グリッドシステム -サイトへの有効活用方法

グリッドシステムとは、スイスのグラフィックデザイナー:josef muller blockmann(ヨゼフ・ミューラー・ブロックマン)が考案したデザインの手法です。

Grid Systems in Graphic Design

1981年に刊行した「Grid Systems in Graphic Design/Raster Systeme Fur Die Visuele Gestaltung」は、さまざまなレイアウトにグリッドシステムを用いて、繊細にデザインが行われています。

このグリッドシステムは、エディトリアル デザインで広く利用され、今日ウェブデザインにも多くの影響を与えています。

グリッドシステムの概要

グリッドシステムとは、縦横線の格子(グリッド)を下地として、そこに出来たブロックごとに図版や文字を配置し、デザインを行うものです。

グリッドシステムを用いることにより、配置される情報に秩序を与え、利用者が期待した場所に目的の対象物を提供できるようになります。
また、図版やテキストなど各要素の配置や空間にグリッドシステムを用いて、利用者の興味を重要な箇所に誘導する効果もあります。

グリッドシステムの機能

情報の反復

グリッドシステムを用いて、一定の場所に一定の情報・機能・サービスの要素を繰り返し配置することにより、反復機能を生み出します。

情報の構造

グリッドシステムを用いて、さまざまな情報・機能・サービスの要素を一定の間隔・空間で配置することで、情報の構造を明確にします。

情報の伝達

グリッドシステムは、情報の受け手である利用者に、意味のある情報を気軽に取得できるよう伝達します。
配置する情報同士の空間を適度に設定することにより、視覚的な誘導効果を生み出し、情報の分類・区別、見出しや図版・テキストの可読性を確保します。

グリッドシステムをサイトに導入するメリット

アイデンティティの確立

ブランドロゴなどのCI(コーポレートアイデンティティ)の要素は、一定の場所に繰り返し配置します。
こうしたレイアウトの統一をはじめとする反復を利用したデザインは、サイトの全ページを通じて一貫したビジュアルアイデンティティを確保することができます。

また、この反復の存在自体がサイトのアイデンティティとなり、サイトの全体感・信頼感を利用者に対して感じさせる基盤となります。

利用者の学習効果

上記のようなスタイルガイドを設けることにより、利用者はサイトのどのページへ移動した場合でも、どの場所にどういった情報・機能・サービスが配置されているかを無意識のうちに認知・学習できます。
一度、サイトの配置ルールを認知・学習してしまえば、利用者はサイトでの行動において迷いを持たなくなります。

制作者の思考支援

グリッドシステムは、制作者にとって場所ごとにあらかじめ決められた情報・機能・サービスを考慮したデザインをするため、自由に配置する場合と比べ短時間で行うことができます。
グリッドシステムは、制作者の体系的な情報の整理思考を補助する効果を持っています。

制作品質の維持

グリッドシステムを採用すると、複数の異なる制作者がかかわる場合でもサイトのデザインに一貫性を保たせることができ、デザインクオリティが維持されやすくなります。
また、異なるコンテンツ同士のデザインクオリティのばらつきをなくし、新たなコンテンツの制作に要するデザイン作業を軽減し、サイト管理の省力化にもなります。

グリッドシステムに関する書籍

  • Grid Systems in Graphic Design(amz)
    洋書。グリッドシステムはこの本から始まりました。
  • Grids―the structure of graphic design(amz)
    訳書。たまに書店にも置いてあります。
  • grids for the internet(amz)
    洋書。インターネットのためのグリッドシステム。

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