人からなかなか教えてもらえない!Illustratorがもっと楽しくなる効率化の新常識がまとめられたオススメ本
Post on:2014年10月31日
IllustratorやPhotoshopなど、アプリの基本的な操作はスクールや書籍などで学ぶことはできますが、実践的なテクニックになるとそれ自体を知る機会もなかなかありません。
Illustratorの基本的な操作方法の解説は一切無し、他書とはかなり一線を画すオススメ本を紹介します。ベテランになるほど知らずに損している効率化の新常識が満載です!
本書は2011年に出版された「10倍ラクするIllustrator仕事術」の増強改訂版で、その後にリリースされたCS6/CC/CC2014の新機能や追加したトピックスなど、新たに187ページ(全256ページ)を加えて再編集されたものです。
改訂版というより、ほぼ新版といってもよいでしょう。
前書は、Amazonの胸アツレビューがたくさんです。(参考:前書をAmazonでみる)
本書には、Illustrator初心者向けの基本的な操作方法や用語解説などは一切ありません。
初っぱなから「直しに強いデータの作り方」です。
テーマは、5つ。
- ムラなく:安定化、標準化
- モレなく:作業や修正のヌケがないように
- 直しに強く:ライブ(Ai)
- 手数を少なく:自動化/半自動化
- 美しく:グラフィックだけでなく日本語も
では、そんな本書の中身を紙面のキャプチャで少しだけご紹介。
Illustratorの対応バージョンはCC 2014をベースとしており、古いバージョン(CS5/5.1/6, CC)で異なる箇所については都度解説があります。
扱っているトピックスは全部で93個。
直しに強いデータ、安定した作業、作業の効率化・時短、成果物の美しい仕上げ方など、実務で役立つノウハウがぎゅっと詰め込まれた一冊です。
一つのトピックスはだいたい1,2ページの構成で、テキストだけの解説ではなく図解による説明もあるのでしっかりと身につけることができると思います。
ドロップシャドウなど、各種エフェクトをIllustratorのデフォルトのまま使用してしまっている人はちょっと手を加えるだけで美しさがアップします。
本書の読み進め方としては、気になるところだけを読む、でも平気ですが、一度は全部を通して読んでほしいです。今読んで、必要のないこと、分からないことでも、記憶の片隅にあるだけで明日の自分に役立ちます。
文字組みもちょっとしたコツをつかむだけで、仕上がりが格段に違います。
Illustratorの標準ツールの使い方やオブジェクトの扱い方など、的確な作業を短時間で行うことができるようになります。
操作系のノウハウは特に勉強になりました。
バージョン混在環境での作業方法、PDFなどに変換するときの注意点、受け渡す必要のあるデータの作り方など。
インターフェイスを自分用にいろいろ設定していると思いますが、たまに見直してみると新しい発見があったりします。
データのバックアップを行うツールもたくさんあり、それぞれの仕様と使い勝手を比較して検討してみましょう。
最近はWebもベクターのデータを多く扱うようになり、Illustratorの使用が増えてきていますね。
10倍ラクするIllustrator仕事術の目次
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- 直しに強いデータの作り方(アピアランス編)
- 001. 「角丸長方形ツール」を使わずに直しに強い角丸長方形を作成する
- 002. ドロップシャドウをそのままでは使わないのがプロのワザ
- 003. ドロップシャドウの二重がけで文字をハッキリさせる
- 004. ドロップシャドウの影の付け方を自在に変える
- 005. アピアランスを使って、フチ文字をひとつのテキストで作成する
- 006. 文字の形状を崩さずに、文字を角丸にするには
- 007. テキストに同一形状の「囲み」をつける
- 008. 自動で伸縮するポストイット風メモを作る
- 009. テキストに応じて大きさが変わる「吹き出し」を作成するには
- 010. カプセル形状の囲みをきれいに実現
- 011. 後から修正できるようにテキストを斜体にするには
- 012. 消し値を付け直す手間をなくす
- 013. 行数に応じて、縦に伸びる飾り罫を付けるには
- 014. 特定のレイヤーに入力するテキストすべてに白フチを付ける
- 015. 異なる幅の道路を修正できるように結合する
- 016. アウトライン化したり、●を重ねず黒丸数字のマドを埋める
- 017. 配置画像に白フチを付けたり、ポラロイド風に加工する
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- 直しに強いデータの作りかた(便利な小ワザ編)
- 018. パスファインダーは仮の状態のまま(パスファインダーと複合シェイプ)
- 019. 「塗り分け」の3つのコツ(不透明度、描画モード、ライブペイント)
- 020. 配置した画像に1クリックでマスク設定するには
- 021. エッジをぼかしたマスクを直しやすく作るには
- 022. グループ化せずに作業できるマスクを適用するには
- 023. テキスト属性を保ったままグランジ表現を加えるには
- 024. 「グループ選択ツール」に持ち替えずに編集するには
- 025. 四隅の形状を保ったまま拡大縮小を可能にするには
- 026. 角のきちっとした破線を描くには
- 027. 後からの扱いがラクなドット点線を描くには
- 028. ライブコーナーとライブシェイプで角丸の設定をラクに
- 029. タブ形状の図形を効率的に扱うテクニック
- 030. ライブコーナーを使わずに特定のコーナーのみを角丸にする
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- 使い回しと一括反映のテクニック
- 031. グラフィックスタイルに登録して、アピアランスの適用や更新を行う
- 032. ドロップシャドウや角丸などをグラフィックスタイルに追加する
- 033. アートワークをシンボル化してスピーディに配置、一括更新する
