紙のデザイン、ポスターや同人誌などの制作に欠かせない知識・トラブル防止・作業の効率化が分かるオススメの本
Post on:2016年2月26日
紙のデザイン、レイアウト、フォントと文字、写真、色、用紙、印刷、製本について、基本的なことから専門的なノウハウまで分かりやすく解説されたオススメの本を紹介します。
僕はWebの前はDTPでしたが、あまりにも変わっていて、よい勉強になりました。Webだけの人も文字組やレイアウトなどを基礎からしっかり学べる一冊です。
本書は、先日発売されたばかり。
お値段はすこし高めに感じるかもしれませんが、このボリュームと充実度なら納得です。
本書は紙のデザインと印刷で知っておくべき知識を広く、深く学ぶことができます。
印刷のしくみから、使用するパソコンやソフトウェア、文字やフォントやデジタル素材やレイアウトなどのデザイン、出力や製版・後加工まで。
紙のデザインのはじめから終わりまで、すべて収録されています。
紙面のキャプチャで、中身を少しだけご紹介。
本書の構成は1テーマ見開き1ページで、オールカラーです。
書籍、雑誌、フリーペーパー、新聞、チラシ、パンフレット、パッケージをはじめとする紙媒体の作り方が分かります。
1章では印刷のしくみ、制作環境、ワークフローなど、最近の印刷業界の動向が分かります。
2章はハードウェア。MacとWindowsの制作環境を見直してみるのもよいでしょう。
3章は素材の取り扱い方。PhotoshopやIllustratorでの素材の扱い方、ソフトウェアのバージョンによる互換性、色のトラブルを回避する運用方法など、困る前にしっかりとしておきたいですね。
4章は印刷デザインの基本要素である文字とフォント。
この章は特に、Webデザイナーの人も学ぶべき知識がたくさんあると思います。
5章はレイアウトデザイン。DTP制作物の構成要素と名称、紙面の構成要素、レイアウトの手法などが学べます。
写真の効果的な使い方、バランスの取り方、ジャンプ率の活かし方など、実践的なテクニックも満載です。
レイアウトデザインでは、文字の組み方も含まれています。日本語組版の基礎知識をしっかり身につけることができます。
6章は電子出版。大手出版社レベルの電子書籍から、個人レベルの電子書籍まで、作り方から配信方法まで学べます。
もちろん「著作権」も非常に大切です。各法律の知的財産権に関する箇所が分かりやすく解説されています。
7章は色とカラーマネジメント。色は本当に悩ましいですよね。
8章は色校正。従来は平台校正やDDCPが主流でしたが、最近は低コストで短納期なプリンタを使ったプルーフやPDFを使ったリモートプルーフが盛んです。
9章はデジタルプリプレスのワークフロー。データの作成からカンプ出力まで、データ入稿から校了・印刷まで、紙媒体になる最終ゴールまでの制作工程を見ていきます。
10章はデジタル印刷。オフセット印刷ではどうしても時間がかかってしまいますが、オンデマンド印刷では同等の印刷クオリティを備えたまた時間が短縮できます。
また、マスター部に共通素材を印刷し、可変情報を追い刷りするバリアブル印刷も数多く利用されています。
11章は用紙と印刷。印刷用紙やインキの基礎知識をはじめ、印刷用紙の選び方、印刷方式と版式、オフセット印刷でおこるトラブルの解決方法などが分かります。
12章は製本と後加工。さまざまな製本様式、本文の綴じ方、背の形態など、製本のプロセスが学べます。
紙の魅力の一つが、加工技術です。基本的な折り加工をはじめ、マジック折り、ブラップ折り、トースターポップ、ノリトジックなど、さまざまな仕掛けを採用することができます。
DTP&印刷 スーパー しくみ事典 2016の目次
-
- 印刷のしくみ
- 身近な印刷物の種類
- 印刷物ができるしくみ
- DTP制作のプランニング
- DTPの進化と制作環境
- DTPによる印刷物制作の流れ
- 情報収集のポイント
-
- ハードウェア
- PCの基本的な構成要素
- OSの基礎知識
- キーボードのしくみ
- 液晶ディスプレイのしくみ
- ストレージの現在
- ポインティングデバイス
- クラウドコンピューティング
- スキャナのしくみ
- インクジェットプリンタのしくみ
- レーザープリンタのしくみ
- インターフェイスの種類
-
- デジタル素材の作成
- デジタルカメラ
- ビットマップ画像の基礎知識
