悪いデザインの批判より、よいデザインを見た方が学べる!時間がないWeb制作者でもユーザビリティをしっかり学べるオススメの本
Post on:2016年8月3日
ユーザーのためのデザインが重視される現在、Webやスマホにおけるユーザビリティについて、実例を交えながら、超明快にすっきりと分かるオススメの本を紹介します。
今、そしてこれから取り組むWebサイトやスマホアプリのユーザビリティを改善する手立てに。また、自身のキャリアパスを広げることができる何度も読み返したい一冊です。

本書は世界的ベストセラー「Don't Make Me Think」の第3版(2014年刊行)の翻訳版で、米Amazonでは2017年7月現在でもベストセラーの常連です。
著者は、Appleなどを顧客としてきたユーザビリティコンサルタントの第一人者。
デザインに関わる人なら誰でも知っておくべきユーザビリティの基本原則が楽しく学べます。
そんな本書の中身を少しだけ紹介します。

「薄い本書」といっても242ページに渡り、ユーザビリティについて基本原則から学べ、どのようにデザインに役立てるかが分かる内容が非常に濃い本です。

内容が濃いにも関わらず、非常にさらっと読め、内容もすぅーと入ってくるので、すぐに今のプロジェクトに取り入れたくなると思います。
また、自身のキャリア選択の幅を広げるきっかけにも繋がります。

ユーザビリティで大切なことは、「ユーザーに考えさせないこと」です。
誰が見ても何も考えることなく、それが何で、どう使うのかが分かることが大切です。

逆に、考え込ませるサイトではユーザーの頭の中は「?」でいっぱいになってしまい、目的を遂げることができません。

制作する人たちはもちろん、ユーザーを想定していると思いますが、重要な前提条件があります。
- 人はページを読まない。ざっと見るだけ。
- 人は最良の選択をしない。適当なところで満足する。
- 人はものごとの仕組みを理解しようとはしない。行き当たりばったりでやる。
自分がユーザーになると分かりますが、そのページを隅々まで見たり、機能を学ぼうとしたりすることはほとんどありません。

ユーザーがそのサイトの機能を覚えなくても、隅々まで見渡さなくても、目的を遂げられるようにすることが大切です。

ユーザビリティはほとんどの常識と同じように、「言われて気がついた」と誰かに指摘されるまではハッキリと分からないものです。
最近では幅をフルに使ったレイアウトが増えていますが、こういった見出しの間違った使い方は混乱の原因になります。

訳書だと、事例が英語でぴんとこないことがありますが、本書はそんなことはありません。

例えば「言葉を半分に削れ、さらに残りの半分を削れ。」では、ありがちなアンケートの文言を例に問題を解決していきます。
こんな長いテキストだと、読む気がなくなりますよね。

テキストは長くなるほど、必要な情報を見つけてもらえる可能性は低くなります。

単に短くするだけでなく、最低限必要な情報のみにすることで、ユーザーに正確に伝えることができます。
確かにこの92文字のテキストだけで、有用な情報が伝わります。

見た目におけるユーザビリティについても、具体的な事例で学べます。トップページやランディングページなど、それぞれの要素の役割や効果的な使い方を考えた上でデザインに反映させたいですね。

「1日10円でできるユーザビリティテスト」を取り入れるのもオススメです。。数名を募って毎月1回、午前の時間だけを使って行います。例え一人であっても、何もしないよりはサイト改善に100%役立ちます。

ユーザビリティテストをしないもっともらしい理由トップ5
- 時間がないし。
- お金がないし。
- 専門家がいないし。
- 専用の設備がないし。
- 結果をどう解釈したらいいのかわからないし。
本書を読むと、その心配はなくなります!
ユーザビリティテストは成果物の検証だけでなく、スタッフがユーザビリティを意識すると共に勉強にもなります。
超明快 Webユーザビリティの目次
- ユーザーに考えさせちゃダメ!
クルーグのユーザビリティ第一法則 - ユーザーは「実際には」どのようにWebを使っているのか
ざっと見て満足して、あとはなんとかする - 看板デザイン入門
熟読ではなく、流し読みしてもらうためのデザインとは - 動物、植物、それとも鉱物?
ユーザーが考えなしの選択を好むわけ - 不必要な言葉を省く
「書かない」という技術 - 道路標識とパンくず
ナビゲーションをデザインする - Webデザインのビッグバン
トップページを正しくデザインすることの重要性 - 「きっと仲良くやっていけるさ」
ユーザビリティを議論してもたいてい時間の無駄に終わるのはなぜか? それを避けるにはどうすればいいか? - 1日10円でできるユーザビリティテスト
テストはシンプル、かつ使えるものに - Mobile=モバイル。アラバマ州モービル市の話ではない
21世紀へようこそ。ちょっと目が回るかもしれないけれど - 礼儀としてのユーザビリティ
Webサイトを立派にしなければならない理由 - アクセシビリティと皆さん
やり終えたと思ったちょうどそのとき、バターを塗ったトーストを背中にくくりつけられた猫がふらりと現れる - 迷える者への道案内
あなたの職場でユーザビリティを実現する
社内やチーム内の定例で、ユーザビリティに時間を設けるのも効果的です。対象は自分たちのプロジェクトだけでなく、他のサイトでもよく、ユーザビリティだけについて話し合います。
デザインやコーディングの打ち合わせはそれぞれ専門としている人たちのみで行われますが、ユーザビリティに関しては全員にその資格があります。そしてユーザビリティを意識することが、使い勝手の良い成果物につながると思います。
献本の御礼
最後に、献本いただいたビー・エヌ・エヌ新社の担当者さまに御礼申し上げます。
当サイトでは随時、献本を受け付けています。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
sponsors