- 034. 複数のオブジェクトを後からシンボルに変換するには
- 035. シンボルライブラリをスピーディに読み込むには
- 036. シンボルやAi-Aiリンクを使って効率的に面付けを行うには
- 037. ドキュメント内、複数ドキュメントでスウォッチを共有するには
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- 文字組み回りでラクするコツ
- 038. 自動カーニングを理解し、適切に使いこなすには
- 039. 複数行の行頭の文字をシビアに揃えるには
- 040. 文章を扱うときに最低限行っておきたい4つの設定
- 041. キャッチコピーなどで句読点や括弧類をツメるには
- 042. 段落スタイルと文字スタイル、グラフィックスタイルの使い分け
- 043. テキストエリアのサイズを文字が変形しないように変更する
- 044. 文字組みの仕上がりで差がつくポイント
- 045. 合成フォントのつくりかたの基本と作り込みのポイント
- 046. 手持ちのフォントで美しい合成フォントを作るには
- 047. タブ整形とリーダー罫で文字をきれいに整形するには
- 048. 特定の文字にタブを揃えたりタブストップを均等間隔で入れる
- 049. スクリプトを使って複数行のテキストをバラバラにする
- 050. ポイント文字とエリア内文字をスピーディに切り換えるには
- 051. フォントの検索機能を使って、フォント選択をスピーディに行う
- 052. 「文字ツール」と「選択ツール」、「手のひらツール」を一瞬で切り替え
- 053. 「文字」パネルの属性を一発で初期化する
- 054. 注意したい強制改行時のジャスティフィケーション
- 055. アウトライン化せずに個々の文字を変形するには
- 056. 文字スタイルを組み合わせてルビを実現する方法
- 057. 改行や空行を削除するテクニック
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- 知っていればキレイに早く終わる作業Tips
- 058. 目的のオブジェクトをスピーディに選択するためのテクニック
- 059. 効率的なオブジェクトの移動(固定値、指定した値で移動)
- 060. 作業対象のオブジェクトにフォーカスする方法を比較する
- 061. 作業領域やアートボードをキーボードショートカットで切り替えるには
- 062. ガイドの基本とオブジェクトぴったりに作成するガイド
- 063. カラーリング方法を使い分けてスピーディに設定を行う
- 064. よく使う一連の操作をアクションに登録して、ショートカットキーで実行
- 065. 整列コマンドにキーボードショートカットを割り当てる
- 066. 特定のオブジェクトを固定したままで整列させるには
- 067. カラーバリエーションをスピーディに作成するには
- 068. ビットマップデータをベクトルデータに変換するには
- 069. グリッドレイアウトの作成とInDesign的な画像配置
- 070. CCで強化された画像の埋め込み、配置、埋め込み解除のやり方
- 071. ベジェ曲線に不慣れでもトレース作業を行えるフロー
- 072. パターン作成方法の新旧の違いを理解する
- 073. 複数のアートボードの基本とページもの作成時のヒント
- 074. 複数アートボード機能をLINEスタンプ作成に活用する
- 075. 透明グリッドのカラーを「塗り:白」のオブジェクトの編集に役立てる
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- スムーズでロスの少ないデータの受け渡し
- 076. バージョン混在の環境でIllustratorファイルを受け渡す
- 077. テキストに関するバージョン互換の問題を切り抜ける方法
- 078. CS5以下にバージョンダウン保存できるドロップシャドウ
- 079. IllustratorからPDFに変換するときのポイント
- 080. ミスやロスを防ぐための適切なロゴの受け渡し
- 081. パッケージ機能を使って配置画像を収集する
- 082. 「申し送り」に活用したい「テンプレート」レイヤー
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- 生産性が変わる環境構築のポイント
- 083. インストール後、すぐに行いたいユーザーインターフェイス設定
- 084. キーボードショートカットをスピーディに設定する
- 085. 環境の移行と統一化をスムーズに
- 086. バックアップやバージョニングをツールで自動化する
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- Web制作での使いどころとハマりポイント
- 087. Web向け(ピクセルベース)の作業を行うときのチェックリスト
- 088. ドキュメントプロファイルでアートボードサイズを設定する
- 089. オープンパスの線の位置をコントロールする
- 090. Web向けの画像書き出しの使い分け
- 091. Layer Exporterを使ってスライスせずに画像を書き出し
- 092. Web制作の現場ですぐにでも活用したい機能
- 093. グリッドデザインやアタリ画像などワイヤーフレーム制作への活用
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- 付録
- Illustratorのバージョンをざっくりと把握する
- バージョンごとの新機能
- バグフィックス
- バージョンヒストリー
- スプラッシュスクリーン
毎日のデザインワークを快適にしてくれるのは、ちょっとした作業の効率化です。
『Illustratorが10倍好きになる』一冊でした。
献本の御礼
最後に、献本いただいた技術評論社の担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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