無料で使えるベクター系のグラフィックソフト「Inkscape」でこんなにいろいろできるとは!- Inkscape 独習ナビ
Post on:2016年10月13日
完全にInkscapeをなめていました。目からウロコとはこのことです。
趣味でイラストを描くだけでなく、プロユースの緻密なイラスト、ロゴ、レイアウトなど、クオリティの高いベクターのグラフィックが作成できる無料のソフトウェアです。
しかも、Win, Mac, Linuxにも対応しているのがまたいいですね。
そんなInkspaceを徹底的に解説したオススメの本を紹介します。
これ一冊があれば、Inkspaceの基本から上級テクニックまで学ぶことができます。
本書はインストール方法から、環境設定、基本操作をはじめ、作品作りに必要な知識や応用テクニックまで、Inkscapeが持つ膨大な機能が網羅されています。
こんなことまでできるのか! と驚きました。
Kindle版は、値段が少しお安めです。
紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
本書は構成が非常に巧みで、効率良く学べ、応用力が身につくよう3章から構成されています。
1章のレッスンでは作例を作りながら、Inkscapeの基本操作が身につきます。作例があることで、どんなものが作成できるかイメージが膨らみますね。
2章のリファレンスでは、8つのテーマに分かれており、それぞれよく使う機能や効果、知識、応用テクニックなど、クリエイターに必要な情報が詳しく解説されています。
3章の練習問題では、知識や技術を確実に身につけるための問題が揃っています。
また、それぞれの章で関連している内容はページを参照できるようになっており、知りたいことがすぐに分かる構成になっています。
Inkscapeはインストールに少し癖があります。慣れた人なら問題ないと思いますが、必ず目を通した方がよいでしょう。
Inkscapeのインターフェイスは日本語環境に対応されています。ツールには見慣れないものがあるので、一通り確認しておきましょう。
さまざまな機能を備えたダイアログもこうして一覧で見ることができると、Inkscapeの機能を理解できますね。
Inkscapeのインストールが完了したら、実際に作りながら、使い方を学びます。最初は下絵を元に、シンプルな形を変形・組み合わせてイラストを作成します。
LINEスタンプのような一つのキャラクターのポーズを変えるイラストは、Inkscapeととても相性がよいです。
一通り基本的な使い方を学んだ後は、2章のリファレンスでテーマ毎に実践的なテクニックを学びます。
Inkscapeは、図形も非常に高度なものを扱えます。
もちろん、ベジェ曲線もです。
カリグラフィツールではペンで描いたような幅のあるパスを描くことができ、タブレットペンの筆圧も感知することができます。
ビットマップ画像を解析して、トレースしてパスに変換することもできます。
ベクター系のレイヤーは、慣れないと少し混乱してしまいます。そんな人でもやさしく分かりやすい説明で、身につけることができます。慣れている人でも、新しい発見があるかもしれません。
InkscapeではSVGフォントエディタを使って、オリジナルのSVGフォントを作成することもできます。
また、Inkscapeには数多くの機能拡張があり、イラストやロゴを作成する時に非常に役立ちます。タイポグラフィ用やWeb制作用のものも充実しています。
Inkscape 独習ナビの目次
-
- Inkscapeの基本
- Inkscapeでできること
- Windows版のインストール
- Mac版のインストール
- Inkscapeの基本画面
- 「ツールボックス」を使用するには
- ダイアログを操作するには
- ダイアログ一覧
- ベジェ曲線
- ドキュメントを新規作成するには
- ドキュメントを開くには
- 作業の内容を保存するには
- 表示を作業しやすく変更するには
- 操作をやり直す
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- レッスン1 シンプルな図形を組み合わせてイラストを作る
- 下絵のファイルを開こう
- イラストのパーツを描こう
- ペンツールを使ってみよう
- パーツをグループ化して操作しよう
- フィルとストロークを設定しよう
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- レッスン2 葉飾りを付けたアニバーサリーロゴを作る
- 背景の正円を描こう
- リースを作ろう
- 袋文字のロゴを作ろう
- イラストをシルエット化しよう
- テキストをパス上に配置しよう
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- レッスン3 量産しやすいLINEスタンプを作る
- スタンプサイズのガイドを作ろう
- キャラクターのボディを作ろう
- 装飾を加えてキャラクターを完成させる
- セリフの文字を縦書きで入力しよう
- バリエーションを作って書き出そう
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- レッスン4 テキストとパスを使ってチラシを作る
- 写真にギザギザ模様の帯を加えよう
- アーチ型のタイトル文字を作成しよう
- 麻布のような質感の文字を作成しよう
- ハート形の中に文章を配置しよう
- ショップ名とメニューを作成しよう
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- レッスン5 自動トレースを利用して花柄模様の箱を作る
- 写真をオブジェクトにしよう
- 色違いの花を作成しよう
- パターンに登録しよう
- 箱の展開図をパターンで塗ろう
- 背面にグラデーションを敷こう
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- リファレンス1 ファイル管理と環境設定
- ドキュメントのプロパティ
- ファイルの読み込みと書き出し
- 表示のカスタマイズ
- ドキュメントの印刷
- Inkscapeの設定
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- リファレンス2 オブジェクトの作成
- 基本的な図形を描くには
- 特殊な図形を描くには
- コネクターツールで図形をつなぐ
- シンボルを利用する
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- リファレンス3 さまざまなツールでパスを自在に描く
- ペンツール
- ノードツール
- スナップコントロールバー
- 鉛筆ツール
- カリグラフィツール
- スプレーツール
- トレース
- 複数のパスを組み合わせる
- さまざまなパスの加工
- パスエフェクトの利用
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- リファレンス4 オブジェクトの色と線の設定
- フィルとストローク
- グラデーションツール
- バケツツールで塗りつぶす
- スポイトツールで色を採取する
- 微調整ツール
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- リファレンス5 オブジェクトの選択・変形・整列
- オブジェクトの選択
- オブジェクトの配置
- さまざまなコピーと貼り付け
- レイヤーを使ったオブジェクトの管理
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- リファレンス6 オブジェクトの特殊な編集
- クローンの作成
- クリップとマスクの設定
- パターンの作成
- マーカーとガイドの作成
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- リファレンス7 テキストの編集
- 文字の入力
- 文字や段落の設定
- 文字のパス化
- パス上テキストの作成
- テキストの流し込み
- フォントの作成
- 文字入力の支援機能
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- リファレンス8 フィルターとエクステンション
- フィルターの設定
- エクステンションの設定
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- 練習問題
- チェック模様を作ろう
- テキストを手描きのように加工しよう
- 美しい光沢の真珠を作ろう
目次の各項目を見るだけでも、Inkscapeの多機能さが分かると思います。内容も非常に詳しく充実しており、そして分かりやすい!
Inkscapeのマニュアルとして、ベクターグラフィックの教科書として、デザインのネタ帳として、活用できるオススメの本です。
献本の御礼
最後に、献本いただいたインプレスジャパンの担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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