- Photoshopのしくみ
- ベクターイメージの基礎知識
- Illustratorの用途
- Illustratorのバージョンと互換性
- 色のトラブルを回避する運用
-
- 文字とフォント
- 和文書体と欧文書体
- フォントと文字コードの知識
- さまざまな文字コード
- OpenTypeフォントの基礎知識
- OpenTypeフォントで表現できる文字
- 外字の種類とその使い方
- 文字の大きさを表す単位
-
- レイアウトデザイン
- DTP制作物の構成要素と名称
- 版面設計の基礎知識
- InDesignのしくみ
- 日本語組版の基礎知識
- 日本語組版の基礎知識: 組み方の種類
- 日本語組版の基礎知識: 組み方のしくみ
- 自動組版の基礎知識
- 校正作業
- 忘れてはならないデータチェック
-
- 電子出版と著作権
- 電子書籍の市場と配信のかたち
- 電子書籍のフォーマット
- 電子書籍デバイスの種類
- 電子ペーパーのしくみ
- 著作権の基礎知識
-
- 色とカラーマネージメント
- 色を数値で表すしくみ
- 色を空間で表すしくみ
- プロファイルのしくみ
- カラーマネージメントのしくみ
- 測色器のしくみ
- RGBからCMYK変換のしくみ
- カラー計画とアプリケーションの関係
- 制作上の色指定のポイント
- アプリケーションのカラー制作
-
- プルーフ
- プルーフの基礎知識
- Japan Colorの基礎知識
- 雑誌広告基準(JMPA)カラーの基礎知識
- プルーフに必要なプロファイル
- 出力器から見たプルーフ用途の特徴
- PostScriptコントローラのしくみ
- 大判プルーフのしくみ
- DDCPのしくみ
- 特殊印刷のためのプルーフ
-
- デジタルプリプレスワークフロー
- データが出力されるまで
- デジタルデータ出力の基礎知識
- ワークフローRIPの役割
- PDFとAdobe PDF Print Engine
- CTPとスクリーニング技術
- 1bit TIFFのしくみ
- AM/FMスクリーニングの基礎知識
- 面付けの基礎知識
- プレートセッターのしくみ
- CIP3/CIP4のしくみ
- MISのしくみ
-
- デジタル印刷
- デジタル印刷のワークフロー
- デジタル印刷機でのカラーマネージメント
- JDFの役割
- デジタル印刷機のしくみ
- バリアブル印刷のしくみ
- Web to Printのしくみ
- サイン&ディスプレイ分野の大判プリンタ
-
- 用紙と印刷
- 印刷用紙の種類
- 印刷用紙ができるまで
- 印刷用紙の選び方
- インキの基礎知識
- 多色印刷と広色域印刷のしくみ
- 代表的な4種類の印刷方式と版式
- オフセット枚葉印刷機のしくみ
- オフセット輪転印刷機のしくみ
- オフセット印刷機の現在
- オフセット印刷の小ロット対応と環境配慮
- 目的で変わる印刷機の種類
- オフセット印刷のトラブルと原因
-
- 製本・後加工
- さまざまな製本様式
- 製本工程
- 代表的な加工技術
- アイデアが活きる紙の加工
- 印刷の価値を高める後加工
- さまざまな特殊印刷や特殊インキ
-
- 印刷とエコロジー
- 印刷業界が目指すエコロジー
- カーボンフットプリントと印刷
- 紙にまつわるエコロジー
- インキにまつわるエコロジー
- 製版にまつわるエコロジー
- 印刷にまつわるエコロジー
- サイン&ディスプレイにまつわるエコロジー
- エコロジーに関する認定と法規
- 巻頭特集
2015-2016年のDTP&印刷を読み解く最新トピックス110 - Adobe Creative Cloudの最新動向
- デジタル印刷・印刷機の最新動向
- フォント・電子出版・その他の分野の最新動向
- 巻末特集
現場に向けて選んだ厳選機種ガイド64 - 枚葉インクジェット&液体トナー機
- デジタル印刷機
- 大判インクジェット
こういった総まとめ本は毎年でなくても、数年ごとにでも必ずチェックしておきたいですね。
献本の御礼
最後に、献本いただいたボーンデジタルの担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
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