのコアシステム全体の開発者は、プラグインを更新するために懸命に働いていますが、あなたのサイトで使用しているプラグインは異なる場合があります。また、Classic Editorプラグインをそのギャップに対応するために使うこともできます。

すべての新しいものと同じように、最初はちょっと奇妙で新しい感じがするかもしれません、しかし一度使い始めるとすぐに慣れると思います。

WordPress 5.0はいつリリースされますか?

【訳者注】
WordPress 5.0は、2018年12月7日にリリースされました。

12月にリリースするのはひどいです

何人かはそう思うでしょうが、そうでない人もいます。
これまでもWordPressは12月にメジャーリリースがありました。12月のリリースはここ10年間で、メジャーバージョンアップの34%を占めます。

Gutenbergを特定のユーザーだけが利用できるように設定することはできますか?

はい、まもなく対応予定です。
わたし達はまずClassic Editorをアップデートした後、より細かいユーザーコントロールを提供する予定です。特定のユーザーや特定のロールやポストタイプにGutenbergを許可するオプションです。

5.0以降はどうなりますか?

わたし達は、Gutenbergを2週間ごとにアップデートしてきました。5.0がリリースされても、アップデートは続きます。2週間に一度、マイナーバージョンアップをする予定で、フィードバックがあればすぐに対応することができます。

以前までのアップデートのバグの多くは、プラグインとコアのアップデート間のジャグリングに由来していましたが、5.0以降ではGutenbergがコアになっているため、アップデートがずっと簡単で安全です。

Gutenbergとアクセシビリティはどうですか?

ここ数週間、アクセシビリティに関するいくつかの重要な議論があり、コミュニティでこれらの質問をするのに役立った人達に感謝しています。

アクセシビリティはWordPressにおいて、当初から重要なものでした。Webスタンダードとアクセシビリティの導入は、わたし達が始めた理由の1つです。

しかしポイントはプロジェクト管理にあったと思います。具体的には、Gutenbergで起こっていた急速な発展から切り離されたようなボランティアのチームがありました。わたし達はそのことを改善する必要があります。将来的には、コア開発とは別の種類のプロセスとしてアクセシビリティを持つことが理にかなっているかどうかは分かりません。しかし、それらはすべての段階で統合する必要があります。

わたし達はMatíasが書いたように、多くを達成しました。当初から、アクセシビリティに関連する200以上の非公開の問題がありました。

また、WordPressのアクセシビリティに欠けているものを最初から修正する機会もあります。テンプレートのコードエディタであるCodeMirrorにはアクセスできないため、WordPressのいくつかの部分があります。

CodeMirrorは次のバージョンの資金調達を模索しており、Factatticは資金調達を後援しており、その代償としてGPLで利用できるようになりました。CodeMirrorの次のバージョンでは完全にアクセスできるようになります。

最終的には、AutomatticはWordPressのアクセシビリティを保証するために、Gutenberg、Web全体のベストプラクティスの評価に資金を提供し、WordPressが完全にアクセシブルであることを保証し、Web全体の新しい基準を設定します。

WordPress 5.0の後もGutenbergの名はそのままですか?

コードネームは引き継がれることがあります。
私はGutenbergと呼ばれると思います。少なくとも、GitHubではGutenbergと呼ばれています。そして、WordPress以外の他のCMSで採用されているのを見かけるかもしれません。コミュニティの外にいる人にとっては、単に「新しいWordPressのエディタ」として知られていることが分かります。

GutenbergでReactの採用により、WordPressの未来はどうなりますか?

私は2015年に「JavaScriptを深く学びましょう」と言いました。それから2016年にはREST APIをコアに導入しました。Gutenbergは、REST APIに完全に組み込まれた最初の主要な機能で、wp-adminが100%JavaScriptになることを想像できます。私はそれを見るのを楽しみにしています。

現在は、純粋なJavaScriptインターフェイスに切り替えると、いくつかの下位互換性が損なわれる可能性がありますが、Gutenbergについての素晴らしい点は、すべてのプラグインが機能する方法を与えられることです。これにより、カスタム管理画面で現在行われている作業が不要になります。

もう一つ素晴らしいことは、Gutenbergは基本的にさまざまなフォーマットへの変換を可能にしているからです。あなたのWebページを公開したり、RSSフィード、AMPを発行したり、ニュースレターの電子メールに翻訳できるブロックを公開することができます。Gutenbergの構造化された機能とそれが作り出すセマンティックなHTMLとそれを解析するために使われる文法は、他のアプリケーションでも可能にします。

それは他のCMSでも使用できる共通語のようになります。それはもうWordPressだけではなく、WordPressサイトにインストールするDrupalのために書かれたJavaScriptブロックかもしれません。

WordPress 5.0はスタートラインに立ったに過ぎません。わたし達は、世界最高レベルのWebを定義する経験を持つ場所にもたらしたいと考えています。それがわたし達が作りたいもの、誰もに価値あるものです。

この記事はGutenbergで書きましたか?

もちろんです。
特にバグはありませんが、わたし達は改善し続けます。これから先もこの作業に取り組むことができて興奮しています。

【訳者注】
当ブログのこの翻訳記事は、まだClassic Editorで書いています。

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