こういうデザイン書が欲しかった！ 日本語フォントを使用したデザインの知識と実践テクニックが基礎から学べる解説書 -怖くないタイポグラフィ
Post on:2025年6月20日
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デザインにどういうフォントを使えばよいのか、使用するフォントの善し悪し、読みやすくなる文字組みのこつ、魅力的な文字レイアウトのテクニック、さまざまなタイトルの作り方など、デザインで文字に関する特に日本語フォントについて基本から詳しく解説した保存版のデザイン書を紹介します。
本書は日本語フォント、日本語のタイポグラフィに特化されており、明朝体やゴシック体をはじめ、写研書体やAdobe Fontsなど、日本語フォントを使用したデザインの基礎知識と実践的なテクニックをしっかり学べます。
表紙を見て、あっ！と思った人もいるでしょう。著者は『タイポグラフィが上手くなる本』（紹介記事）の加納 佑輔氏（株式会社そうさす）、ロゴやCI、Webサイト、紙媒体も多数手がけているので目にしたことがあると思います。
そんな氏による本書は文字のデザイン、文字組み、文字レイアウト、フォントについて基本からしっかり学べるようレッスン形式で丁寧にやさしく解説した入門書です。前書『タイポグラフィが上手くなる本』は中級者向けの内容でしたが、本書は新人デザイナー向けの解説書となっています。
Kindle版も同時発売されます！
版元様より許可をいただいたので、紙面のキャプチャを少しだけご紹介。
本書の構成はレッスン形式で、1日10分30日で一通りフォント・文字組み・文字レイアウトについて学べるよう丁寧にやさしく解説されています。1日分は3ページとちょうどよいボリュームで、知識が身についたか確認するためのおさらい1ページがセットになっています。
最初の10日分はフォントについて、11-20日分は文字組み、21-30日分はレイアウトです。1日目の『「よい」フォントとは何か』を見てましょう。まずは、フォントの質の高さについて学びます。
プロのデザイナーがフォントを使用するときは、文字の美しさだけでなく、収録文字数についても注目しています。フォント名にあるStdやPr6などで収録文字の仕様が判別でき、文字の美しさは実際に見出しにして確認するのがよいです。
右ページは「おさらいチェック」で、下半分のフォント名はすべてAdobe Fontsで利用できるフォントです。
2日目は『フォントを覚えよう【明朝体1】』デザイナーとしての第一歩は明朝体とゴシック体の使い分けです。まずは、本文で使用する明朝体の定番フォント、3日目では見出しに使用する定番フォントを学びます。
4日目は『フォントを覚えよう【ゴシック体1】』明朝体と同様に、本文で使用するゴシック体の定番フォント、そして5日目には見出しで使用するゴシック体の定番フォントを学びます。
6日目からは用途が限定されるけど覚えておきたいフォントです。毛筆などで書かれた筆文字フォント、教材で使用される学参フォント、より多くの人に読みやすくデザインされたUDフォント、さらにオールド系やモダン系など、多種多様なフォントをデザインで使用できます。
フォント編の最後の10日目は『欧文フォントを覚える』本書は日本語フォントがメインですが、欧文フォントについても最低限必要なものについて解説されています。
欧文フォントについては、先日紹介した書籍がかなりお勧めです。
11-20日分は『文字組みの考え方』Webのデザイナーと紙のデザイナーで大きく違うのがココだと思います。Webのデザイナーは文字組みが苦手というか、気がついていないようにも感じることもあります。
ベタ組みのやり方、スペーシングのやり方、ひらがなと漢字が混在している場合、欧文や数字が混在している場合、人の目を惹きつけるタイトルの組み方など、1日10分ペースで学べます。
最後の21-30日分は『レイアウト』タイトル、視線誘導、グリッドなど、タイポグラフィの観点からレイアウトが上達する方法も学びます。
たとえば、視線誘導だと、タイトル、大見出し、中見出し、小見出し、本文の順に情報の優先度があります。また、本文のように読ませる情報があり、タイトルや見出しのように魅せる情報というのもあります。これら情報の優先度が分かるようにデザインすることが、分かりやすいデザインに繋がります。
本書ではコラムも充実しています。たとえば、『Adobe Fontsのおすすめフォント（日本語編）』では現在Adobe Fontsに700種類以上ある日本語フォントの中から特にお勧めのフォントがテイストごとに紹介されています。
最新のAdobe Fontsの日本語フォントの状況は、下記をご覧ください。
怖くないタイポグラフィの目次
怖くないタイポグラフィの目次
怖くないタイポグラフィの目次
タイポグラフィ、特に日本語フォントを使ったデザインについて学びたい人にお勧めの一冊です。本書で基本的な知識とテクニックをしっかり学べます。また、さらに学びたい人には前書『ふつうのデザイナーのためのタイポグラフィが上手くなる本』（紹介記事）もお勧めします。
献本の御礼
最後に、献本いただいた翔泳社の担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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